名古屋港管理組合 みつなか美由紀議員(11月12日)
障がい者などが名古屋港ガーデンふ頭の施設を利用する場合の配慮について
【みつなか美由紀議員】
来年、愛知・名古屋でアジア・アジアパラ競技大会が開催されます。それによって、障がい者の方への関心も高まり、より配慮が求められる社会になるのではないかと思います。
名古屋港ではガーデンふ頭のコンテナハウス、金城ふ頭にはクルーズ船による選手宿泊施設が設置される予定で、障がい者の方も多く訪れ、水族館などガーデンふ頭の施設の利用者も増えるのではないかと予想されます。
そこで、障がい者などの方への配慮について、お聞きします。ガーデンふ頭の駐車場において、水族館にほぼ直結する形で車イス用の駐車スペースがありますが、バリアフリー法に基づく「車いす使用者用駐車施設」いわゆる車イスマークの駐車区間は何台分確保されているのか。また、その利用状況として、障がい者等以外の車の駐車エリアの不足が起こっていないか、あるいは障害者等使用者が当該専用駐車区画が不足して止められないという実態はないかお聞きします。
その上で、「パーキング・パーミット」についてお伺いします。愛知県9月定例会において、障害のある方に加え、妊娠中の方やけが人、難病の方など、歩行が困難な方に対して「利用証」を交付することで、これらの方々が専用で駐車できる「障がい者等用専用駐車区画」の対象者を明確にし、適正利用を図ることを目的とした「パーキング・パーミット制度」の運用が決定され、令和8年6月から運用される予定となりました。県が実施するにあたって、名古屋港管理組合はこの取り組みへの参加についてどのようにお考えかお聞きします。
また、障がい者への支援として、名古屋港水族館における障がい者の付き添い支援者の減免制度についてもお聞きしたいと思います。一口に障がい者といっても、障がいの種類や程度は様々で、介助者が必要でない方もいらっしゃれば、2人の介助が必要な方もおられます。複数の介助者が必要な方も同じように施設を楽しめることはその方の人権にも関わることです。名古屋港水族館は障がい者の付き添いは、一人は減免をしていますが、2人まで減免を拡大することについてどのようにお考えかお聞きします。
【文化交流施設担当部長】
障がい者などが名古屋港ガーデンふ頭の施設を利用する場合の配慮についてお答えします。
まず1点目の「ガーデンふ頭の車イスマークの駐車区画の現況」についてでございますが、名古屋港ガーデンふ頭の駐車場には、車イスマークの駐車区画を33台確保しており、バリアフリー法に定める基準を上回る台数となっています。また、利用状況につきましては、繁忙期においても当該駐車区画が不足する状況ではありません。なお、駐車場の誘導警備員が、該当する車両を車イスマークの駐車区画に誘導するなど、適切な管理運営を行っております。
次に、2点目の「パーキング・パーミット制度の導入への対応」についてお答えします。愛知県では、令和8年6月のパーキング・パーミット制度の運用開始に向けて、現在導入の準備が進められていると伺っております。本制度の導入は、車イス利用者に加え、妊産婦やけが人等の歩行が困難な方々の利便性向上につながるものと考えております。本組合としましては、愛知県の動向を把握するとともに、ガーデンふ頭の実態を踏まえ、検討を進めてまいります。
次に3点目の「名古屋港水族館における障がい者に付き添う介護者の減免の拡大」についてお答えいたします。名古屋港水族館における障害のある方への対応について、入館料は、身体障害者手帳等を持つ本人とその介護者1名を全額免除しております。この取り扱いに関して、国内の公共の水族館においては、1名の介護者について全額免除または一部免除となっており、引き継き、動向を注視してまいります。
【みつなか美由紀議員】
このパーキング・パーミットの制度も全国で実施されており、名古屋港ガーデンふ頭でも需要が増えていくことが予測されます。県の実施に合わせて、名古屋港としても、より広範な方々が足を運びやすくなるよう、参加することを求めます。他県ではすでに実施しているところが多く、水族館など観光施設でも運用をしていると思いますので、先進的な施設を参考に進めていただきたいと思いますし、車イスの方などの利用がかえって妨げられることにはならないよう、実施後も状況を見ながら適切な利用に努めていただきたいと思います。
そして、水族館の入館料の減免制度については、障がい者の方が一般の方同様に楽しむことが出来る環境を整えていただきたいと思います。計画されている大規模改修では、障がい者の方も一般の方と一緒に楽しめる水族館にということも重視しハード面では大きく改善される見通しです。同時に制度も拡大されることを求めます。全国に倣うのではなく、いち早く、介助者2人目の減免についても検討していただくことを要望します。
戦争する国つくりへの危険な動き 特定利用港湾の指定で名古屋港を自衛隊の訓練に利用
【みつなか美由紀議員】
次に、特定利用港湾の指定についてお聞きします。
特定利用港湾とは、いわゆる安保3文書の一つである国家安全保障戦略に基づき、自衛隊等が平素の訓練や有事の際の展開等を目的に、自衛隊のニーズに基づき、港湾の公共インフラの整備や機能を強化するために設けられた仕組みです。合わせて有事の際の対応も見据えた港湾の利活用に関するルール作りも行うとされています。戦争する国づくりの一環として進められる危険な動きだと指摘しなければなりません。今年8月29日時点で全国の26港湾が特定利用港湾に指定されており、国はさらに全国の港湾への指定拡大を進めています。こうした中、国から名古屋港を「特定利用港湾」に指定したいとの依頼があったと聞いています。
自衛隊の軍事利用にならないか
国家安全保障戦略に基づく「総合的な防衛体制の強化のための公共インフラ整備」に関し「円滑な利用に関する枠組み」を関係省庁と港湾管理者との間で確認することを依頼する、というものです。「特定利用港湾」に指定されると、自衛隊による名古屋港の軍事利用が拡大するのではないかと懸念するところです。
そこでお伺いします。まず、国はなぜ名古屋港を選んだのか、その理由はお聞きになっておられるでしょうか。国からは「円滑な利用に関する確認事項」の提案があったと思います。名古屋港管理組合としてはどのように受け止め、どう対応されるのかお聞きします。また、この「指定」についての手続きは、どのようになされるものなのか。いつから「特定利用港湾」として指定される想定なのか。お答えください。
「特別利用港湾」は平時における自衛隊等による施設利用に関する取り組みとのことですが、指定を受けることによって、今後自衛隊による名古屋港の利用が拡大するということはないのか。有事の際に利用されるということはないのか。管理組合としての認識をお伺いします。
【港営部長】
「特定利用港湾の指定」についてお答えいたします。
まず1点目の「国が名古屋港を選んだ理由」についてでございます。国からは、名古屋港を選んだ理由として、部隊等の所在地の近傍にあり、災害対応を含めた各種事態の対応の際に、名古屋港を利用する可能性が高いからと伺っております。
次に、2点目の「円滑な利用に関する枠組みに対する受け止めと対応」についてお答えいたします。本組合といたしましては、この枠組みについて、まず港湾法の範囲内の施設利用調整であり、自衛隊・海上保安庁の優先利用のためのものではなく、武力攻撃事態等の有事の際の枠組みとは異なるものであること」次に、「自衛隊・海上保安庁の名古屋港における災害対応力の向上に資する取り組みであること」そして、「インフラ整備の促進が期待されるものであること」以上3点の通り受け止めております。こうしたことから、名古屋港における円滑な利用に関する枠組みを確認した旨を国へ回答してまいりたいと考えております。
次に、3点目の「指定の手続きと指定時期の想定」についてお答えいたします。手続きにつきましては、国からは、今回の依頼に対する本組合からの回答を受け、名古屋港を特定利用港湾に指定する作業を進めると伺っております。また、時期につきましては、特定利用港湾は、最終的に関係閣僚会議で決定されるため、現時点で確定しておりません。
次に、4点目の「指定を受けることによる自衛隊の名古屋港の利用拡大と有事の際の利用」についてお答えいたします。国からは、自衛隊の名古屋港の利用は、基本的に年数回程度を想定していると説明がございました。自衛隊は、これまでも名古屋港を利用しており、特定利用港湾となったことによって自衛隊の利用頻度が大きく増えることはないと考えております。また、特定利用港湾におけるこの取り組みは、平素における港湾の利用を対象としたもので、武力攻撃事態のような有事の利用を対象とするものではないと伺っております。
【みつなか美由紀議員】
特定利用港湾の指定について、再度質問をさせていただきます。
自衛隊による利用はこれまでと変わらず、拡大することはないとの答弁でした。しかし、特定利用港湾は、事前にいただいた資料にもあるように、「国家安全保障戦略」に基づいて指定されているものです。そこには「総合的な防衛体制の強化の一環として、自衛隊・海上保安庁による国民保護への対応、平素の訓練、有事の際の展開等を目的とした円滑な利用・配備のため」の仕組みを創設すること。そして「有事の際の対応も見据えた空港・港湾の平素からの利活用に関するルール作り等を行う」とあり、その運用として「安全保障環境を踏まえた対応を実効的に行うため……円滑な利用に関する枠組みを設け、必要な調整を実施する」とあります。
「特定利用港湾」に指定された鹿児島港では、自衛隊施設以外の港で初めて護衛艦に実弾を積み込む訓練が実施されたことが報じられています。名古屋港も、これまでにも自衛隊の船舶の寄港を受け入れてきましたが、それは、物資の補給、乗組員の休憩ということが目的でした。しかし、今回「特定利用港湾」の指定を受け入れるということは、名古屋港が、自衛隊による港湾利用の頻度だけでなく、より危険な利用がされるのではないかということは、非常に危惧されるところです。
名古屋港では実弾の積み込みなどの訓練での利用もあるのでしょうか。これまでの自衛隊の利用以上のことにはならないということは、国とどこまで確認がされているのか、安全の確保はどう担保されているのですか。お聞きします。
【港営部長】
再質問のうち、1点目の「自衛隊による実弾を積み込む訓練での利用」についてお答えいたします。
国からは、現時点で名古屋港内での具体的な訓練の計画はないが、訓練等の計画をする場合は、円滑な利用に関する枠組みの中で設けられる国との意見交換の場で相談したいと説明がございました。また、弾薬等の危険物を取り扱う場合においては、関連する法令に則り、安全に十分配慮すると伺っております。
再質問のうち、2点目の「自衛隊の利用拡大がないこと及び安全確保の担保」についてお答えいたします。国からは、自衛隊の名古屋港の利用は、基本的に年数回程度を想定していると説明がございました。なお、国へ回答するにあたっては、民生利用が主であるという本組合の取り組みの趣旨を順守すること、地域に不安や懸念が生じることの内容、本組合及び関係自治体に対して丁寧な説明を行うこと、安全の確保に万全を期し、万が一、事故等が発生した場合には、本組合及び関係自治体へ速やかに情報提供を行うとともに、事故等の原因の究明のうえ、再発防止に努めることなど必要な対応を行うことを、しっかり要請してまいります。
自衛隊の危険な利用は拒否すべき
【みつなか美由紀議員】
「特定利用港湾の指定」について、名古屋港は、日本一の貨物量を誇る商業港であり、水族館などガーデンふ頭は市民の憩いの場となっています。このような港を、危険な訓練などに利用するということはあってはならないと考えます。
仙台塩釜港では、国からの依頼に対し、「今後、港湾利用者や関係市町と意見交換しながら、対応を検討していく」としています。名古屋港としても、拙速に受け入れを決めるのではなく、利用者、これは市民も含めて、幅広く意見を聞いて検討することが必要だと思います。 アジアの国々との交易、貿易が名古屋港の発展の基本です。平和な国際環境を守るための外交こそ名古屋港には求められています。特定利用港湾の指定は拒否するべきとの考えを申し上げてすべての質問を終わります。
【「特定利用空港・港湾」とは】安保3文書の一つである国家安全保障戦略に基づき、自衛隊が必要とする空港・港湾を円滑に利用できるようにインフラ整備や機能強化をすすめる仕組みです。
指定されると自衛隊のニーズに基づいて港湾整備、平素からの訓練をおこなうようになります。訓練の内容は、大規模災害対応だけでなく、戦闘機の離発着や宮中給油、武器・弾薬等の輸送も含まれています。(右図参照・内閣官房 安全保障局の文書から)合わせて有事の際の対応も見据えた港湾の利活用に関するルール作りも行うとされています。平時と有事が連動しており、有事となれば攻撃対象となる可能性があります。
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