2013年11月定例会

田口一登議員の議案外質問②(11月26日) 弥富相生山線について

弥富相生山線の工事再開・中止の判断について

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住民意向調査はいつどのようなやり方でやるのか。工事再開と中止それぞれのマイナス面を示せ

【田口議員】2010年1月から建設工事が中断している弥富相生山線の工事再開、あるいは中止の判断について質問します。田口自席s1

先の土木交通委員会の決算審査において、入倉副市長は「来年度予算編成の時期に入るので、地元の大方の意見をもって、速やかに判断する」と答弁されました。さらに、河村市長がマニフェストで掲げた住民投票については、「住民投票は一つの例。地元の意見をどのように聞くか、そのやり方やスケジュールは考えさせてほしい」とも答弁されました。

 れを受けて河村市長は、その後の記者会見で、住民の意向調査に関して「指示してあります。名前は住民投票か、市民投票か、全住民アンケートか。地元の4学区で説明会を開いてやりたい」と明言されました。

そこで、入倉副市長にお尋ねします。

弥富相生山線の建設の是非を判断するための住民の意向調査は、いつ実施されるのか。また、どのようなやり方を考えておられるのか、お答えください。

私は、住民の意向調査を実施する場合には、市の責任で行うとともに、建設再開に賛成か、反対かという単純な二者択一ではだめだと考えています。それは、地元の住民の中にさまざまな考えがあるからです。「相生山緑地の自然は守りたいが、周辺地区への車の入り込みは規制してほしい」「中止する方がいいが、つくってしまったシェルターなどはどうするのか」「道路ができると便利にはなるが、交通量が増えて、学童の交通安全が心配だ」などなどです。

ですから私は、工事を再開する場合、中止する場合のそれぞれのマイナス面をクリアする方策も示して、住民の意向を調査する必要があると思っています。

工事を再開する場合には、開通後のヒメボタルへの影響を低減するために、有識者による「学術検証委員会」の報告書で示されている「夜間の通行止め」などの踏み込んだ対策を講じられないのか。開通後に交通量の増加が予想される相生学区などでは、学童の交通安全対策が不可欠です。

中止する場合には、周辺地区への車の入り込みを抑制するために、私が建設着工前に本会議でも何度も提案していた「コミュニティ・ゾーン形成事業」など、面的な交通規制が条件になるでしょう。つくってしまった構造物をどうするのかという点では、「学術検証委員会」の報告書で示されている「シェルターは野外教育施設に転用する」という対策が可能なのかも明らかにする必要があると思います。

このように、再開するにしても、中止するにしても条件付きなのです。それが、地元の多くの住民の思いだと、私は受け止めています。

入倉副市長、工事を再開する場合、中止する場合のそれぞれのマイナス面を解決する方策も示して、住民の意向を調査するお考えはありませんか。

市長とよく相談し、考えてまいりたい

【入倉副市長】(経過を説明し)住民の意向確認の時期、やり方等については、現在のところ、市長とよく相談し、考えてまいりたい。

 判断材料を示して住民の意見アンケート実施を(再質問)

【田口議員】入倉副市長の答弁は住民の意向調査の時期や方法はおろか、そもそも、住民投票かアンケートか名前は別にして、意向調査をやるのかどうかもはっきりしない答弁でした。

一体、いつまで市長と相談をされるおつもりなのでしょうか。決算からすれば、もう一月たったのですよ。来年度の予算編成ということなら、1月にもう迫っています。

そこで、市長に再質問をいたします。

まず、住民投票ですが、地元の区政協力委員長さんたちが、住民投票に異を唱えておられるのは、市長が工事を中断させておきながら、再開・中止は住民の責任で判断をと、住民に「責任」を転嫁しようとしているからです。(「その通り」「そうだ」の声)

ただ、市長が判断をするうえで、止めてから4年近くになります。今、ここで判断をするうえで、住民の意向を踏まえて判断をしたいとお考えになるのは、わたくしも理解できます。

そこで、河村市長に提案したい。

賛否を問うことで、住民の対立を引き起こしかねない住民投票ではなくて、アンケートという方法をとられたらどうでしょうか。私が提案したような、「再開」「中止」それぞれ、マイナス面、課題があるのです。こういう課題を、どう解決するのかという方策も示して、つまり、判断材料を示して、住民の意見を集約するアンケートです。その結果にもとづいて、総合的に判断をする。どうですか、市長、お答えください。

 住民の意向を確認することは絶対に必要なこと

【河村市長】やるかやらないかは、住民の意向確認のやり方について相談すると言っていまして、やるということは確定しております。そこは、確認をしておいてください。

3月31日に4学区の人から住民投票やろうという合意しましたので、それにもとづいて公約もしました。その意向には、変わりはない。

もう一つ重要なポイントは、学術検証委員会の報告書の中に、結論は政治、行政、住民と書いてあります。「住民のより高度な判断による」というふうに書いてあり、この場合、「住民のより高度な」ということですから、住民の皆さんが、どういうふうに考えておられるかということは、その意向を確認するということは、これは絶対に必要なこと、と思っており、その方法については、いろいろ考えていかないかん。

交通規制の問題もありますし、交通規制に関しては、警察のほうから事前には、なかなか出しにくいので、いずれにしても決まった場合においては、住民の総意において、適切な方法をとりますということは、言ってくれてもいいよということになっております。

 住民に判断材料を示して、最後は市長の責任で決めよ(意見)

【田口議員】学術検証委員会がひらかれました。そこで、いろんな課題が、「再開」「中止」の場合の、それぞれ、解決の方向性も示されているわけです。それがいったい、どうなってしまったのか。

やっぱり、住民に高度な判断を求めるというなら、そういう、判断材料を示すことが必要だと思うのです。でなければ、4年間止めておいて、いったい、何やっていたのか名古屋市はと、言われてしまいますよ。

学術検証委員会の委員の方から、私のツィッターに返信を送っていただきました。

こういう内容です。

「学術検証委員会として、かなり悩んだ立場としては、ずっこけますね。判断材料なく投票って」と、こういうコメントでした。

ですから、確かに、時期は切迫しています。すぐ判断はしなければいけないとは思いますが。しかし、やっぱり、ここは、住民に判断材料を提供して、そして、住民の意見を聞いて、最後は市長の責任で判断されるということを求めておきたいと思います。

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