日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2007年12月7日発行

12月6日 財政福祉委員会 わしの恵子議員

市税減免制度の見直しで高齢者4万人に負担増
個人市民税―国の税制改悪で
65歳以上の減免規定を廃止

財政局から市税減免制度の見直しが提案され、わしの議員が質問しました。

今回の提案は、学識経験者などからなる「名古屋市税制研究会中間報告書」(07年8月)を受けてまとめられたものです。減免制度については、担税力、地方税法や他都市との均衡、納税者の公共性・公益性の有無などを評価項目にして全100項目の減免制度を見直しています。その結果、20項目が廃止、16項目が見直しとされました。個人市民税の65歳以上の減免規定廃止などが盛り込まれ、市民の負担増が懸念されます。

来年の2月議会に条例改正提案、1年間の周知と経過措置のあと09年4月から条例実施の予定です。

個人市民税の減免から2万5千人が外され、減免総額も6千万円削減

わしの議員は個人市民税の減免について、「現行と見直し後の適用人数、金額はどうなるのか。また、65歳以上の規定を廃止してなお減免される人とされなくなる人は何人か」と質問しました。当局は、「07年度は個人市民税全体で12万人、5億1千万円が減免されているが、見直し後は9万5千人、4億5千万円になる。65歳以上の減免規定をなくすが、所得要件を緩和し、年齢にかかわらず広く減免できるようにした。しかし、65歳以上の高齢者6万3千人のうち見直し後も減免適用されるのは2万3千人で4万人が外れる」と答えました。

増税や高い保険料に苦しむ高齢者に減免継続を

わしの議員は「高齢者が庶民増税に苦しんでいる中でこのようなことをしていいのか」と減免の継続を強く要望。当局は「65歳以上の高齢者は国の税制改正で負担が増えていると認識。しかし税制改正で65歳以上の減免に根拠がなくなった」と答えました。

わしの議員は「税金を払っていない大銀行や大もうけしている大企業から税金を取るように国に要望せよ。減免制度に救貧的な傾向が強まった。独自減免を守れ」と主張しました。

民主党や公明党議員も、「高齢者の負担が増えるのは申し訳ない気持ちだ」「名古屋市でこそやるべき減免もあるはず」等と発言しました。

個人市民税の減免事由の見直し案(例)

<現行>
前年中の総所得金額等が基礎控除額(33万円)を超え66万円以下のもの
単身者の上限額は66万円
基礎控除の2倍=66万円

<見直し後>
上限額は2万円増えて68万円に
所得割非課税限度額35万円+基礎控除33万円=68万円

今回の提案では、上限額が引き上げられる場合もあり「低所得者に配慮」したとしています。

廃止・見直しする減免制度の主なもの

廃止 20項目 対象8万件 総額13億円
・国保で診療する医師の固定資産税減免(05年実績2,819件4億8千万円)
・新築住宅に対する都市計画税の減額措置(家屋50%、一般住宅3年、3階以上5年間)(05年実績73,752件9億円) 
など
見直し 16項目 対象11万件 総額6億円
・個人市民税減免の所得要件を世帯構成ごとの非課税所得に基礎控除を加算した額に変更。減免率は所得割25%を50%に引き上げて、100%、50%を基本に。国の税制改悪(65歳以上で合計所得金額125万円以下の人の非課税措置が08年度で廃止)により、市民税減免における年齢規定(65歳以上)が廃止に。
など