後期高齢者医療広域連合議会 8月定例会⑥請願の採択を求める討論 さはしあこ(2015年8月17日)

【後期高齢者医療制度の改善を求める請願書】

高齢者の暮らしを考え、安心して医療を受けられる仕組みづくりを
 請願第3号「後期高齢者医療制度の改善を求める請願書」について、賛成の立場から討論を行います。資料5 滞納
 消費税増税、保険料引き上げ、年金給付の引き下げ、社会保障の削減が高齢者のくらしを直撃しています。高齢者を取り巻く環境は、ますます厳しさを増しています。高齢者の負担は、すでに限界まで来ており、安心して医療さえも受けることができない状態まで追い込まれている方も少なくありません。
 過度な保険料負担による滞納を防ぎ、一部負担金の支払いが困難で受診を控えたために起こる病気の重篤化を防ぐためにも、低所得者な高齢者への対策として愛知県が独自に一部負担金減免を含めた軽減制度の実施や、個別訪問などによる相談体制の強化が必要だと考えます。

低所得者等への保険料減免拡充を資料7 さしおさえ
 請願事項1の低所得者に対する、愛知県独自の保険料と窓口負担の軽減制度についてですが、国が保険料軽減特例を段階的に縮小、廃止するのであれば、愛知県として少しでも負担軽減を図ることが必要ではないでしょうか。

軽減特例の恒久化こそ必要
 請願事項2については、保険料軽減特例の見直しに関して、先はど質問もさせていただきましたが、昨年度、国に対して、本議会は軽減特例が恒久的制度とすることを求める旨の意見書を採択しました。改選された本議会においても、高齢者の厳しいくらしの実情を踏まえ、軽減特例廃止によって負担増とならないように、引き続き、恒久化実現を強く求めるべきと考えます。資料8 自治体別短期証

実態に応じた一部負担金軽減を
 請願事項3の低所得者への一部負担金減免についてです。「国の通知では低所得者を事由とした減免は規定されていない」との理由から検討すらしないのではなく、著しく収入が減った状態が長く続いている低所得の方々が、一部負担金の支払いが困難である実情を把握し、支援することは必要です。

差し押さえより払える保険料に
 請願事項4について、保険料の支払いが困難である方にとっては、短期保険証の発行や財産の際差し押さえなどの処分では、根本的な問題は解決しません。低所得者層の中でも短期保険証の発行が増えています。また、老後の生活の保障である年金の差し押えが増加していることも見過ごすことはできません。生活の実態把握に努め、きめ細かな相談体制を構築することこそ必要だと思います。

懇談会委員は広く公募を
 請願事項5の懇談会の公募委員は、無作為抽出によるものではなく、広く被保険者から公募することを求める請願についてです。無作為抽出による委員の選定については「すべての被保険者に公募に関する情報を公平に提供し、公募を行うことは困難と考え、公募の情報を知りえた方もそうでない方も平等となるため」との理由から、現在の方法をもって行っていろとのことです。後期高齢者医療制度について、意見を述べたい方はたくさんいらっしゃると思います。被保険者に公募の情報を公平に提供することが困難であることを理由とするならば、まずは、請願者からもホームページの活用などが提案されていますように、情報提供の努力をすべきだと考えます。

葬祭費の申請漏れをなくせ
 請願事項6の葬祭費支給による申請勧奨については、周知は十分図られているということですが、平成26年度第2回愛知県後期高齢者医療制度に関する懇談会で、委員からホームページやパンフレツト等を活用した制度全般の広報に関する効果をたずねられていますが「効果測定は行っていない」とのお答えでした。葬祭費の申請も含め、制度に関する周知が十分図られているか疑問です。申請漏れがないように申請勧奨をしていただきたいと思います。
 以上の理由から、本請願の採択を求めて討論を終わります。

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