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2005年10月6日発行

9月定例会・個人質問 さとう典生議員

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「デーサービスを減らす」「特養ホームに入所できない」
介護保険の改悪で36億円の市民負担増(年間)

さとう典生議員さとう典生議員が6日の本会議で行った議案外質問の概要を紹介します。

10月1日から介護施設での居住費、いわゆるホテルコスト・食費が保険給付からはずされ、自己負担になりました。「老人保健施設の入所費用が月3万円もあがり、減免の対象にもならず、自分には障害があり、とても在宅では介護できない」と悲鳴が上がっています。同時に在宅を支えるデイサービスやショートステイの食事代・滞在費も本人負担になり、値上げの通知がきて「デイサービスを1回減らしたケアプランをたてる」と悩んでいる人もいます。施設でも在宅でも安心して介護を受けられないことになっています。

さとう議員が、市民への負担増や、各施設での料金改定の実態をただしたところ、健康福祉局長は「介護保険会計は940億円のうち15億円の軽減(5か月分)になる。料金改定実態は、県がまとめる情報によって把握する」と答えました。

市独自の低所得者対策を行え

さとう議員は、「低所得者へのきめ細かい支援策をつくれ」と要求したのに対し、健康福祉局長は「所得の低い方へのきめ細かな配慮が実施された」として独自の軽減策をする意志がないことを明らかにしました。

さとう議員は、「市民負担増は、年間36億円が高齢者にのしかかる改悪だ。結局お金がなければ、福祉も受けられない」と厳しく批判し、「全国の自治体で独自の減免をするところが増えているのは、きめ細かい配慮がされていないからだ。実態をつかみ、助けのいる人に市独自の減免をするべきだ」と強く求めました。

耐震性の実態調査や地下室マンションの規制など
市民の立場でマンション対策を

昨年秋に新潟中越地方、今年の春には福岡西方沖地震と地震が相次ぎ、マンションの被害も発生しました。特に福岡のマンション被害は、比較的新しい建築後1年から8年のマンションに集中し、周囲にある古いマンションには被害が出ませんでした。

建築基準法の耐震基準では「柱と梁が壊れなければよい」とし、「隣との壁や廊下の壁が壊れることによって建物全体が壊れないようにしている」と専門家はいいます。しかし、住んでいる人は納得できません。壁が壊れれば生活ができなくなります。壊れた新しいマンションのように「耐震基準ぎりぎりの設計」ではなく、余裕のある設計をしてあれば、持ちこたえたと思われます。

パブリックレポート制度をつくれ

名古屋市では、避難所は基準の25%増、市役所・区役所・病院などは50%増の余裕で設計してあります。東海地震、東南海地震の発生が懸念され、マンションの耐震設計のランクについて関心がもたれています。さとう議員は、「マンションの対震度を調査し、情報の提供を」と要求しました。住宅都市局長は、「建物所有者が実施すべきものだ。住宅の性能評価や耐震診断等の利用を」と答えました。

さとう議員は、「マンション購入時に耐震基準をどの程度超えているのか、購入者にわかるような制度、米国カリフォルニア州のような『分譲マンションパブリックレポート制度』をつくれ」と提案しました。

地下式マンションを規制せよ

建築基準法の規制緩和で容積率の緩和や地下室を容積率に入れないという緩和があり、これを利用して、斜面に地下室をつくり、マンションを販売する業者が現れ、大問題になりました。地下室マンションとは、急な斜面地に道路面から見ると5階建てなのに、建築基準法上は地下2階地上3階のようなマンションです。

緑区でも7階建ての地下室マンションの計画がありました。規制緩和の規定を駆使して、周囲より高い建築物が可能となるのです。この例は業者が当初計画を見直しましたが、今後も建たない保障はありません。

さとう議員は「1種低層住居地域では地下1階しか認めない条例を制定すべきだ」と要求しました。

住宅都市局長は「今後、調査研究したい」と答えました。