日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2010年7月27日発行

河村市長の再議、条例不公布で市議団が見解

7月27日、日本共産党名古屋市議団は次の見解を発表しました。

河村市長の「中期戦略ビジョン」再議と
議員提案3条例の「不公布」について

日本共産党名古屋市会議員団
団長 わしの恵子

河村たかし市長は6月定例会で修正可決された「中期戦略ビジョン」について、議会がこれを修正することはその「権限を越えている」として、9月定例会で再議に付す意向を表明しています。

議員提案の条例3件(名古屋市公開事業審査の実施に関する条例、議会審議活性化促進条例、予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例)についても、議会の「越権」を理由に公布期限を過ぎても公布していません。

また、議会基本条例についても「正すべき問題がある」として議会に協議を申し入れています。

この事態について、党市議団の見解を明らかにしておきます。

1、議会による総合計画(「中期戦略ビジョン」)の修正については、今年2月議会で採択された「市会の議決すべき事件等に関する条例」により、総合計画も議決対象となり、議会は市の総合計画をより確実にチェックし多様な市民の意見をビジョンに反映できるようになりました。議決の場合、予算案同様に議会が修正することはありうることです。これは市長権限に触れておらず再議には当たりません。市長はこの件を越権、違法というなら具体的に根拠を示すべきです。

なお、わが党は中期戦略ビジョンについては、6月定例会で「原案」にも「民自公3党修正案」に反対しました。その理由は、いずれの案にも前市政どおりの大型プロジェクトを推進することや大企業・金持ち優遇の減税で市民サービスが削減される恐れがあること等、重大な本質問題があるからです。

2、市長が3条例を公布しない事態は異常であり、市長の責任は重大です。議会審議活性化促進条例、予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例については、当局も議会の権限を超えないことを確認しており、再議には道理がありません。今回の条例公布の不履行に見られるように市長権限は強大であり、その暴走を許さず、議会の役割を強化し二元代表制によるチェック・アンド・バランス機能を一層発揮する必要性があります。

なお、6月定例会では、わが党は「公開事業審査条例」については市民サービス削減にお墨付きを与えるお恐れがあるとして反対しましたが、他の2条例は賛成しました。わが党市議団は、名古屋市公開事業審査の実施に関する条例は、再議になってもこの条例には反対です。

3、市長が問題にする議会基本条例は既に公布されており、同条例前文の「議会は市の方針を決定し、市の仕事が適切に行われているかチェックする」とは、二元代表制における議会と市長の役割や権限を平易に表したものであり、越権との市長の批判は当たりません。

4、名古屋市政は、地方自治法の定める「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ること」との原点に立ち返り、市長も議会も市民の生活応援の市政に取り組むべきです。日本共産党市議団はそのために全力を挙げるものです。

以上

字句、事項の説明

◆「4項再議」
地方自治法176条4項に基づく再議。議決が議会の権限を超える場合や法令に違反している場合は、首長は理由を示して再議しなければならない。

◆「議員提案条例3件」
(1)議会審議活性化促進条例:市の予算編成にかかわる資料について、議会が市長に要求できる資料の範囲を定める条例(自民党提出、日本共産党も賛成)。
(2)予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例:予算編成に市民の声を反映することを求める条例(公明党提出、日本共産党も賛成)。
(3)名古屋市公開事業審査の実施に関する条例:名古屋市の事務事業の「事業仕分け」条例(民主党提出、日本共産党は福祉削減にお墨付きを与えるとして反対)。

このページのトップに戻る▲