2011年11月定例会

山口清明議員の議案質疑 名古屋市集団回収における古紙の持去り防止に関する条例について

2011年11月29日
山口 清明

議員提出議案第33号 名古屋市集団回収における古紙の持去り防止に関する条例について

■なぜ、古紙のみの回収か

【山口議員】市民による自主的な集団資源回収は、いまや市民の日常生活にもすっかり定着し、同時に本市のゴミ減量のためにも欠かせない存在です。活動を担っているみなさんに心から敬意を表します。

さてこの条例ですが、3点うかがいたいと思います。

まず条例の基本的性格についてです。少なくない政令市や県下でもいくつかの自治体が同趣旨の条例を制定しています。そもそも市民による集団資源回収方式そのものが名古屋独特の方法であり、一概には論じられませんが、他都市の条例と比較したとき、この条例にはいくつかの特徴があります。

第一に、資源回収のうち古紙のみを対象にしている点です。アルミ缶なども回収していると思いますが、なぜ古紙のみが持去り防止の対象なのか、その理由についてうかがいたい。

■被害者は、アルミは行政、古紙は市民だから

【田辺議員(公明)】古紙持ち去りの被害者は市民だから。アルミ缶等は行政回収で行われており、行政には条例の提案権がある。

■罰金か、過料か

【山口議員】第二に、罰金ではなく過料を課す点です。罰金は警察行政との緊密な協力なしに実効性をあげることができません。過料は市単独で課すことができる利点があるとのことですが、それは持去り行為を犯罪とは規定できないから警察は頼れない、だから罰金でなく過料なのだ、という理解でよろしいのか。なぜ罰金でなく過料なのか、その理由についてうかがいます。

■スピード感が必要で警察との協議が不要な過料としたい

【田辺議員(公明)】判断が分かれるが、自治体でも100万円以下の罰金や5万円以下の過料を課すことができる。東京や愛知県、三重県などでもいろいろ分かれている。スピード感もって制定し、市民の活動を助けようと、警察、地検と協議の必要のない過料とした。

■誰によるもちさりを想定しているのか。有効な条例か

【山口議員】次に、この条例が今の事態に有効かどうか、と言う点です。

一昨年4月から罰金20万円の条例をつくった春日井市の状況を聞いてきました。条例制定によって、単独の日本人による持去りは、空き缶が主ですけれど、激減したそうです。

しかし、昨年夏から古紙価格が急騰し、そこから急増してきた外国人とみられる集団による県外ナンバーの車を使った組織的な持去りに対しては、条例は十分な効果を発揮できていない、とのことでした。

警察の協力なしには、その場で持去り行為を強制的に制止できません。条例も無視です。警告や禁止命令についても相手が特定できず、本人確認がネックです。ようやく一件告発したが、罰金を科すところまではいかなかったとのことです。

いまは12台の車(市清掃3台・緊急雇用2台・古紙組合7台)で、特に被害の多い地域を重点にパトロールしているそうですが、市としては、追い払うというより、持去る人や車を現認する、情報を集積することに重点を置いているそうです。

「ここが狙われる」という回収拠点で、警察といっしょに待ち伏せでもしない限り、彼らへの対応は厳しい、と率直に実情を語ってくださいました。

この条例が、くいとめようとしているのは、誰による持去りなのでしょうか。まさしくこうした県外ナンバーの車を使った外国人と思われる集団とするならば、いまからつくる条例なのですから、他都市の経験を踏まえた効果的なものにしなければなりません。

条例のどういう点が、このような持去り者に対する抑止効果になるのか。組織的計画的そして意図的に持去りを企む集団への対応として、この条例のどの点がどう有効なのか?示してください。

■もちさろうとするものすべてが対象。ルールの明確化が狙い

【田辺議員(公明)】契約している回収業者以外がもちさることを禁止しており、持ち去りをする人たちを食い止め、防止しようとするもの。

ルールの明文化が条例の目的だ。今は、古紙回収の対象を持ち去ってはいけないという規定がない。去っていけないということを条例で明文することが目的。

■根本的には背景にある雇用問題の解決が必要(意見)

【山口議員】条例を提案された趣旨はよくわかります。その思いを実効あらしめるためには、もう少し課題を詰めるための検討が必要ではないでしょうか。

例えば、条例が定める「勧告」「命令」「過料」等の処分は相手が特定できないと執行できないのではありませんか。実効性を担保するのには、パトロールの体制と警察の協力の二点が欠かせませんが、詳しくは委員会での質疑に委ねたいと思います。

三重ナンバーとか外国人と思われる人たちとのやりとりをしましたが、この問題を根本から解決するためには、背景にある雇用問題に目を向けないわけには行きません。その点を指摘させていただきまして質問を終わります。

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