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2008年11月26日発行

11月25日 11月議会 本会議 議案外質問 田口かずと議員

CO2削減の中期目標の明確化、地球温暖化対策条例の制定など
地球温暖化対策の積極的な推進を


質問を行う田口議員

国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)も警告するように、地球温暖化抑止は、一刻の猶予も許されない人類的課題です。田口かずと議員は、名古屋市がとるべき対策について具体的な提案しながら市の姿勢をただしました。

IPCC報告書は、先進国に2050年までに温室効果ガスの90年比80%以上削減、2020年までに25%から40%削減の中期目標を示しました。市は「環境モデル都市」の提案書の中で、2050年までにCO2を80%削減という目標を掲げましたが、2020年までの中期目標がありません。田口議員は「2020年までに1990年比で30%削減すること」を提案し、「地球温暖化対策条例を制定して、CO2削減目標や推進体制など総合的な枠組みを定めよ」とただしました。市長は「脱温暖化2050なごや戦略」の策定論議の中で検討したいと答えました。

京都市の条例の特徴

  • CO2削減の目標を明記
  • 市の責務を明確に定める
  • 進捗状況の年次報告書作成や公表などの進行管理や推進体制など総合的な枠組みをつくる

 

地球温暖化対策計画書
総量削減や結果公表などで実効性を

計画書制度の強化を検討(環境局長)

名古屋のCO2排出量の5割近くを占めているのは工場、オフィス・店舗等です。田口議員は「地球温暖化対策計画書制度」の抜本的な強化でその削減を進めるよう求めました。

地球温暖化対策結果報告書について、田口議員が調査したところ、東レ名古屋事業場1社だけで300余の対象事業所全体の減少分に匹敵する42万トンが削減されたが、要因は生産規模の大幅縮小。また、排出量のワースト1は中電新名古屋火力発電所で、同社は原単位あたりでの削減率を0%、つまり現状維持の目標を達成したと報告したが、実際の排出量は9.7%、31万トンも増加させています。田口議員は「計画書および結果報告書のホームページでの公表、未達成企業への市の指導・助言などでCO2削減の実効性ある制度にせよ」と強く求めました。局長は「先進事例の普及が有効であり、計画書制度の強化を検討していく」と答弁しました。

総量削減の義務化を

田口議員は「事業者の自主努力まかせにしないで、総量削減を義務化するなど規制的な措置が求められている」と指摘しました。

温暖化ガス排出量 ワースト10(2006年度)

順位 工場等の名称 2006年度
総排出量
(万トン-CO2
2003年度からの
増減(%)
自主目標
○:達成
×:未達成
1 中電 新名古屋火力発電所 355.8 + 9.7 ○原単位
現状維持
2 住友軽金属工業 名古屋製造所 39.2 △ 1.4
3 中部鋼鈑 24.6 +12.7 ×
4 東レ 名古屋事業場 23.5 △64.1
5 名古屋鉄道 21.0 △ 1.9
6 三井化学 名古屋工場 19.3 △ 9.1
7 大同特殊鋼 星崎工場 16.0 △ 1.1 ×
8 フジ トランスコーポレーション 15.2 △ 4.2 ×
9 東亞合成 名古屋工場 15.1 +11.8 ×
10 ニチハ 名古屋工場 14.7 △ 8.7

オフィス・店舗等での2006年度温暖化ガス総排出量ワースト20

 

自然エネルギーの利用拡大を

EUや東京都が2020年までにエネルギー消費に占める自然エネルギーの割合を20%程度に高めることをめざしています。田口議員は「自然エネルギーの導入目標や、普及・利用拡大の戦略を持ち、太陽光発電の普及のためにも固定価格買い取り制度の導入を働きかけよ」とただしました。局長は「国に働きかけ、市でできることは議論する」と答えました。