2026年アジア競技大会の愛知・名古屋の開催都市の決定を受けて記者会見

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 第20回アジア競技大会(2026年)の愛知・名古屋の開催都市の決定を受けて、日本共産党愛知県委員会は、愛知県庁舎で記者会見を行いました。共産党名古屋市議団の田口かずと団長が同席しました。

 発表した見解は以下のとおりです。

第20回アジア競技大会(2026年)の愛知・名古屋の開催都市の決定を受けて

2016年9月25日 日本共産党愛知県委員会

1. 本日(9月25日)、ベトナムのダナンでOCA(アジア・オリンピック評議会)総会において、第20回アジア競技大会(2026年)の開催都市として、愛知県・名古屋市が選定されました。日本共産党は、OCA総会の決定を尊重することをまず表明します。

 そのうえで、「スポーツの公正な競争を通じ、アジアの若者のスポーツ、文化、教育および道徳的、身体的な資質の発達を助け、国際的な尊敬、友情、親善、平和及び環境の促進に寄与する」(OCA憲章および規則)という根本原則に立って、国内外の期待に応えて、スポーツを通して、国際平和と友好を促進するオリンピック精神の実現に努めるとともに、大会の準備から開催に至るまで、安全で、愛知県民・名古屋市民の生活や環境と調和のとれた無理のない取り組みと、開催の進め方について、密室でなく、原則公開で、透明性を確保し、民主的運営ですすめていくことが大切であると考えます。

2.同時に、今回の開催決定に至る経過には、県民や名古屋市民からみて、不安や疑問の多く残るものとなっており、不安や疑問の解決に誠実に対応していくことが求められています。

 第1に、県民・市民が大会招致を知らされたのは最近のことであり、議会や住民の間で十分議論されているとはいえない状況です。県民・市民が納得できるよう、改めて、これまでの経過を丁寧に説明するとともに、大会の意義を周知徹底し、広く意見の集約を行い、県民・市民が心から歓迎できる大会につくりあげていくことが必要です。

 第2に、県議会、市議会での日本共産党議員の質問でも明らかにしたように、スポーツ振興といいながら、「超電導リニアプロジェクトも併せてアジアに発信し」(開催構想での大村知事あいさつ)と、大型プロジェクトの宣伝や、「交流人口の拡大や国際競争力の強化」(16年7月の県議会決議、わが党は反対)など地域開発を目的の一つにあげており、大会を口実にした大規模開発推進への懸念がぬぐいされません。

 しかも、大会主催者の負担経費850億円は、想定される経費を積み上げたものではなく、2014年の仁川(インチョン)大会開催費を参考にしたものにすぎず、公費負担600億円以外にも、競技会場の恒久的改修や選手村にかかわる基盤整備費など未確定要素が数多くあり、経費は増大しかねません。さらに、開催地だけを正式決定した今回の契約締結は、大会の基本原則や競技種目など基本的な内容すら決めておらず、不安を残しています。

 今後は、事業総額や費用負担、大会運営へのかかわり方など、県民・市民が願う「簡素で、身近な、スポーツ振興に役立つ」大会になるよう、誠実に計画を練り上げることが求められます。

 第3に、競技施設や選手村の跡地利用は、アジア競技大会後のまちづくりに直結する問題であり、広く、県民、市民の意向をくみ取ることが必要であり、デベロッパー(開発業者)にまかせるなど安易な対応は許されません。

3.日本共産党は、オリンピック精神に即したアジア競技大会の成功に全力をあげるとともに、アジア競技大会を開催する、愛知県、名古屋市が「平和及び環境の促進」に寄与できる県政、市政となるように、県民、市民と力を合わせ奮闘する決意です。

以上