公共施設の使用料値上げ、最大1.5倍に
高齢者を狙いうち＝無料のプール・動物園などすべて有料に

「公の施設にかかる使用料改定」についての見解

日本共産党名古屋市議団　団長　村瀬たつじ

一、松原市長は、9月定例会に「公の施設にかかる使用料改定」について関連条例の改悪案を発表しました。

改悪案では、市が示した「公の施設にかかる使用料の設定基準」にもとづき、生涯学習センターや冷水プールなどの使用料が最高1.5倍の値上げとなるのをはじめ、65歳以上の高齢者（敬老手帳所持者）については基本的に大人料金の2分の1となり、名古屋城や東山動植物園、温水プールなどの入場料が無料から有料になります。また、小中学生については一部を除き無料となるなどの措置がとられますが、全体としては「受益者負担」の立場で市民負担を求めるものとなっており、利用者に大きな影響が出ることは避けられません。

一、今回の公の施設の値上げは、「受益者負担のあり方研究会」の意見にみられるように、「コスト削減」「効率性」「負担の公平」の名のもとに、施設の運営費について公費負担と受益者負担の比率を定めた基準を示し、「受益者負担」を強化するということが大前提です。この考え方は、自治体が「営利企業」、市民は「お客様」という立場で市政を運営し、住民の健康と福祉の増進はかるという自治体の本来の役割を投げ捨てた立場です。

一、わが党は、「受益者負担のあり方研究会」の意見にもとづき財政局が示した「公の施設の基準素案」をもとに、現行の利用者負担割合で会場使用料や入場料がいくらになるかの試算をおこない、大幅値上げになることを明らかにして、広く市民に知らせました。また、市が募集した市民意見では反対意見が圧倒的多数となりました。

今回の改悪案では、こうした市民の世論を無視することができず、すべての施設での値上げは見送られたものの3割に近い施設が値上げの対象となり、65歳以上の高齢者の有料化が強行されようとしています。

わが党は、市民とともに今回の改悪案の撤回を求め、9月29日から始まる9月定例会で全力を尽くす決意です。

高齢者の入場料が有料化される施設

名古屋城（200）　旧川上貞奴邸（100）　白鳥庭園（100）　徳川園（100）　東山動植物園（200）　日光川公園・サンビーチ日光川（700）　東山公園展望塔（100）　東谷山フルーツパーク・温室（100）　農業文化園・温室等（200）　総合体育館・25mプール（200）　総合体育館・レインボープール・50mプール（300）　瑞穂運動場・プール（100）　スポーツセンター・プール（200）　温水プール（200）　志段味スポーツランド・プール（200）　冷水プール（100）　瑞穂運動場・冷水プール（100）　博物館（100）　科学館・プラネタリウムあり（300）　同・なし（100）　美術館（100）（　）が入場料（円）