名港議会 一般質問② 国際バルク港湾について(2013年3月27日)

国際バルク戦略港湾の整備への国の予算は
【山口議員】コンテナでは国際戦略港湾にもれた名古屋港ですが、国際バルク戦略港湾には選定されたと張り切っているようですが、管理組合がよく比較に持ち出すいわゆる五大港はどこもバルク戦略港湾には選ばれていません、いや名乗りすらあげていません。地方港ばかりが選定されています。
 どうも国際戦略港湾と言っても名称だけで実質が伴っていないのではないでしょうか。いや、港湾のための戦略ではなくて、アメリカの穀物メジャー及び国内の関連大企業の利益確保のために日本の港湾をもっと使い勝手の良いものに改造しようとする国際戦略がこのバルク戦略港湾なのではないか、と私は考えるようになってきました。
 埋立事業に本格的に取り組む予算が提案されていますが、もういちど落ち着いてバルク問題について冷静に検討する必要があるのではないでしょうか。そこで以下、数点うかがいます。
 国策だといわれますが、バルク戦略港湾に選定された港湾の整備について、国の新年度予算で具体化されたものは何かありますか。
 私には見つけることができませんでした。名古屋港及び全国のバルク戦略港湾に選定された港湾につけられた国の予算を教えてください。

具体的な内容や予算規模は明らかでない
【企画調整室長】平成25年度国土交通省港湾局関係予算概要で、国際バルク戦略港湾の機能強化に向けた取組内容は、「資源・エネルギー等の広域的・効率的な海上輸送ネットワークの拠点となる大型輸送船に対応した国際物流ターミナルの整備」や「企業間連携の促進を図る埠頭運営者が行う荷さばき施設等の整備に対する補助と税制特例措置」等が示されているが、取組の具体的な内容や予算規模は明らかでない。

国際バルク戦略港湾に対する国の推進施策は企業への優遇策のみでは
【山口議員】どうもみていると、国のバルクに関する推進施策は税の減免など関連企業への優遇策ばかりのように見えます。港湾の整備についてコンテナ国際戦略港湾で盛り込まれたような支援策はあるのでしょうか。

国の支援策の充実について要請したい
【企画調整室長】国際バルク貨物の海上輸送ネットワークの拠点となる港湾で、一定の要件を満たす埠頭において、企業間連携の促進に資する埠頭運営を行う者が、国の補助を受けて取得した荷さばき施設等について、固定資産税・都市計画税に係る特例措置の創設を目指しております。
 現時点では、国際バルク貨物の輸送に向けて企業間連携の促進を図る事業者への支援策となっているが、今後とも国に対し、地元関係者や選定港湾等と一丸となって、国際バルク戦略港湾施策の推進に向けた国の支援策の更なる創設や充実について要請したい。

新食糧コンビナート用地は売却できるのか
【山口議員】穀物関連企業の意向は、TPP交渉の行方など、今後の経済動向に大きく左右されると思いますが、埋め立てて造成する食糧コンビナート用地を確実に販売できる保証はどこにあるのでしょうか。

TPPの動向も含め、鋭意、企業ヒアリングや意見交換を行っている
【企画調整室長】新食糧コンビナートの形成は、穀物の安定的かつ安価な供給の確保、穀物関連産業全体の競争力強化を目指し、穀物関連企業とともに計画した。TPP(環太平洋パートナーシップ)による穀物関連企業への影響は不明ですが、コンビナート用地の埋立計画作成時から現在に至るまで、国際バルク戦略港湾施策の実現に向け、TPPの動向も含め、鋭意、企業ヒアリングや意見交換を行っている。
 穀物関連産業を取り巻く動向に注視しながら、コンビナートの形成について取り組みたい。

埋立事業のスキームは変わらないのか
【山口議員】始まった埋立事業はバルク戦略港湾に特有の制度を活用しているのか、それともいままでの埋立事業と同じスキームのままなのですか。

売却を目的とした臨海用地造成事業
【企画調整室長】新食糧コンビナート用地の事業スキームは、従来と同様に売却を目的とした臨海用地造成事業としております。公共桟橋や背後の荷さばき地等の整備は、国際バルク戦略港湾施策の推進に向けた国の更なる支援策を要請したい。

無謀な大型公共事業になる危険性(意見)
【山口議員】結局、現時点では、具体化されているのは企業への支援だけ。港湾の整備については国から何も具体的な支援がないということがわかりました。バルク戦略港湾は、いまのままでは無謀な大型公共事業になる危険性が大きい、と指摘しておきます。

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