2011年3月定例会

田口一登議員の個人質問 福島第一原子力発電所の事故を踏まえた名古屋市の対応について


個人質問 (2011年4月14日) 田口一登
福島第一原子力発電所の事故を踏まえた本市の対応について

浜岡原子力発電所の危険性

【田口議員】福島第一原発の事故を踏まえた本市の対応について質問します。

わが党は、先の代表質問で、浜岡原発の停止を中部電力に求めるよう質し、市長は、浜岡も含めて原発の安全性について、プロジェクトチームをつくって検証するよう指示したと、答弁されました。

私は、全国の原発については、政府が国際基準に合致し、今回の震災の教訓も踏まえた新しい安全基準をつくり、それにもとづいて総点検を行なう必要があると考えますが、浜岡原発は、総点検する間もなく、ただちに停止すべきだと考えます。それは、東海地震説の提唱者である石橋克彦氏も、「巨大な東海地震の想定震源域の真上という地球上で最も危険な場所にある」と指摘されているように、「世界一危険な原発」だからです。

2009年8月に発生した駿河湾地震では、浜岡原発の5号機で、設計用最強地震、すなわち「将来起こりうる最強の地震」の基準地震動を超える揺れを観測しました。駿河湾地震の規模はマグニチュード6.5でしたが、それでもマグニチュード8.4の安政東海地震を想定した揺れを超えてしまったのです。駿河湾地震の数百倍のエネルギーが予想される東海地震が、この原発の真下で起きたらどうなるのか。さらに、東南海、南海地震が連動して起きたら、まったく予測がつかない事態が起きるのではないでしょうか。

そこで市長にお尋ねします。市長は、「原発が安全だということはありえない」と先日も答弁されました。それでは浜岡原発の危険性については、どのように認識しておられますか。お聞かせください。

停止も含めて検証する(市長)

【市長】私は原発の安全神話はいっさいございませんで、原発は危険なもんだ、原子爆弾と原発との違いは相対的な差です。中部電力に来ていただいて、名古屋市としても浜岡原発の安全性について検証したいと、停止も含めて検証するので是非ご協力いただきたいと言ったら、了承され、そのチームを発足した。原発そのものの安全性については、中電や役所任せにせず、出来るとこまでは名古屋市民の不安のためにやっていきたい。

もうひとつは、事故が起きた時に放射性物質がどの程度来るものか、その時どうすればいいかと、水とか空気とか食品、避難はどうなるのかといったことについて、きちんと報告ができるように、名古屋市民のみなさんのために精一杯検証作業をし、なるべく早く報告したい。

不安を解消する最良の手段は、運転を停止だ(再質問)

【田口議員】市民は、福島第一原発の事故に接して、「震源想定域の真上にある浜岡原発は大丈夫なのか」と不安を募らせています。その不安を解消する最良の手段は、運転を停止することだと思いますが、市長はこういう立場に立ちませんか。

電気を止めて民間経済を痛めつけてはいけない(市長)

【市長】いま18%ですかね、浜岡の依存度、でございますので、もし止めたらその分どうするか、ということはきちんと検証、調査してからでないといかんと思いますし、代替電源についてきちっとせないかん。いま東京で行われているような、電気を止めることになって、民間経済を痛めつけてはいけませんので、そういうこともふくめて検証する。中電からもデーター等、協力するとの返事をいただいております。

浜岡を止めても電力不足にならないことは中電も認めている。(意見)

【田口議員】浜岡を止めた場合の電力は市長が心配することではなく、中電が考えることです。中電は浜岡しか原発を持っていないので、依存度は十数パーセントだけです。しかも2011年度の電力供給計画では、電力供給力は約3000万KWに設定をしているそうです。最大電力需要は2560万KWに想定している。その差が約440万KWあるんです。浜岡のいま停止中の3号機、動いてる4号機5号機合わせて発電量は約360万KWですから浜岡を止めても電力不足にならない。私どもが中電に3月15日に浜岡の停止を申し入れた時に中電も認めております。しかも休止している発電所が三重県や愛知県にありますから、これを稼働させれば浜岡原発を止めても十分間に合う。

全国の54基の原発を全て止めることは出来ないが、東海地震が起きるとわかっている、世界で1番危険な浜岡原発は停止すべきであると、政府や中部電力にたいして要請するよう、重ねて市長に求めておきます。

「原発震災」を想定した「地域防災計画」に見直し、ヨウ素剤の配備を

【田口】福島第一原発の事故では、200キロ以上離れた東京都でも水道水や農作物の汚染が報道されています。浜岡原発から名古屋市までは約130キロです。老朽化が著しい美浜原発や敦賀原発からも約100キロしか離れていません。巨大地震によって、これらの原発で重大な事故が起こり、放射能汚染が広がれば、名古屋市民の命と健康に直接被害を与えかねません。

ところが、本市の「地域防災計画」には、原発事故を想定した対策はいっさいありません。もちろん、市民に影響を及ぼすような事故は絶対にあってはならないと思いますが、地震災害における原発事故、いわゆる原発震災に備えた対策は必要ではないでしょうか。

福島第一原発の事故を踏まえるならば、「地域防災計画」を見直し、原発震災を想定した対策についても定めておくべきではありませんか。また、具体的な対策として、ヨウ素剤を、市が責任をもって確保・備蓄し、緊急時に対応できるようにすべきではありませんか。消防長の答弁を求めます。

国、県の動向などを注視してまいりたい(消防長)

【消防長】原子力災害対策は経済産業省や文部科学省といった国レベルでの様々な措置が講じられている。そのため、現時点では、直ちに地域防災計画の見直しに至るわけではなく、今後については、東日本大震災による被害と対策の検証、国、県の動向などを注視してまいりたい。

ヨウ素剤は、地域防災計画に定められていないから、備蓄しておりません。

「計画見直し」に、受け身でいいのか(再質問)

【田口議員】次に、「原発震災」を想定した「地域防災計画」の見直しについて、消防長は、「国、県の動向を注視する」と、こんな受け身の姿勢でいいんですか。

市長に質問します。原発問題のプロジェクトチームの中心に据えようとされている経営アドバイザーの武田邦彦氏は、ブログの中で次のように書かれています。「自治体の役割は、『そこに住む人たちの命を守る』ことです。各自治体は原発が仮に事故を起こした時に、できる限り住民を守る計画をもっていなければならない」。その通りだと思います。

愛知県の大村県知事は、県の地震対策アクションプランに浜岡原発の項目を加え、原発事故が起きた場合の対応も検討することにした、と報道されました。

市長、原発事故を想定した対策がいっさい書かれていない「地域防災計画」でいいのですか。市長も、消防長と同様に、国や県のやることを見ているだけという姿勢ですか。主体的に計画を見直す必要があるのではないですか。

見守ってるだけでおわるつもりは全くありません(市長)

【市長】その通りでございまして、見守ってるだけでおわるつもりは全くありません。

地域防災計画の総点検の中で是非とも検討して盛り込め(意見)

【田口議員】是非これは、地域防災計画の総点検の中で是非とも検討して盛り込まれることを要望しておきます

自然エネルギー普及の目標と計画をもて

【田口議員】福島第一原発の事故は、地球温暖化対策の見直し議論も呼んでいます。菅首相が、原発の新増設計画について「白紙で見直しを含めて検討したい」と表明し、原発を温暖化対策の切り札にするという原発頼みのエネルギー政策に、変化の兆しが出てきたからです。

温室効果ガスを2020年までに25%削減し、2050年までに8割削減するというのが、「低炭素都市2050なごや戦略」で掲げた本市の挑戦目標です。この目標を実現するシミュレーションは、エネルギー消費を現状から半減するとともに、非化石燃料の消費を2倍強に引き上げるというものですが、非化石燃料では、原子力の増加が大きなウェイトを占めています。

欧州諸国は、太陽光、風力、地熱、バイオマスなど再生可能エネルギーを活用する戦略へ転換を図っています。なかでもドイツは、現在でも発電量の16%を再生可能エネルギーでまかなっており、2030年までに30%に引き上げる計画をもっているそうです。

環境局長、今回の原発事故を踏まるならば、CO2削減のためには、原子力に依存せず、自然エネルギー、再生可能エネルギーを飛躍的に普及させる目標と計画を、本市でも持つ必要があると考えますが、見解をお聞かせください。

自然エネルギー等の導入は重要な課題。2020年を目標とする実行計画を策定中

【環境局長】自然エネルギー等の導入は重要な課題と認識しております。「低炭素都市2050なごや戦略」の具体化を図るために、2020年を目標とする実行計画を策定中で、この中で、自然エネルギー等、積極的な導入促進に向けた目標と計画を明らかにしたい。

目標と計画をもち、直ちに自然エネルギーの普及に取り組め(意見)

【田口議員】「自然エネルギーの積極的な導入促進に向けた目標と計画を実行計画の中で明らかにする」と答弁された。これはいいことだが、問題は目標と計画の中味。それと、実際に環境局がやっていること、新年度の予算案には、太陽光発電設備の設置補助などが計上されています。ところが、太陽光発電設備の設置補助については、昨年、環境局は補助単価と件数を引き上げの予算要求をしたにもかかわらず、財政局の査定で「局配分財源で検討」とされて、結局、引き上げを断念された。太陽熱利用設備の設置補助の補助率引き上げも同様です。「環境行動計画推進事業」といって、市の施設に太陽光発電設備やLED照明を導入する事業も予算計上されなかった。

目標と計画をもつとともに、今年度から、太陽光発電などの自然エネルギーの普及に思い切って取り組んでいただきたい。要望しておきます。

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