行政評価「事業仕分け」についての申し入れ

2011年10月26日

名古屋市長
河村 たかし 様

日本共産党名古屋市議団
団長 わしの 恵子

 行政評価「事業仕分け」についての申し入れ

名古屋市による行政評価として、総務局を中心に行われた内部評価に続き、外部評価=「名古屋版事業仕分け」が行われました。仕分けの対象とされた30事業についてそれぞれ、廃止・見直し・継続の判定が出されたところです。

しかし、事業仕分けの、目的・対象・判定手法・判定結果について多くの問題があります。もとより事業仕分けの結果は、市政運営上一つの参考意見に過ぎないはずですが、市長の「判定結果を市政に生かす」発言など、判定結果の独り歩きが危惧されます。各事業については、議会での論議をはじめ、事業利用者を含む市民的な検討と合意抜きにした安易な結論の押しつけは許されません。

以下のとおり、今回の事業仕分けを受けての要望をまとめました。正面から受けとめ、誠実に対応していただくよう申し入れます。

 

①募集した市民意見を速やかに公表すること

行政評価結果について、市民意見を求めておきながら、外部評価の場には何ら公表されなかった。その経緯について明らかにし、寄せられた市民意見を速やかに公表すると共に、事業仕分けの判定結果とあわせ議会へ報告すること。

 

②判定結果を予算編成等で「最大限尊重」するような特別扱いしないこと

「廃止」や「見直し」とされた事業の利用者からは、現場も見ずに利用者の声も聞かず、一方的に判定されたとの強い批判があり、判定員が示したコメントとは違う判定結果となった事業(民間木造住宅の耐震化支援が「廃止を含む見直し」の判定)もあるなど、判定基準のルールについても不鮮明との声もある。判定結果を絶対視しないこと。

 

③事業仕分けは、行政評価として安易かつ粗雑な手法であり、廃止すること

対象事業の選択(大型開発などは選択外)や、学識者等の選定に関する不透明性、多様な民意を反映するには不十分な市民判定員(人数、情報提供、検討時間、選択肢)、事業の意義・役割の議論は不十分なまま、「経費削減が最優先」「官から民へ」の立場からの論点整理や議論など、運営上いくつもの問題点が指摘できる。

本来、それぞれの事務事業の必要性や費用対効果については、議会で検討すべきである。当事者をふくめた市民参加での検討は十分な情報提供と必要な時間を確保したものでなければならないが、現在の事業仕分けではその点の保障は皆無である。事業仕分けは、市民参加を装いながら、大企業・金持ち優遇の市民税減税や、大型開発事業の財源づくりのための手法であり、公正公平な市政運営上問題である。

このような事業仕分けは、採用すべきでなく、廃止すべきである。

以上