陽子線がん治療施設~一時凍結での市民討論は当然、負担増は検討課題

2011年6月20日 財政福祉委員会 山口清明議員

■建設・設置から20年間の保守・運営まで含めた245億円の契約

6月20日の財政福祉委員会で「陽子線がん治療施設の工事凍結による追加費用請求」について審議が行われました。「民間活力やノウハウを活用する仕組み」だといって「建設から20年間の運営もふくめた契約」を日立製作所と245億円で行いました。河村市長が「赤字になる施設をそのまま認めることは出来ない」と一時凍結したために、増えた費用負担4億8600万円が日立製作所から請求されたものです。

■大きな利益でリスクも承知の長期契約

山口議員は、「市長の再検証の結果をまずきちんと市民に公表することが必要だ。問題点は何ら解決していない」と述べたうえで「建設だけでなく運営や保守もふくめた20年の長期契約だ。普通の公共事業契約ではない。4億4600万円は245億円の2%、20年の契約の中で吸収できないかという市の姿勢も理解できる」と問題点を明らかにし、協議を深めるよう求めました。

■「払うのは当然」(自・公・民)

名古屋市は「長期・高額な契約なので、工法の工夫をするなどの努力で、契約金額で抑えるようお願いをしている」という方針です。自民・公明・民主の議員は「日立の落ち度がないから払うのが当然」と市の態度を一方的に批判しました。

■「見直しには意義があった」(減税日本)

減税日本は、「一時凍結して議論したことは、採算についての認識が深まり、市の姿勢が明確になるなど大きな意義があった」と評価し「費用についての話し合いは必要」という姿勢を示しました。

【事業の概要】
・陽子線がん治療施設の設計、建設、運転・保守・維持管理業務等(契約締結日から平成43年3月31日まで)。
・民間資金等を活用し実施するものとし、事業者が市の示す要求水準を満たす施設を整備した後、市に所有権を移転し、施設の運転・保守・維持管理に関する業務を実施するBTO(Build Transfer Operate)方式とする。
・総合評価一般競争入札(入札価格、事業提案内容等を総合的に評価する方式)で行う。

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