2011年3月定例会

暫定予算に対する反対討論(2011年3月30日) 山口清明 議員

 ※山口議員の討論は37分すぎから

第73号議案 平成23年度一般会計暫定予算について、日本共産党市議団を代表して、反対の立場から討論を行います。

反対理由の第一は、議会の予算審議権をないがしろにする、暫定予算にふさわしくない予算措置がいくつか盛り込まれているからです。
縮小される事業のひとつである「民間保育所保育士確保対策補給金」は、民間保育園にとって大切な制度です。補給金の削減による「市民サービスの低下はない」と財政局長は答弁されましたが、保育園の経営には少なくない痛手であることが委員会審議で明らかになりました。待機児童対策に力を入れる名古屋市がとるべき態度とは思えません。

第二は、継続事業でも大型プロジェクトについては、しっかり見直すことが必要だからです。とりわけ東北・関東大震災が発生し、被災者支援と被災地復興に力を注ぐべき時です。漫然と事業を継続する姿勢は容認できません。
名古屋城本丸御殿の建設事業費が盛り込まれていますが、いま急ぐ必要がない事業であり、震災発生も踏まえて、もういちど見直すことが必要です。それなのに債務負担行為とはいえ、新年度予算11億6千万円全額が暫定予算に計上されています。
中区大井町の民間市街地再開発事業や名駅4丁目4番南地区の優良建築物整備事業は、どちらも高層ビル建設に一般会計から巨額を投じるものです。この二つは債務負担行為ですらないのに、どちらも新年度予算の全額が暫定予算に計上されています。事業の継続について見直す機会もないまま、本格的な予算審議前に、暫定予算ですべて執行するのは問題です。
名古屋高速道路への出資金・貸付金は今年度58億円、これも全額が暫定予算に計上されています。部分開通した高速4号東海線では、基準をこえた騒音が発生しており、熱田区地域環境審議会からは河村市長あてに騒音対策を求める要望書が提出されているほどです。高速道路建設による環境悪化についても十分な審議が必要です。暫定予算で処理すべき案件とは到底思えません。

未曾有の大震災が発生した直後です。継続事業だからと安易に考えず、大型プロジェクトについては、一度リセットして、ゼロからその必要性を考え直すべきです。暫定予算だからといって、これらの事業継続をだまって見過ごすわけにはいきません。
以上2点、この暫定予算に賛成できない理由を申し上げ、私の反対討論を終わります。

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