2016年9月定例会

藤井ひろき議員の個人質問② 「リニア名古屋駅」工事、地元住民に丁寧な説明を(2016年9月14日)

 リニア名古屋駅」工事に伴う用地買収の問題点について

地権者から不満続出-丁寧な説明と対応をするよう強く求めるべき

【藤井議員】リニア名古屋駅工事に伴う用地買収の問題について、数点お尋ねします。

 先日、安倍内閣が発表した経済対策の一つに、JR東海のリニア計画へ公的資金投入があります。これは、大阪までのリニア延伸を前倒し着工するために財投債を発行し3兆円を調達するものです。しかし、リニア計画に3兆円を投入しても、延伸工事が始まるのは早くても11年後です。大手マスコミ報道でも「経済対策が狙う直近の景気押し上げ効果は疑問だ」の声もあるように、景気対策にはなりません。

 3兆円が国から出るということで、いっそう公共事業の要素が出ています。それだけにJR東海に対して、モノを言うことです。

 さて、「リニア名古屋駅」の工事に伴い、JR東海は、用地取得に関わる交渉を委託した本市の外郭団体「名古屋まちづくり公社」とともに用地買収を始めています。該当する土地の権利者は約120名です。リニアでJRと協定した範囲リニアでJRと協定

 私は、この間、立ち退きを迫られている皆さんを訪問し、聞き取りを行ってきました。あるご高齢の女性宅では、この夏、家屋調査が行われました。調査当日、女性は「我が家は、どこがリニア計画にひっかかるのですか」と質問しましたが、調査に来た皆さんからは「まだわからない」の答えばかりでした。

 また、家屋調査結果は1年後くらいなら報告できるとのことでした。なお、この調査時以外、JRや名古屋まちづくり公社から、ほとんど連絡もありません。果たして我が家が、立ち退きになるのか、それとも住み続けられるのか。これでは家具一つ買い替えることもできない。今後の生活設計が、まるで見えてこないと嘆いておられました。他の家屋調査対象の皆さんからも同様の声が多数ありました。

 今年2月定例会わが会派の代表質問において、立ち退き問題に関し、「JR東海にたいして住民への丁寧な説明と対応を行うよう、強く求めるべきではありませんか。用地の買収交渉を行っているのは本市のまちづくり公社ですが、JR東海のいわば下請け仕事を唯々諾々とこなすのではなく、市民生活を守る立場から、はっきりと要求するべきです」と質問を行い、住宅都市局長からは、「JR東海に対しても事業主体として丁寧な説明と対応に努めるよう申し入れている」の答弁がありました。

 しかし、今述べたように、この夏になっても、とても「丁寧な説明と対応」をしているとは思えないような不満の声が、市民から上がっています。

 そこで住宅都市局長にお聞きします。JR東海に対して「事業主体として丁寧な説明と対応に努めるよう申し入れ」をしたと代表質問時の答弁でありましたが、どのような申し入れを行い、どのような回答があったのですか。

 また、家屋調査をされた皆さんからは、自分の家や敷地が、どれほどリニア工事にひっかかるのかが、わからないの声があります。

 そもそも本市は、リニア名古屋駅工事に係る境界を把握しているはずです。「リニア名古屋駅」完成後の開発計画を立てるなら、境界がわからないはずがないと思うのです。住民の方に丁寧に境界を説明するよう、JR東海に申し入れるべきだと考えますが、どうですか。

丁寧な説明をするよう申し入れたい

【住宅都市局長】住宅都市局にリニア名古屋駅工事に伴う用地買収の対応につきまして2点のお尋ねをいただきました。

 はじめに用地買収に関するJR東海への申し入れと、それに対する回答についてでございます。リニア中央新幹線の用地取得につきましては、名古屋まちづくり公社がJR東海から事務を受託して、権利者の方への説明、調査の協力依頼等を行っております。

 用地取得にあたっては、権利者のご理解とご協力を得ることが重要であり、そのためには事業主体であるJR東海自らも丁寧な説明と対応に努めることが必要であると考えております。

 本市としましては、JR東海との打ち合わせの場などで、折に触れてその旨申し入れを行っているところでございまして、JR東海からも丁寧な説明と対応に努めるというふうに伺っております。

 用地取得が必要となる範囲は、昨年度末に確定致しました駅部の設計上の範囲を踏まえまして、現在JR東海が実施している用地測量によって正確な位置が確定を致します。

 用地測量にあたりましては、地権者の方による土地境界の立ち合い確認が順次進められておりまして、名古屋まちづくり公社も協力して精力的に進めているところであり、測量結果がまとまり次第、地権者に用地取得の範囲が説明されるものと聞いています。

 いずれにしましても、JR東海には、丁寧な説明をするよう申し入れてまいりたいと考えております。

住民不満は解消せず。今以上の丁寧な説明が必要では(再質問)

【藤井議員】「リニア名古屋駅」工事に伴う用地買収の問題点について再質問をします。

 まず「リニア名古屋駅」工事に係る境界についてです。一つ言いたいのは、境界調査にしろ、家屋調査にしろ、これらの調査は市民のみなさんが、調査してくださいとお願いされているわけではありません。JR東海がリニア駅の工事を始めるから調査をしているのです。

 家屋調査対象の、あるご高齢の夫婦は、「先祖代々この場所に住んできた。年をとってから、こんなことになるとは夢にも思わなかった。そんな急に立ち退きを言われても行き先がない」と途方にくれていました。この間、JR東海や名古屋まちづくり公社からの情報が、少なすぎるといった声も多数です。立ち退きを迫られている皆さんはJR東海に対して、もっと情報を開示し、丁寧なフォローを地権者にしっかり続けるように望んでおられます。それがないから、不満の声が次々とあがっているのです。

 先ほどの答弁で「JR東海との打ち合わせの場などで、折に触れてその旨申し入れを行っているところであり、JR東海からも丁寧な説明と対応に努めると聞いて」いるとありました。申し入れと言っても、JR東海に対して、何らかの文書を正式に渡したわけではない。会議などその都度、JR東海に言っていますし、JR東海からも、やっていますという返事がある程度の申し入れではないでしょうか。

 そこで住宅都市局長に再質問します。代表質問時から半年近く経っても、市民から不満の声があります。JR東海に対して、打ち合わせの場でなく、正式に文書で申し入れをしないといけないのではないですか。

 また用地取得の範囲は、「現在JR東海が実施している用地測量によって正確な位置が確定」するとの答弁でした。正確な位置が決まるまで、境界に関して地権者に対して図面などで範囲を示しながら説明していると言っているが、地権者の中には、それでもわからない方もおられます。今以上の丁寧な説明がいると思いますが、どうでしょうか。お答えください。

地権者の理解、協力を得ることがまず第一。JRと公社に伝える

【住宅都市局長】リニア名古屋駅工事に伴う用地買収の対応につきまして、再度お尋ねをいただきました。繰り返しになりますが、今後も様々なレベル、様々な場面でJR東海に対して丁寧な説明と対応に努めるよう、申し入れをしてまいりたいと考えております。

用地買収につきましては、地権者の方のご理解とご協力を得ることがまず第一であると考えております。従いまして、ご理解ご協力をいただくべく、丁寧な説明を行うよう、今一度JR東海及び名古屋まちづくり公社に伝えてまいりたいと考えております。

もっと強く、JR東海に改善を求めるべきだ(意見)

【藤井議員】答弁いただきました。まず境界の説明について意見を申し上げます。

 地権者の方の中には、高齢の方やお一人暮らしの方もおられます。そのような皆さんにとって、用地買収はまさに降ってわいたような話であります。私が出会った地権者の一人に、ご高齢の一人暮らしの方がおられました。その地権者は「わからないことばかりだわ」と困っておられました。ご高齢やお一人暮らしの方には、よりいっそう丁寧な説明をしていただきたいと申し上げます。

 次にJR東海に対しての申し入れについてです。私は何も文書と言う形式の申し入れにこだわっているのではありません。これまでJR東海との打ち合わせの場で、折に触れてその旨申し入れたと言っても、改善の兆しが見えてこないから、本市としてもJR東海に対して、もっと強く市民の声を言ったらどうかと、同じことの繰り返しでなく、もっと強い姿勢でJR東海に対してモノを言うべきではないかと、私は聞いているのです。

 JR東海に対して、「丁寧な説明と対応」を求めているのは、地権者だけではありません。この間、JR東海が各地で開催した説明会では、リニア賛成の立場の方々からも、「こんな説明や進め方ではだめだ」の声もありました。大手マスコミ報道でも「リニア建設でJR東海に不信感 住民目線の情報開示を」の見出し記事が先月、掲載されました。

 立ち退きを迫られている市民の不満の声をしっかり受け止めて、JR東海に対して改善をもっと強く申し入れていただきたいことを最後に申し上げて、質問を終わります。

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