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2008年10月17日発行

財政福祉委員会 2007年度決算審議
わしの恵子副委員長・くれまつ順子議員

財政局
定率減税廃止などで市民税が124億円の負担増
国保・介護保険料に反映し雪だるま式の重圧に

9月議会では2007年度決算審議が行われました。その主な審議内容を順次紹介します。

影響額は前年の85億円を大きく上回る

07年度の個人市民税の決算額は1,650億3,600万円で、財政局は税制改正の影響等により前年度決算額より159億6,700万円増えたとしています。くれまつ議員の質問で、影響額が税源移譲や定率減税廃止など124億3,900万円であり、06年度の85億8,800万円を大きく上回ることがわかりました。

財政局は税源移譲分について、「所得税が減りトータルでは市民の負担は変わらない」と述べましたが、くれまつ議員は、「06年度の老年者控除の廃止や公的年金等控除の縮小に加えて、07年度の定率減税廃止による59億円の負担増などで市民生活が厳しくなっているのは明らか。国保や介護保険料にも影響して家計を圧迫している」と指摘しました。

また、低所得者向けの減免では前年比で約3,300人増加、減免額も7千万円増えています。

個人市民税における税制改正の影響額(07年度)

改正内容 対象人員 影響額
所得税から市民税への税源移譲(一律6%)

分離課税に係わる市民税と県民税との税率改正
105万人

3万人
69億2,900万円

△6億2,400万円
定率減税廃止 105万人 59億8,800万円
65才以上非課税措置廃止の経過措置(税額を2/3に) 4万人 1億2,300万円
夫と生計同一の妻への均等割非課税措置の廃止 9万人 2,300万円
合計   124億3,900万円

個人市民税の減免(低所得者)

  06年度 07年度
適用人員 117,620人 120,976人
減免額 4億6,000万円 5億3,100万円

 

病院局
守山市民病院の「分娩廃止」予告で患者も分娩も減少

廃止直前は分娩件数が激減

守山市民病院では07年8月に「08年4月からの分娩廃止」との案内が掲示されました。産婦人科医の不足により医師を東市民病院に集中させ、外来診療のみ行うとの計画でした。くれまつ議員は、「守山市民病院の外来患者の減少が他の市立病院に比べて大きい。なぜか」と質問。病院局は分娩廃止の広報が影響したことを認め、城北病院へ患者を紹介したなどと答弁しました。また、分娩廃止直前の08年2-3月には件数が激減しました。

くれまつ議員は「市民にとってお産しづらい状況をつくっているのはまちがいない。分娩ができる体制を5病院につくるべきだ」と主張しました。

一般医療の提供が縮小している

産婦人科の外来患者数は、城北市民病院は増えていますが他の市立4病院は減少しています。

くれまつ議員は「一般医療の提供を減少させながら市立病院整備基本計画を進めている」と質問しました。病院局は「医師、看護師不足の限られた状況の中では、『選択と集中』で城北市民病院に産科の2次救急を365日実施するなど、市立病院の役割を果たす」と、整備基本計画を進める考えを示しました。

守山市民病院の産科外来・分娩

  06年度 07年度
外来患者数
()は1日平均患者数
9,547
(39.0)
8,598
(35.1)
分娩件数 175 141

1-3月分娩件数

  06年度 07年度
 1月  17 16
2月 11 8
3月 15 4