渡辺義郎自民党名古屋市議に公開質問状

 自民党の渡辺義郎市議が名古屋市の嘱託職員採用に絡んで不正に関与していたのではないかとの疑惑がマスコミで報道されましたが、渡辺議員はいまだ、その真偽を明らかにせず、先ごろまとめられた名古屋市の調査結果でも、議員の関与が指摘されています。
 日本共産党名古屋市議団は疑惑が発覚して以来、百条調査委員会の設置など、議会が率先して真相解明すべきことを訴えてきましたが、減税日本ナゴヤの不祥事も相まって、残念ながら未だ実現していません。
 このままでは議会の信頼が失われるばかりです。そこで日本共産党名古屋市議団は8月30日、渡辺議員に対し下記の内容で「公開質問状」を手渡し、回答を求めました(山口市議が控え室で手渡し説明しました)。
 渡辺議員はその場で質問状を受け取り、「弁護士にも相談しており、反論の準備をしている。きちんと回答する」と答えました。

公開質問状 全文

市会議員 渡辺義郎様                    2013年8月30日
                   日本共産党名古屋市議団 団長 わしの恵子
嘱託員の不正採用問題に関する公開質問状

 前略、永年にわたる市会議員としての活動に敬意を表します。
 しかしながら、名古屋市嘱託員の不正採用問題についてのあなたの関与に関する疑惑はいまだに何ら解明されていません。
 これまでのところ、あなたからの公式な弁明は昨年12月26日の団長幹事長会議での発言のみです。そこでは残念ながら「記憶が定かではない」「捜査中なので申し上げられない」と答えていただいただけに終わっています。
 さて、警察の捜査も終了し、関与した職員への厳しい処分も行われました。さらに提出された「嘱託員の不正採用問題に関する最終報告書」には、「不正採用の直接的な原因は、A議員が、健康福祉局生活福祉部長であった甲に対し、本件嘱託員採用試験の成績にかかわらずBとCを採用するよう要請したことにある。本件不正採用は、A議員に端を発し、A議員のためになされたものと評価しても過言ではない。」とまで指摘されています。そのA議員とはいうまでもなく渡辺義郎議員、あなたであることは明白です。
 私たちは、このままでは議会人として市民に対する責任を果たせません。市政の厳しいチェック役として働くよう市民から信託を受けた市会議員として、「同僚」議員であるあなたの事件への関与、議員の政治倫理に反すると思われるあなたの行いを不問に付すわけにはいきません。
 市民への最小限の説明責任を果たすために以下2点の質問にご回答ください。
質問1)名古屋市会議員政治倫理綱領には、「議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を受けたときは、自ら進んで疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」とありますが、市会議員としてこの立場から、自らの疑惑を解明し、その責任を明らかにするつもりはありませんか。
質問2)事件への関与を否定するのならば、今回の最終報告書や先に行われた職員への処分について、何らかの異議を申し立ててしかるべきと考えますが、そうした気配もありません。あなたは、知人二人を市の嘱託員として採用するよう当時の生活福祉部長に対し要請した、とされていますが、本市職員に対して特定の人物を有利に取り計らうよう働きかけたことを認めますか。
 議会人としての十分な自覚があるあなたですから必ず真摯な回答をしていただけるものと確信しております。
 なお、勝手ながら回答期限を9月9日とし、この質問と回答は公開させていただきます。誠実な回答をお待ちしています。よろしくお願いいたします。