日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2010年1月18日発行

2011年度予算財政局案が公表される

1月17日、2011年度予算編成の財政局案が公表されました。

一般会計の総額は、歳入で1兆468億円。新年度からの市民税10%減税の実施が決まっていないため、減税分の159億円と、新市長の裁量に委ねるとして留保された15億円をのぞく、1兆294億円の歳出が財政局案としてしめされています。

新規の独自事業は、ほとんど見送り

予算の財政局案は、例年この時期に公表されますが、今年は、新たに始まった「予算編成過程の公開」によって、各局から上がってきた予算要求に対して、どの事業を認め、どの事業をカットしたのか、財政当局の考え方がわかるのが特徴です。

各局から予算要求のあった新たな事業などの内容は、昨年11月に公表されています。それによれば、各局に配分される財源とは別枠で、「政策的判断が 必要な事業」として70億円の一般財源を設定。この70億円の枠に対して、各局から「中学生までの通院医療費助成(7.8億円)」「学校施設の大規模改造 (3.1億円)」など、市民要求にかなう事業を含む総額で約280億円(一般財源)分の新規・拡充事業が要求されていました。

ところが、今回公表された財政局案では、70億円のうち15億円を新市長の裁量として留保し、50億円に圧縮。局から上がってきた新規拡充の予算要求のほとんどが見送られることとなりました。

また、新年度からの市民税10%減税の実施が決まっていないため、減税分の一般財源159億円の使い道が未定。先の15億円とあわせた計174億円の一般財源の使い道が、新市長の判断に委ねられます。

一方、特養ホーム黒石荘や若杉・昭和橋・鳩岡作業所など市立社会福祉施設の民営化の予算を新たに追加。保育料値上げなど市民負担増も計上されるなど、市民生活に冷や水をかける予算原案となっています。

出直し市長選挙で予算編成遅れる

例年の予算編成では、財政局案に対する市長査定が1月中に行われ、市長の重点施策などが盛り込まれた予算案が2月議会に提出されるのが通例です。し かし、河村市長の辞任によって出直し選挙がおこなわれるため、市長査定は2月6日以降に。さらに議会解散となれば、2月議会での予算審議が行えず、予算編 成が大幅に遅れる懸念があります。

「政治を変えてほしい」という市民の願いの反映で成立したリコール署名でしたが、市長辞任はまったく大義がなく、議会解散の理由もなりたちません。市民生活に重大な影響を及ぼす予算編成時期の市政の混乱は、「市民おきざり」だといわざるをえません。

【「政策的な判断が必要」とされる事業の各局予算額】

単位:100万円  ( )は一般財源額
区分 2010年度予算額 2011年度要求額 2011年度財政局案
会計室 16
(16) (−) (−)
市長室 10
(−) (10) (−)
総務局 744 561 74
(675) (494) (72)
財政局 13,154 4,806 2,388
(1,764) (2,215) (526)
市民経済局 87,517 88,754 85,398
(2,444) (4,993) (2,013)
環境局 936 3,238 123
(913) (2,505) (78)
健康福祉局 4,869 7,259 2,616
(2,962) (3,492) (735)
子ども青少年局 1,144 3,811 331
(493) (2,166) (144)
住宅都市局 21,839 6,246 2,648
(3,455) (1,751) (668)
緑政土木局 1,673 7,067 1,298
(531) (3,548) (214)
消防局 809 1,136 647
(218) (492) (100)
教育委員会 3,877 10,126 1,803
(1,589) (7,099) (886)
合計 136,578 133,014 97,326
(15,060) (28,765) (5,436)
※2011年度は収支見通し時に70億円の一般財源額を留保

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