日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2010年3月28日発行

3月24日 本会議・2010年度一般会計予算案に対する
反対討論 江上博之議員

大企業・金持ち減税で市民サービスが大幅にカット
求められるのは経済危機から暮らし守る予算

減税で市民サービスカット・・・・
市民の願いや市長の公約にも反する

江上議員は、深刻な経済危機のもと、くらしを何とかしてほしいという市民の期待に沿った予算になっているかを審議してきたが、2010年度予算案と民主・自民・公明の修正案は、「金持ち減税で福祉・市民サービスが切り捨てられた予算案だ」として反対討論を行いました。

江上議員は主な反対理由として、

  1. 市民税10%減税が、金持ち・大企業優遇で、低所得者・中堅層には恩恵が薄く、福祉・市民サービス削減になっている
  2. 福祉は削らないとの言明とは裏腹に、保育料の値上げ、自動車図書館の廃止など福祉・市民サービス削減を行っている
  3. 市長の公約であった中学校3年生までの通院医療費の無料化が行われなかった
  4. 市民の命を守るべきなのに、城西病院の市立廃止、緑市民病院に指定管理者制度を導入した
  5. 平針の里山も守れず、環境科学研究所の廃止・見直しや大気汚染常時監視測定局の削減など、環境を守る施策を後退させた
  6. 減税財源確保のため児童福祉センター跡地や新明小学校跡地など総額70億円を超える土地を売払う
  7. 市の借金である市債を増発する
  8. 地元企業の全社訪問で地域経済の活性化を探るべきなのに、市外からの人・企業誘致を優先させる「まるはち総がかり住んでちょう!ナゴヤ大作戦」など効果不明の施策を計上した
  9. 地域委員会が行政責任を放棄した「福祉の受け皿」とされたり、武将都市ナゴヤの発信など、河村市長の特異な政治観・歴史観が押し付けられている
  10. 疑惑解明も行わないままに名古屋食肉公社へ5億円の貸付をおこなう
  11. 名古屋城本丸御殿建設、陽子線がん治療施設、JR東海の鉄道博物館づくりなどの見直しがされず、そのうえ天守閣の木造復元など不要不急・ムダと浪費になる事業が含まれている

などの点を示しました。

がん検診助成など市民の願いも反映

市民の運動が反映し、今回の予算には、国民健康保険料の均等割3%引き下げ、がん検診の充実、予防接種の助成、水道料金の引き下げなど、市民の願いにこたえたものもありますが、161億円の減税による福祉・市民サービスの削減を抜本的に見直せばもっと充実できるものです。

組み替え案こそ市民の願い

江上議員は日本共産党の予算組替提案を紹介し、

  1. 大企業・大金持ち減税を見直し、「行財政改革」の名による市民サービス削減をやめさせる。そのために個人市民税減税は、低所得者や中堅層に限る。法人市民税減税は行わない
  2. 経済危機から市民の暮らしを守り、福祉・教育・子育て重視の予算に転換する。中学校卒業までの通院医療費無料化の実現もする
  3. 不要不急の大型事業は中止・見直し、財政の健全化を図る

という立場に立つべきであると指摘しました。

修正案では抜本解決にならず

三党修正案について、江上議員は、保育料の値上げ中止など子育て支援の復活や自動車図書館継続など、組み替え案との共通点があるものの、金持ち減税を認め、福祉・市民サービス削減の減税を認めたうえでの修正であり、四大プロジェクトをはじめ大型開発など市民にとって不要不急の事業にメスが入っていないうえ、市民の暮らしを守り、景気を回復する予算とまではいえないとして反対し、政治の流れを変え、市政を市民の立場で、前へ進める予算の実現に全力をあげると決意を語りました。