退職手当削減条例に対し緊急の申し入れ

愛知県等では職員の退職金が3月1日から削減されるため「駆け込み退職」が問題となっています。日本共産党が議席を持たない県議会で昨年12月20日、人件費の削減を理由に退職金を3月1日から大幅削減する条例案を全会一致で可決しています。日本共産党愛知県委員会は1月30日、「条例の施行期日を4月1日に変更し、2月末で退職となる職員が引き続き働けるようにする」ことを求め、緊急の申し入れをしました。岡田ゆき子市議も出席し、「子どもや保護者、先生がしわ寄せを受ける方法はとるべきではない」と指摘しました。

 年末度は、卒業式や終業式、高校入試など重要な行事が重なります。岡田市議が「2月末で退職する教員が引き続き教育現場にいられるようにすべき。生徒の名前も知らない臨時職員が年末度の業務をこなすのは無理ではないかという声が、現場で上がっている。」と指摘すると、教職員課主幹は「国に準じてやっているが、現在、子どもに負担がかからないように対策を検討中」とこたえました。

 申し入れ全文は以下の通り。

 退職手当条例の改正と退職県職員・教職員の取扱いに関する申入れ

マスコミ各社が、県職員の退職手当削減と今年度の県職員の退職時期に係る問題を大きく報じています。

退職手当は、長年にわたって真面目に懸命に働いてきた職員にたいする労働の対償としての給与後払いであり、また退職後の生活設計の最大の根幹をなすものであって、職員にとって財産権であり期待感もあると指摘されています。今回の問題は、そのような性格をもつ退職手当にもかかわらず、貴職が職員と職員団体の間で十分な協議も合意もなく、人件費削減を唯一の理由として、ひたすら強行したことにあります。

退職を目前にして、職員は、「給与カットをされている上に、最後は退職金減らしか」「県幹部は職員の悩み苦しみに全く無責任」などの怒りとともに、施行期日の3月1日前に退職した場合、「クラス担任なので生徒や父兄に解ってもらえるか悩み続けている」「高校入試で忙しい最中に職場を離脱するのはつらい」「議会開会中に退職するのは無責任になるのだろうか」などなど、公務員の矜持に係る苦悩の最中にあります。

このように、退職者は大きな精神的苦痛を受けていますし、県民と職員の間で、教員と生徒・保護者の間で、また、職員と職員の間で、取り返すことができない大きな分断や不信・混乱が生じ、健全な県政運営が危ぶまれる重大な事態となりかねません。

よって、この事態を起こした貴職の責任として、下記の対応を緊急に取るよう強く申入れます。

1.2月定例県議会の開会冒頭に緊急上程・可決し、退職手当改正条例の施行期日を平成25年4月1日に変更すること。

2.2月末で60歳を既に迎え定年退職扱いとなる職員・教員については、臨時的採用職員や再任用職員などで引き続き働けるようすること。