2011年3月定例会

岡田ゆき子議員の個人質問 介護負担の軽減等について

被災地への介護従事者の派遣はどうするのか

【岡田議員】東日本大震災に対する被災者支援について質問します。

震災から1ヶ月が過ぎました。地震、津波に加え、福島第1原発事故による被害で先の見えない状況が続いており、被災者やその関係者の方々の疲労困憊ぶりは極限に達してきていると思います。

先日、被災地支援活動に参加された医療関係者からお話を聞きました。避難生活が長期化していることにより、被災者を取り巻く環境も刻々と変わってきているというお話でした。避難所では、日中は40代50代の方が、行方不明者の捜索や自宅の片付けに出かけて、夜どっと疲れきって、帰ってくる、日中は高齢者と子どもたちだけという避難所が多いということです。避難所では寝ている時間が多いため、足腰が弱り、虚弱高齢者が重度化するという状況があり、水分不足のため、脱水から脳梗塞や心筋梗塞など災害関連死もまだ続く状況で、医療介護のスタッフが全く足りないということでした。デイサービスなどの介護施設が壊滅し、日中預かるところがないため、介護の負担も家族にかかっています。寝たきりの方など24時間介護が必要なわけですから、避難所という特殊な場所での、家族に頼る介護では、身体的精神的なストレスは計り知れません。

避難生活が長期化している中で、現地では、介護にも重点をおいた支援が必要です。国では全国の都道府県や指定都市などに、管内の当該団体や、社会福祉法人などに対して介護職員などの派遣協力依頼を行うよう通知を出し、名古屋市でもその結果を取りまとめて国に報告したと聞いていますが、現在、介護職員などについて、どのような状況となっているのですか、健康福祉局長にお尋ねします。

要請があった場合には、被災地の支援に協力したい(局長)

【健康福祉局長】被災地への介護職員等の派遣及び要援護者の受入れは、3月15日付で厚生労働省から被災地以外の県、市に対して調査依頼があった。これを受け、特別養護老人ホームなど介護保険施設や介護サービス事業所に照会し、4月末までの期間で延べ69名の介護職員等の派遣及び326人の要援護者の受入れが可能との回答を、3月18日に国へ報告した。

 現時点は近隣の県から派遣及び受入れをしており、今後、名古屋市に対し派遣要請等があるかどうかは不明ですが、多くの施設事業所からは「できる限り協力します」との言葉をいただいており、要請があった場合には、改めて調整のうえ、被災地の支援に協力したい。

災害救助や復興支援が、民間任せでいいのか (意見)

【岡田議員】介護職員の派遣に、民間事業所などは、体制上非常に厳しい中、「役に立ちたい」との熱い思いで、国からの派遣要請に応えていただいたと思います。介護分野では、市の直営する事業所はほどんとなく、災害救助や復興支援が、民間任せとなっています。名古屋市として介護分野での情報収集や分析ができないという重要な問題について、局長の認識は弱いのではないかと考えます。介護分野においても市直営のサービスが必要だと要望を述べさせていただきます。

低所得者が介護サービスの利用を控える実態を知っているか

【岡田議員】介護保険制度は、高齢者の介護を社会で支えるという理念でスタートし、10年が経過しました。制度では、介護サービスを利用する際は、一割の利用負担が必要となります。利用回数が増えれば、自己負担も増えていくという仕組みです。

65歳以上の高齢者で、市民税非課税世帯の場合、日々の生活そのものが経済的に困窮している実態があります。年金から国保料、介護保険料がひかれると、手元に残るお金はわずかで、サービスを使いたくも使えなかったり、介護保険はお金がかかるからといって、介護申請すら受けないという方もおられます。介護が必要になった時に、必要なサービスを受けることは、高齢者にとって当然の権利です。

サービス利用料の減免については、国の高額介護サービス費制度という負担軽減措置はあります。例えば、世帯全員が市民税非課税で合計所得金額が、80万円以下の場合、利用者負担の上限は15,000円までと設定しています。果たしてその所得で、月々15,000円まで払い続けることができるかという疑問があります。

事例をお話します。北区在住の女性で84歳のAさんは、要介護3度です。月々の年金は約3万円。この方の利用負担上限は15,000円ですので、それを超えた分は、後から支給されることになります。持ち家で、10年前までたこ焼き屋を営んでいた時に貯めた、貯金を取り崩しながら生活していますが、老後の不安もあり、出費を抑えた生活は非常に質素なものです。この方はデイサービスを週3回と車いすのレンタルをされ、月の利用は12300円~13300円です。実際は、さらにデイサービスの食事代として6,500円がかかるため、出費は月々20,000円程度になります。デイサービスは、入浴が目的であることと、脳梗塞後遺症のリハビリのために、必要な回数をケアマネージャーと相談して決めました。しかし排せつの後始末ができないなど問題があり、ヘルパーの利用を勧めましたが、これ以上の出費はもうできないと言われました。そのため、朝デイサービスの職員がお迎えに行ったときに、見るに見かねてズボンや下着を交換するということが何度もありました。この方は、生活費を切り詰めるために、夜のお弁当を半分残して朝食にしたり、自力でトイレに行けないため、おむつを使用していますが、数回分の排せつを一枚のおむつで済ませるなど、非常に経済的に厳しい生活をされています。

この事例は氷山の一角です。15,000円を超える利用料については、最終的に超えた分のお金が戻ってくるとわかっていても、そこまでは払えない、負担上限額をもっと下げてほしいというのが、高齢者の声なのです。

そこで、健康福祉局長にお聞きします。高額介護サービス制度という負担軽減措置があっても、限度額すら払えずに、必要な介護サービスが受けられないという実態があることについて、どのように思われますか。

また、負担軽減措置対象の低所得の方で、介護度が重い方の介護実態を把握する仕組みがありますか。

介護実態を把握する仕組みはないが、適切な支援を行っている(局長)

【健康福祉局長】低所得者の負担軽減は法制度の枠組みの中で解決されるべき問題と考える。

介護の実態を把握するため、「介護保険在宅サービス利用者調査」や「介護保険サービス未利用者調査」を3年毎に実施している。低所得者で要介護度が高い方すべての介護実態を把握する仕組みはない。個々の具体的な相談は、「いきいき支援センター」を市内29ケ所に設置し、適切な支援を行っている。 

経済状況でサービスの利用に格差があっていいのか

【岡田議員】県下の他の自治体ではどんな対策がされているか。パネルをご覧ください。色のついているところは、サービス利用料の減免をすでに自治体独自でおこなっているところです。57自治体のうち25の自治体で、利用料の減免が行われています。財源はほとんどが一般会計からの繰り入れとなっています。

例えば、豊橋市では、在宅サービス負担軽減事業補助金として、利用者負担上限が15,000円の場合は、市が7,000円補助して、利用者の負担は8,000円に抑えています。

減免の方法は自治体によって様々ですが、県内でもこれだけの自治体がすでに、利用料の減免を行っているということを認識してください。

施設サービスについても同様です。「自分の年金で入所費が払えない」という高齢者は多く、特に女性で老齢福祉年金受給者にいたっては、サービスの選択肢にも入れられないのです。私のところに寄せられた介護相談で、4月に開所した北区の特別養護老人ホームに、申し込みされた方は、高い倍率の中、入所の可能性があったにもかかわらず、施設に料金を確認したら、月に7~8万円かかると聞き、月40,000円の年金では払えないからと申し込みを取り下げたと言われました。このような方も本来、特別養護老人ホームの入所待ちであるわけですから、実際には、待機者数はもっと多いということになります。

健康福祉局長にお聞きしますが、経済状況によって、サービスの利用に格差が生まれてしまうことについてどのようにお考えですか。

高齢者の介護を社会が支えるとして、始まった介護保険制度が、この10年間に、保険料が上がり、サービス利用制限も実施され、第5期改定では、要支援者への介護保険給付はずしも検討されており、このようなサービス利用の抑制が、状態の悪化や重度化を招いて、中長期的に見れば、名古屋市にとっても、給付費が増えることにつながるということを申し上げたいと思います。

サービス利用の格差は、基本的には生じていない(局長)

【健康福祉局長】介護保険料の所得段階別にサービス利用限度額に対するサービスの利用率を見ても、いずれの所得段階でも利用率は5割前後で推移しているから、所得によるサービス利用の格差は、基本的には生じていない。

金の心配で利用を控える高齢者の実態も知らないのか(再質問)

【岡田議員】介護負担の軽減については、経済的な格差はないとのご答弁でしたが、介護サービスを調整するケアマネージャーが、低所得の方には、まず『いくら払えますか』と利用者に聞くところから始めなければいけないのが実態なのです。いきいき支援センターへ相談ができるといっても、先ほどの事例に応えることができるでしょうか。お金の心配をして利用を控えているという高齢者の実態があるということに心を寄せていただき、必要なサービスを受けられるようにすべきです。

健康福祉局長にお聞きします。私がお話しした高齢の方の実態などについては、リアルにとらえる必要があります。低所得で介護が重い方の介護実態を把握する仕組みはないとのご答弁でしたが、把握する仕組みを作っていただきたいと思います。お考えをお聞かせ下さい。

個々の事例の細かな状況まで把握することは困難(局長)

【健康福祉局】ケアマネージャーが利用者や家族の意向を踏まえ、個々の状況にあった必要なサービス計画を作成し、そのケアプランに基づいて必要な介護サービスが提供されている。市が個々の事例のすべてについて細かな状況まで把握することは難しいが、いきいき支援センターにおいて、適切な支援を行っている。

低所得者のための利用料減免を行え(再質問)

【岡田議員】市長にお聞きします。経済的な理由でサービスが利用できない高齢者のために、サービス利用料の減免をすでに行っている自治体があるのです。県内では財政力のある名古屋市で、できないはずがありません。低所得者のための利用料減免を行うご意思はありませんか。

根源は国の超管理体制による介護体制だ(市長)

【市長】国家が介護のような柔軟性を必要とするサービスをやるのは、共産主義みたいなもんで、医療ならレントゲン撮るとかまだわかりますけど、そんな膨大なことやって、将来めちゃくちゃ金がかかるようになる、すでに7兆円越えているが、どんなに金かけても肝心のヘルパーさんのとこにはホントに金がいかない。国がこんなことやめて自治体に金を全部渡して自由にやってくれという体制をとると、もっときめ細かい、お金のない人も使いやすい対応サービスが展開できると思っています。せっかく指摘があったので、ちょっと勉強させていただきますが、根源は国の超管理体制による介護だとおもいます。勉強はちゃんとします。

サービス利用の負担軽減を名古屋市独自で早急に実施を(意見)

 【岡田議員】高齢者の尊厳が守られ、地域で安心して暮らせるように、サービス利用の負担軽減を名古屋市独自で早急に実施して頂くよう再度申し上げます。

介護保険の負担軽減措置、市独自の措置の考えはあるのか(関連質問)

【田口議員】先ほどの市長の答弁の中で共産主義云々という発言がありましたが、河村市長はいつも答弁に困ると共産主義を持ち出す。しかし市長の共産主義の認識は全く間違っている。と、まず申し上げておきます。

それで、介護保険の負担軽減措置、市独自の措置について市長も何とか考えるといっておられますが、健康福祉局長、これ是非ねえ、考えないといけない。県下でも半分以上がやってますからね。健康福祉局長としても考えていく、こういう姿勢があるかどうかお尋ねをいたします。

局内でも議論すべき課題だと認識 (局長)

【健康福祉長】基本的には法制度の枠組みの中で対応されるべきものであると、そのための要望も国に対して行っております。他都市の事例も、政令指定都市の取り組み等の調査もしています。そういった中で利用者負担のあり方については局内でも議論すべき課題だと認識をもっている。

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