日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2008年10月25日発行

財政福祉委員会 2007年度決算審議
わしの恵子副委員長、くれまつ順子議員

健康福祉局
乳幼児の家庭からも国保保険証とりあげ
受診抑制につながる資格証明書の発行やめよ

9月議会では2007年度決算審議が行われました。その主な審議内容を順次紹介します。

乳幼児35名に資格証明書

国保の保険料を1年以上滞納し、「資力があるのに払わない」と見なされると保険証を取り上げられ、資格証明書が発行されます。名古屋市は05年度18件と抑制してきましたが、06年度から姿勢を転換し672件に増加、07年度末は1,084件になっています。

くれまつ議員の「資格証明書は子どもがいる世帯にいくつ発行したのか」との質問に、健康福祉局は、「07年度の年齢別データはないが、08年8月に国の指示で調査したところ35名の乳幼児に発行した」と答弁しました。保険証がなくては乳幼児医療無料化が受けられません。くれまつ議員は子どもがいる世帯には資格証明書を発行するべきではないと主張しました。また、07年度の資格証明書による受診は窓口負担が10割負担になることから31人にとどまったこともわかりました。

国保の短期被保険者証、資格証明書発行件数

  06年度 07年度
短期被保険者証 22,022 18,942
資格証明書 672 1,084

 

介護保険は65億円の黒字
「保険料負担軽減にいかす」市答弁

第3期介護保健事業は、06年度に続き07年度も黒字です。くれまつ議員は「07年度の65億円の黒字(不用額)の具体的な中身は何か」と質問し、健康福祉局は「地域密着型サービスの利用が計画を下回ったことで約40億円、保険料で22億円」と答弁しました。「保険料の取りすぎだ。保険料の余った分はどうするのか」との質問には、「次の3年間に繰り越し、保険料の負担軽減に活かす」と答えました。

国では第4期に向けて介護報酬の改定などの議論がされています。くれまつ議員は「介護保険料を引き下げよ」と要望しました。

第3期介護保険事業計画の決算概要
(億円)

  予算現額 決算 不用額
06年度 1,084 1,018 66
07年度 1,144 1,079 65
08年度 1,001
(予算)

介護保険における特殊寝台・車椅子貸与人数

区分 特殊寝台 車椅子
06年度 07年度 06年度 07年度
全体 9,274人 9,674人 7,894人 8,467人
うち要支援1〜
要介護1
672人 1,084人 932人 862人

介護ベッドなど貸しはがしやめよ

軽度者から介護ベッドや車椅子をとりあげる問題については、07年4月から貸与要件が緩和されたことで、貸与件数は少し増えました。また、くれまつ議員の「国は、軽度者に貸与することで手や足が動かなくなる場合がある、といっていたがその例はあるのか」との質問に局は「把握していない」と答えました。

松原市長が介護保険料に言及(中日新聞)

中日新聞(10/21朝刊)は、市長が20日の定例会見で「お年寄り1人当たり年5千円保険料をとりすぎた計算になる」として、市長が「『あれだけ残ったのだから(09年度は)下がると考えるのが普通』」と述べたと伝えています。

これについて健康福祉局は、「介護報酬引上げ等による保険料上昇を抑制するのに使う。即、現行の保険料より引き下がるということではない」、と市議団の問合わせに回答しました。