日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2007年12月27日発行

12月25日 教育子ども委員会 山口清明議員

「子どもたちの豊かな放課後のあり方について」の提言を審議
市の責任で学童保育の保障を

12月25日の教育子ども委員会では、「名古屋市子どもたちの豊かな放課後のあり方検討委員会」が12月10日に発表した「子どもたちの豊かな放課後のあり方について(提言)」についての所管事務調査が行われました。

「名古屋版放課後子どもプラン」の創設を提言この「提言」は、学童保育とトワイライトスクールのあり方について、国の「放課後子どもプラン」の実施もふまえて、有識者による検討委員会がまとめたものです。

「提言」は、放課後を過ごす環境について、全児童向けの施策とともに、留守家庭児童への対応も重要という観点から、以下のような「名古屋版放課後子どもプラン」の創設を提案しています。

「名古屋版放課後子どもプラン」の基本的な考え方

  1. トワイライトスクールと放課後児童クラブを一体または連携して実施する事業として「名古屋版放課後子どもプラン」を実施する
  2. 児童福祉法に基づく放課後児童健全育成事業として市主体の放課後児童クラブを実施する
  3. 新たにモデル事業を実施し、その検証を行いながら、計画的に進めていく

留守家庭の児童には「生活の場」が必要

山口議員は「『提言』が、学校生活から切り替えて過ごす放課後の環境について、『就労の有無に関わらず、すべての子どもたちに共通する課題』としつつ、『特に…留守家庭の子どもに対しては…きめ細かな対応をし、子どもの情緒の安定を図るという配慮も必要』としている点は重要だ。そして、すべての子どもに必要な『遊び・学び・体験・交流』の4つの場と、留守家庭の子どもに必要な『生活の場』の提供を区別している」と指摘しました。

また現行のトワイライトスクールの時間延長モデル事業について、山口議員は、「提言は『福祉事業としての要素がはいってきたため、性質が変わってきている』と厳しい評価を下している。しっかりと総括すべきだ」ともとめました。

2事業の一本化はせず「一体または連携」

与党議員からは「今の学童とトワイライトをどうするのか」「一体または連携というが、モデル事業はどうなるのか」などの質問が出され、当局は「まずはモデル事業についての市の考え方をまとめる」「提言では、同一の運営主体で学校など同じ場所で行う場合が『一体』、同一の運営主体だが学校外の施設など別の場所で行う場合を『連携』としている」と答弁しました。

「提言」は、一部与党などが主張してきた「学童保育とトワイライトスクールの一元化(ひとつの事業に一本化)」ではなく、機能の異なる2つの事業が必要とした上で、同じ場所(一体)で行うか、違う場所(連携)で行うかを今後の検討課題としたものです。また質疑の中で、モデル事業では、学校内で放課後児童クラブを実施する「一体」型が想定されていることも明らかになりました。

法に基づき留守家庭児童への市の責任を果たせ

山口議員は「『提言』は、児童福祉法に基づく『市主体の放課後児童クラブ』の実施を求めている。素直に読めば、法に基づく放課後児童クラブを、市が責任をもって実施しなさいということだ。現状では学童保育が減ってきているが、市が法に基づいて必ずやらなければならない事業だ」と主張しました。

このほか山口議員は、留守家庭児童のための専用スペースや指導員、利用料などについて、留守家庭児童への生活の場としての機能の保障をもとめる観点から具体的にただしました。

今後のスケジュールは、08年3月に市の「『子どもたちの豊かな放課後のあり方』の基本的な考え方(案)」が策定され、パブリックコメントを経て、6月に市の基本的な考え方が決定される予定です。