日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2005年10月15日発行

10月11・12日土木交通委員会 田中せつ子副委員長・わしの恵子議員

日本一の施策
32年続く高齢者無料をやめるのか

11、12日の委員会では施設利用料値上げ、高齢者負担導入の問題が審議されました。

誇るべき福祉を投げ捨てる

動植物園などの入場料を65歳以上無料は、1973年に革新市政が70歳から導入し、翌年には自民党、公明党など当時の野党が65歳以上にと提案し、それ以来始まったものです。わしの議員はこの経過を紹介しながら、「今回の有料化は福祉のさらなる改悪だ。高齢者の社会参加が減っては健康増進にもならない」と批判しました。

局長が答弁に立ち、「自分は本山市政の頃に市役所に入った。福祉に尽力した誇るべき施策だ」「社会、経済の変化の中で市の財政状況が悪化してきた。公的負担のあり方をどうするかで、今回の提案をした」と、福祉改悪の批判にまともに答えませんでした。

統一基準は矛盾だらけ

緑政土木局関連の値上げでは高齢者分の増収額は3610万円にすぎません。わしの議員は、個々の施設を具体的に取り上げて追及しました。

東山動植物園は今回の受益者負担の基準によると、料金の改定率は0.90です。わしの議員が「これは現行の大人料金500円を450円に値下げしても管理運営費をまかなえるということか」と質問すると、市は「その通り」と答えました。「これなら高齢者を有料化しなくても良いではないか」と迫ると、市は「改定率だけでなく、大人料金の二分の一という統一基準で行う」と答弁しました。

東谷山フルーツパークも高齢者負担による増収額は年間34万円です。わしの議員は「施設の努力でやれるわずかな額だ。統一基準で値上げせず、統一するなら無料を基準にすべきだ」と主張しました。

田中せつ子議員も農業文化園について、「入場者が02年から04年までに大人で16%減、高齢者も7.5%減っているのに大人料金を100円上げ、高齢者も上げて良いのか。定期券を作っても増えない」と批判しました。

 

地下鉄ホームの可動柵設置を急げ

13日の土木交通委員会では市営交通のバリアフリー問題が審議されました。

視覚障害者などがホームに転落する事故を防ぐために、駅のホームに可動柵を設ける動きが各地ですすんでいます。名古屋市内では、あおなみ線と上飯田連絡線に可動柵が設置されていますが、市営地下鉄の駅には導入されていません。

転落事故は人命に直結。桜通線を急げ

あおなみ線の可動柵の写真わしの議員の「可動柵設置の計画はどうなっているのか」との質問に、市は「ドアの開閉などで乗降時間がかかり輸送力に影響する。既存のホームを補強する必要もあり多額の費用がかかる。エレベーターやトイレなどの整備にも費用を要するので、可動柵はその後だ」と、答弁しました。

わしの議員は「転落事故は人命に関わる。できる所からやるべきで、桜通線はワンマン運行なので早急に整備を」と主張しました。

ホーム柵の整備費用と財源については、地下鉄83駅全体の事業費が約480億円かかります。しかし、国からの補助対象は柵本体だけなので全体の中では約6%(16分の1)しか見込めません。市としても国に補助対象の拡大を要望しています。

わしの議員は「東京都の三田線や福岡市空港線など乗降客の多いところでも整備されている。名古屋市も最大限の努力を」と求めました。

この問題は、01年にも日本共産党市議団が本会議でとりあげ、交通局長が「多額の費用がかかるが、解決に向けて検討する。桜通線も検討する」と答弁しており、早急に実現することが求められています。