日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2008年6月24日発行

6月議会 議案外質問(6月24日) くれまつ順子議員

後期高齢者医療制度
説明でなく廃止こそが市長の仕事


質問するくれまつ議員

24日の議案外質問で、くれまつ順子議員は後期高齢者医療制度と国保料引き下げ等について質問しました。

対象者の7割=12万人が負担増、
うち7万2,000人が月1,000円から3,000円の値上げ

くれまつ議員は国保から後期高齢者医療に移行した場合の保険料について、市が示したモデルをグラフにして示し(下図)、「実際に何人がどれぐらいの負担増になったか」と質問。健康福祉局長は、「75歳以上の約17万人の7割強の12万人の保険料が増加し、約7割の世帯は保険料が減少するという国の調査結果と逆になった。12万人のうち約6割の方が一人一ヶ月当たり1,000円から3,000円の増加となった」と答え、大幅な負担増が明らかになりました。

【国保料と後期高齢者保険料】

アンケートには制度への大きな怒り

後期高齢者医療制度には市議団の市政アンケートにも「一番高齢者をばかにした制度だ」「夫婦で8万円も保険料が上がった」などたいへんな怒りの声が寄せられています。くれまつ議員は、「この制度は医療費の削減が最大の目的だ。市長は広報なごや6月号で、“影響を受ける側の立場に立った丁寧な説明が不十分”との認識を示しているが、制度の根幹に欠陥があるとの認識はないのか」と、松原市長の基本認識を問いました。

市長は、「現役世代と高齢者世代の負担を明確にし、高齢者の医療費を支える必要な改革。政省令の交付が遅れて準備期間が短く、国の丁寧な説明が欠けていた。引き続き丁寧に説明していく」と答えました。

くれまつ議員は「説明すれば市民は納得すると言うが、市民には負担を増やす制度だと説明して国に中止を要望するべきだ」と厳しく指摘しました。

「松ヶ島」の利用割引を75歳以上に

くれまつ議員は、国保から脱退したために利用割引がなくなった休養温泉ホーム松ヶ島について、「これも高齢者差別だ。長寿を祝う制度として75歳以上の全ての方に助成を」と要求。健康福祉局長は「高齢者施策推進協議会で高齢者の健康づくり支援の観点も踏まえて検討」と答えました。

国保でも65-74歳障害者の医療費助成を

くれまつ議員は、障害者の医療費助成について、後期高齢者医療制度への強制加入でなく国保を選択しても助成を受けられるように求めました。市長は、「市の医療費助成は他市に比べて対象が広い」などと答え、選択に応じる考えを示しませんでした。

 

国民健康保険料
低所得者が増えているなら引き下げよ

国保料は昨年の平均90,900円から今年97,700円と7.5%も大幅に値上げしました。くれまつ議員は、「葬祭費の全額と出産費用の3分の1を保険料に賦課し、さらに特定健診の費用や、保険料の未納分まで上乗せして、一般会計の繰入を30億円も減らした。物価が上がり暮らしがたいへんな時に、便乗値上げだ」「加入者の多くは低所得の方であり、保険料を上げれば未納も増える悪循環だ」として保険料引き下げを要求しました。

市長は低所得者等の加入割合が増え、財政基盤が脆弱としつつ、国保料の引き下げや一般会計繰入の増額に応じませんでした。