2016年2月定例会

田口かずと議員の代表質問③ 地球温暖化対策とエネルギービジョンの策定(2016年3月4日)

地球温暖化対策とエネルギービジョンの策定を

地球温暖化対策について
【田口議員】地球温暖化対策とエネルギービジョンの策定について質問します。
 国連気候変動枠組み条約締約国会議、COP21で合意された「パリ協定」では、気温上昇を産業革命以前から「2度未満」、さらに「1.5度未満に抑える努力」を目標とし、そのために、今世紀後半には温室効果ガスの排出と森林などによる吸収を均衡させて、「実質ゼロ」をめざすことが明確にされました。日本政府が示した目標は、温室効果ガスの排出量を2030年に2013年比で26%削減するというものですが、これは1990年比では18%削減という不十分なものです。
 本市の来年度予算案には、『低炭素都市なごや戦略実行計画』の改定に向けた予算が計上されています。現行の計画では、温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%削減するという目標が掲げられており、2013度の排出量は、速報値ですが、90年比で10.7%の減少となっています。
 そこで、環境局長にお尋ねします。『低炭素都市なごや戦略実行計画』の改定にあたっては、2030年までの温室効果ガスの削減目標を掲げることになると思いますが、2050年までに8割削減に挑戦するという本市の長期目標を展望すれば、2030年までに40%程度の削減という野心的な目標を掲げることが必要ではないでしょうか。よもや、国の低い目標に合わせるようなことはありませんね。ちなみに京都市の計画では、40%削減が目標とされています。

国の動向をふまえ、新たな状況に対応できるよう、計画を見直したい
【環境局長】国の取組状況に大きな変化が生じており、昨年12月のCOP21で採択された「パリ協定」をふまえ、平成28年春には国は「地球温暖化対策計画」を新たに策定する予走であると聞いている。「低炭素都市なごや戦略実行計画」の改定にあたり、国の動向をふまえ、市民・事業者の意見を聴きながら、新たな状況に対応できるように削減目標の設定を含め、計画の見直しを進めていきたい。

自然エネルギーの普及を要にすえたエネルギービジョンを策定すべき
【田口議員】地球温暖化対策を進める上で、自然エネルギーの大規模な普及や徹底した省エネルギーの推進は不可欠です。同時に、福島第一原発事故を踏まえて、エネルギー政策は、低炭素社会の実現に加え、原発に依存しない社会の実現をめざすものへと転換することが求められています。地球温暖化にとどまらず、市民の安心・安全、産業振興など総合的な視点を踏まえた中長期的なエネルギー政策が必要だと考えます。
 こうした観点からわが党は、自然エネルギーの普及を要に据えた総合的なエネルギービジョンの策定を求め、市長も「本当にそういうのをつくらないかん」と議場で答弁されていますが、いまだに策定されていません。この間に、私が調べたところでは、14の指定都市で、再生可能エネルギーに特化したものも含めてエネルギー政策のビジョンや行動計画が策定されています。
本市でも、自然エネルギーの普及を要にすえたエネルギービジョンを策定すべきではありませんか。新開副市長の答弁を求めます。

様々な観点からエネルギー施策を推進したい(副市長)
【副市長】低炭素で快適な都市の実現に向け、再生可能エネルギーの積極的導入を進めており、平成26年10月策定の「名古屋市総合計画2018」においても、低炭素社会づくりを目的として、再生可能エネルギーの導入と省エネルギーの推進を施策に位置付けている。昨年10月策定の「名古屋市地域強靭化計画(地震災害)」では、将来的な視点を含めた方針として、エネルギー供給源の多様化に向け、災害時にも有効となる自立・分散型エネルギーの導入促進などを掲げている。
 今後も、低炭素で快適な都市の実現や安心・安全なまちづくりなど、様々な視点やらエネルギー施策についてさらに推進したい。

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