名港議会 一般質問① 弥富ふ頭の火災について(2014年3月26日)

弥富ふ頭で発生した火災について自席s2

周辺への影響はどうだったのか
【山口議員】トップバッターかと思ったら、ラストバッターでもあるようですが。1人だけの質問というのは若干寂しい気がしますが、気を取り直して、通告に従い順次伺います。
 第1に、弥富ふ頭で発生した火災についてです。
 11月定例会では、8月の鍋田ふ頭でのコンテナ破裂事故について取り上げました。今回再び名古屋港で起きた火災事故について質問することになったのは、本当に残念です。
 昨年11月13日、名古屋港弥富ふ頭に隣接する輸出用金属スクラップ置き場で火災が発生しました。ここは名古屋港管理組合所有地であり、由良海運に貸し付けているところです。
 当日管理組合からいただいた報告では、「人的被害及び周辺への影響については、使用者である由良海運から特にないとの報告を受けております。火災発生の原因については、消防の現場検証の結果を待っている状況であり、今後においても情報収集に努めてまいります」とありました。しかし、その後何の報告もありません。
 そこで、質問します。周辺への影響は本当になかったんですか。隣接するモータープールに置かれた約2,000台の輸出用自動車に灰が降り注いで、予定どおり輸出できるかどうか、清掃に追われる大変な事態だったと聞きました。火災の周辺への影響について答えてください。
すすなどで輸出用自動車が汚れ、水洗後輸出
【港営部長】火災発生時には確認できませんでしたが、鎮火後、近隣事業者などからの報告があり、煙とともに飛散したすすなどにより管理する輸出用自動車が汚れたため、水洗浄を行ったとのこと。当該自動車は予定どおり輸出され、支障はありませんでした。
火災の原因や検証結果の報告がない
【山口議員】火災の原因は特定できましたか。検証結果についても、その後の情報収集についても何ら報告がありません。火災の原因及び土地使用者の責任について答弁してください。
 実は弥富ふ頭でのスクラップ火災は今回が初めてではありません。今回の事故現場のすぐ隣、大藤運輸が使用している金属スクラップ置き場で2007年(平成19年)5月16日、そして2010年(平成22年)1月8日と同様の火災が起きました。いずれも原因不明です。7年間に3度も原因不明の火災が発生しているんです。
 また、2月23日の中日新聞に「ミックスメタル。全国の港湾や船舶で山積みされた状態で出荷する火災が、2010年以降毎年10件以上起きている。三河港でも昨年11月、火災が2件続いた。県の三河港務所は、現地での立入検査の強化を進めている」と、いう記事がありました。名古屋港の対応は十分でしょうか。
出火原因は特定できない
【港営部長】所轄の海部南部消防組合に確認したところ、出火原因は特定できませんでした。また、火災発生についての土地使用者に対する消防法上の責任はないとのことです。
違法な又貸し状態ではなかったのか
【山口議員】報道では、火災が起きたのは金属回収会社「ヤマショー」の金属スクラップ置き場だとされています。そもそも土地をした相手は由良海運のはずですが、これは違法な又貸し状態だったんではありませんか。由良海運に使用許可した目的、条件、そして無許可での操業や違法物の搬入の有無、なかったのかどうか答えてください。
目的外の操業などはなく、転貸にはあたらない
【港営部長】当該管理地は、由良海運に対して珪砂・石材置き場及び鉄くず品、廃プラスチック類置き場として使用許可しており、現地を確認している限りでは目的外の操業や違法物の搬入をしていたという事実は認められません。
 また、管理地を使用しているのが由良海運であり、ヤマショーはそこに貨物を持ち込んでいる荷主ですので、転貸ではありません。
金属スクラップ置き場は、港内に何カ所あるのか
【山口議員】同様の金属スクラップ置き場は、名古屋港内にはどこに何カ所ありますか。貸し付けた相手は誰か、又貸し状態になっていないかお答えください。
36カ所、うち弥富ふ頭には7カ所
【港営部長】組合管理地にある金属スクラップ置き場は、36カ所です。由良海運は大藤運輸を初め20社に貸し付けなどを行っており、転貸はありません。なお、弥富ふ頭には7カ所の金属スクラップ置き場があります。
金属スクラップ置き場スクラップ置き場の使用基準や安全基準はどうなっているか
【山口議員】スクラップ置き場の管理体制はどうなっているのか。発火の可能性のあるバッテリーやリチウム電池、油類が紛れ込んでいないのか点検する必要があると思いますが、スクラップ置き場の使用基準や安全基準についてもお答えください。
 このまま原因不明の火災を繰り返すようだと、弥富ふ頭は安心して使えません。
消防法などでの明確な法的定めがない
【港営部長】海部南部消防組合に確認したところ、スクラップ置き場の管理体制、使用基準、安全基準について、消防法などでの明確な法的定めがないとのことでした。

抜本的な対策を
【山口議員】抜本的な対策について答弁を求めます。
弥富市及び海部南部消防と連携を密にし、現地の立入検査も
【港営部長】今回の火災を受けて、管理地内でスクラップを扱っている企業に対しさらなる火災予防の注意喚起を行いました。一方、海部南部消防組合は、金属スクラップ卸売業者などの指導基準を新たに定めました。この基準では、荷受け時の分別方法、集積の面積や高さ、設備や教育などの防火体制について定めています。
 本組合と弥富市及び海部南部消防組合は連携を密に図っていくことを確認し、本年2月25日、3者で現地の立入検査を実施しました。検査の結果、おおむね良好でありましたが、一部において集積の基準を超えるものや分別の不徹底などが見受けられたため、是正するように指導しました。
 今後も、関係市村、関係消防機関との協力関係を一層深め、安全・安心な港づくりに鋭意取り組みます。

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 管理組合としてとるべき具体的な 再発防止策を(再質問)
【山口議員】たまたま車が予定どおり輸出できたのは、火災の発生時刻と船の入港予定、輸出の船に積み込む時間とに時間差があったから今回は大きな影響はなかった。もしも火災の発生時刻が、日時が船の入港時と重なったりしたら本当に大変な事態だったんですよ。支障がありませんという答弁で済ませてもらっては困ります。
 そして、違法なものをスクラップ置き場には何も入れてなかったと、そういう適正に使っていたところで原因不明の火災が続出しているということなんですね。
 原因は不明のままですが、現地の立入検査を行った。その中で、海部南部消防組合では新たな指導基準を定めたという答弁でした。これは消防の努力には敬意を表したいと思うんですが、スクラップ置き場は臨港地区全域にあります、名古屋市内にもたくさんあります。管理組合として、臨港地域全体への責任ある対応をとるように求めたい。
 そこで、再質問します。
 海部南部消防の新たな指導基準も参考にして、臨港地区のスクラップヤードの管理基準、これしっかり設けるべきではありませんか。注意喚起だけでは解決にならない。管理組合としてとるべき具体的な再発防止策を示していただきたい。
防火対策が記載された利用計画書を提出させ、関係消防機関に相談するなどの対応を検討
【港営部長】管理地の使用者に毎年火災防止の協力依頼を行ってきたが、今回のことを踏まえて、金属スクラップ置き場の使用者には、安全を確認するために防火対策が記載された利用計画書を提出させ、関係消防機関に相談するなどの対応を検討する。
よく連携をとっていただいて再発防止に努めていただきたい(意見)
【山口議員】海部南部消防組合の新たな指導基準、読ませていただきましたが、かなりしっかりした、そして厳しい指導基準だと思います。私は、名古屋市の消防局にもこのような指導基準必要ではないかと問題提起をさせていただきました。
 幸い名古屋市内のスクラップ置き場はね、規模が弥富等に比べるとまだ小さく、これまでのところ大きなトラブルは起きていませんが、これは名古屋港における静脈産業の発展ということを考えても、そしてスクラップ置き場周辺の土地の有効活用という観点でも、これ以上原因不明の火災を発生させてもらっては困る。
 利用計画書を企業に提出させるとの答弁でしたが、本当に消防を初めとした関係機関とよく連携をとっていただいて再発防止に努めていただきたい。これ以上同じ質問をさせないでいただきたいと思います。

 

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