3月5日 さはし議員が天守閣木造再建で質問

津波や地震対策も不十分、石垣の補修も進まないのに
いまは必要ない名古屋城天守閣木造再建

 先日、『名古屋城の将来を語る市民大討論会』が開かれました。さはし議員は、市民や専門家の意見を聞いた感想を語りながら、名古屋城天守閣の木造再建についての問題点や今後のあり方についてただしました。

ばく大な建設費以外にも様々な課題
 市民からは再建を望む意見のほか、「現在の天守閣の評価をしたうえで考えるべき」「なぜコンクリートで再建したか、当時の名古屋市民の思いをどうするのか」などの様々な声が出されました。有識者などからは、「木造で復元する場合の課題として、火災や地震に対する安全性という問題、急な階段や段差が多く、お年寄りや体の不自由な方のバリアフリーの問題、直径60㎝以上の木曽ヒノキは年に数本しか出ない」などの問題が出されました。さらに、ばく大な建設費の問題は、更地に再建するだけで342億円の試算が示され、戦災を受けた天守台の石垣や、はらみのある北面などの積み直しなど、さらに数十億円が必用です。

名勝二之丸庭園などの整備優先を
 さはし議員は「名古屋城天守閣の木造復元にかかる様々な課題は容易に解決できるものではない。再建してもその後の大改修などの負担は大きい」とただし、「今やることは、名勝二之丸庭園などの整備を優先して進めるべき」と求めました。局長は「必ずしも解決できない課題ではない。姫路城の大改修28億円。隅櫓や石垣、庭園は順次整備したい」と答えました。

子どもたちを悲しませない防災対策を
 「天守閣の耐震改修か木造復元か」と今後の方向性をただしましたが、「市長の熱い思い」というだけでした。さはし議員は、現行の天守閣再建のときは伊勢湾台風があり、「天守閣より堤防を」という子どもたちの声を紹介し、「子どもたちに、天守閣より防波堤がほしかった、と悲しませないようにして下さい」とやみくもに再建に進もうとする市長を戒めました。

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