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2005年10月13日発行

経済水道委員会 かとう典子副委員長・さとう典生議員

受益者負担の押し付けは文化の振興に逆行!
文化施設の使用料値上げは中止を

文化施設の受益者とは鑑賞する市民

10月7日、11日、12日の経済水道委員会では、市民経済局関係の施設使用料の値上げについて審議されました。文化小劇場ではホール使用料67000円が77000円になるなど1.16倍の値上げです。

さとう議員は、「受益者負担というが、文化施設にとって受益者はホールなどを使用する芸術家ではなく、鑑賞する市民ではないか。料金を値上げすれば文化団体はますます財政的に困難になる」とただしました。当局は「文化施設の受益者は、利用する芸術家だけでなく鑑賞者も受益者だと考える」と認めつつも、「鑑賞者に使用料負担を求めることはできないので、料金改定は、利用団体に負担を求める」との考えをしめしました。

さとう議員は、文化予算の拡充、文化団体への支援の必要性を述べたうえで、「鑑賞する人も受益者であるとするなら、受益者負担の基準でいえば、『受益の範囲が不特定多数の市民におよび、サービスの対価が徴収できない施設』となり、税負担80%でもよいではないか。受益者負担50%はおかしい」とせまりましたが、当局は「統一的な基準で検討し50%にした」と答えるにとどまりました。

使用料値上げされる施設(市民経済局所管)
施設名 現行 改訂後
能楽堂 175,000 197,000
文化小劇場 67,000 77,000
御岳休暇村 3,000 3,500
国際展示場 駐車場 300 駐車場 700
短歌会館 1,200 1,300
東山荘 1,300 1,400

高齢者有料化となる施設
施設名 現行 改訂後
名古屋城 無料 200

利用率の悪い施設がさらに値上げ?

文化小劇場については他会派議員からも「文化施設に税金投入は必要」「区ごとに利用率が違うのに一律の値上げはおかしい」などの批判が出ました。また値上げの前提になっている目標利用率が90%(現状は各館平均72.7%)となっていることも明らかになりました。

さとう議員は「目標利用率を90%と設定したことで値上げ幅を抑えたつもりかもしれないが、現実には無理だ。今後、指定管理者制度になったとき、目標に届かなければ、指定管理者は利用料を上げるしかない。利用料金制で1.3倍まで料金を上げられるのだから、利用率の悪い施設ほど料金を上げることになり、さらに利用率が下がるのではないか」と追及しました。

当局は「今回の料金改定の目標利用率と実際の指定管理者選定とは別。事業計画書をもとに指定管理者と協定を締結する」と答えましたが、さらなる料金値上げの可能性について否定しませんでした。

文化小劇場の利用率と収支率(16年度決算見込)
施設名 利用率 収支率
中村 71.8% 16.8%
61.7% 12.3%
西 73.1% 14.7%
62.7% 14.3%
天白 78.9% 16.0%
名東 84.7% 19.7%
守山 64.9% 13.3%
65.9% 18.8%
76.0% 12.9%
71.4% 20.5%
熱田 90.6% 26.3%
千種 73.4% 21.9%
中川 69.5% 18.9%