名港議会 一般質問① 米軍艦の名古屋港入港について(2013年11月5日)

米軍艦船の名古屋港入港について

入港情報の公表はなぜ24時間前か山口議員&市長
【山口議員】9月4日に米海軍のイージス艦ヒギンズが名古屋港に入港、弥冨埠頭7号岸壁に着岸しました。米軍艦船の名古屋港入港は2010年11月以来3年ぶりです。
 米軍艦船に対し、核兵器積載の有無を確認すべきと私は考えますが、管理組合および愛知県は、確かめようとすらしません。この姿勢は港湾の安全を司る管理者として大きな問題だと指摘しておきます。
 今日は、いわゆる24時間ルールに絞ってうかがいます。米艦の入港目的は今回も「親善・友好」とされていますが、入港予定が公表されたのは入港24時間前です。名古屋港に入港する船舶の予定は、入港予定が固まった段階で随時、管理組合のホームページで公開されていますが、米軍艦船だけは入港24時間前まで公表しないルールとされています。
 管理組合は「軍艦の入港にも一般の船舶と同様に対応する」としていますが、ならばなぜ米艦船に限り入港予定を直前まで秘密にするのか。「在日米軍並びに米国領事館から入港24時間前しか公表しないように要請されている」と管理組合は言います。しかし港湾管理者の責任で入港の打診があった段階から公表している港も少なくないのです。
 四日市港は「米軍艦船入港対応マニュアル」を作成し、入港3週間前には議会にも報告し、1週間前には県民市民に広報すると定めています。
 小樽港では入港希望の一か月以上前、連絡があった時点で、議会各会派、港湾関係団体及び報道機関に情報を公表しています。
 今年は8月5日、青森港に米海軍のイージス艦フィッツジェラルド(9000t)が入港しました。乗組員はねぶた祭りを楽しんだようですが、この米軍入港について港湾管理者である青森県は入港4日前の8月1日に堂々とプレスリリースしています。
 名古屋港のアメリカ追随、秘密主義はひどすぎます。少なくとも入港目的が友好・親善というのなら他の船舶と同様に公表して当然ではありませんか。米軍艦船については他の船舶とちがい、入港24時間前しか公表しない、この特別扱いの根拠、この24時間ルールの法的な根拠は何ですか。

米軍や領事館の要請によるもの
【港営部長】法的なものはなく、艦船の動静や警備上の理由による在日米軍及び在名古屋米国領事館からの要請に基づき、入港24時間前に入港情報をホームページに公開しています。

主体性が疑われる姿勢だ。一般船舶が利用したいと言ったらどうする(再質問)
【山口議員】24時間ルールは米軍の要請を受けて管理組合の判断で実施している、守らなければならない法律や条約上の根拠は何もない、という答弁でした。管理組合の自治体としての自主性・主体性が問われる性格の問題だということがはっきりしました。
 通常の港湾業務に支障がない範囲、つまり希望する岸壁が空いているなら、相手が軍艦だろうと入港を許可しないわけにはいかない、軍艦だからと差別しないと言っています。そこでお聞きします。名古屋港管理組合のホームページでも24時間前まで米軍艦船の入港接岸予定は出てきません。ホームページ上では、米軍艦船が使用する弥富ふ頭7号岸壁は空いているように見えます。
 この岸壁を一般の船舶が使用したいと許可を求めてきた時は、管理組合はどうするのですか。理由は言えないが予約があるからダメ、と答えるのですか。

予定のないことを確認し米軍艦に使用してもらう
【港営部長】米軍艦船入港の打診があった際には、米軍艦船の停泊予定期間の一般船舶の入港予定及び港湾施設の利用予定を確認し、一般船舶の使用予定がない岸壁を米艦船の予定岸壁とする。

法的根拠もないのに特別扱いは問題(意見)
【山口議員】米軍から打診があった際に使用予定を確認しているからダブルブッキングはない、という答弁でした。米軍にはあくまでも民間船舶の岸壁使用の予約がないときだけ使用を認めているのでした。だったらなおさら法的根拠もないのに特別扱いは問題です。法的根拠もない24時間ルールは、管理組合の判断で、自主的に撤廃するよう要求しておきます。
 秘密保護法ができたら、米軍の行動は特定秘密にされ、私がこの問題を議会で質問しても、みなさん方が答弁しても罪になるのでしょうか。そうさせないために力を尽くしたい。

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