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2008年10月20日発行

土木交通委員会 2007年度決算審議 江上博之議員

交通局
市バス黒字に大森車庫委託など人件費削減大きく影響
超過勤務の増大で安全性確保に不安

9月議会では2007年度決算審議が行われました。その主な審議内容を順次紹介します。

07年度の市バス事業は経常損益で9億3千万円余の黒字です。収入面では、1日平均乗車人員が約31万人と前年より約7千人増加ました。支出面では、前年より支出総額は2億6千万円減りました。これは、人件費の削減が主な理由で、大森営業所の管理委託、給与カット継続、若年嘱託職員の引き続く採用で約23億円も削りました。また、大森営業所の人件費は委託により前年から4億2千万円削減されました。

江上博之議員は、「乗車人員の増加したバス路線を見ると、営業係数の伸びの割に乗車人員増は少ない。定員削減、欠員不補充、超勤という人件費の削減が問題だ」と指摘しました。

超過勤務は増加し、生涯賃金に格差

乗務員の超過勤務は06年度の37時間から2時間増えて39時間です。大森営業所では直営だった06年度は39時間でしたが、名鉄になって40時間に増えたことがわかりました。江上議員は「運行の安全性に不安を与えている」と批判しました。

また、若年嘱託職員の生涯賃金試算が示され、この例では正規採用になっても900万円もの差が生まれることが明らかになりました。

バス乗務員の在籍者数比較 (年度末・人)

区分 06年度 07年度
一般乗務員 978 1,076
再雇用乗務員 417 349
若年嘱託乗務員 286 163
合計 1,681 1,588

バス若年嘱託職員の生涯賃金試算

当初から一般職員として採用した場合 16,900万円
若年嘱託職員として30才で採用し、3年後に一般職員となる場合 16,000万円
差し引き 900万円

一般バス乗務員の超過勤務

  06年度 07年度
平均超過勤務時間 37時間 39時間
年間超過勤務手当額 12億円 12億1,700万円
超過勤務に替えて
一般職員で補充した場合の試算
243人
18億7千万円
247人
18億1,200万円

 

緑政土木局
国直轄道路の支出やめ生活道路重視に転換を

国直轄道路事業負担金は、国が道路事業を行う場合、法律、政令の定めに基づいて自治体の財政事情を考慮せずに通知されるもので、名古屋市では128億円もの負担になっています。本市の負担割合は「新築・改築」が1/3、「維持」4.5/10、「共同溝等」1/2となっています。

江上議員は「国直轄道路事業負担金だけは道路関係予算の中で増えている。自治体負担が問題でありなくすべきだ」と質問。緑政土木局は「21年度の国への要望で廃止を求めている」と答えました。

江上議員は、「池内猪高線は地元住民が訴訟して反対している。市街地にふさわしくない道路だ」、「地元住民が反対する都市高速道路建設促進のため、江川線等の有料道路支援関連事業を進めたことも問題」と指摘し、生活道路重視への転換を求めました。

有料駐輪場は地球に優しい自転車利用を抑制

江上議員は「貧困・格差の拡大の中で利用者の声を聞き、自転車駐車場は無料化して環境にやさしい自転車利用を促進するべき」と主張しました。

国直轄道路事業負担金

区分 路線名 主な内容 負担金
(百万円)
新築・改築 1号・22号・23号・302号 1号一色大橋三日月橋、
23号環境対策等
8,377
共同溝・
電線共同溝
1号・22号・41号・153号・302号 153号一本松電線共同溝、
302号鳴海共同溝等
2,438
維持・修繕 1号・19号・22号・23号・41号 等 23号新瑞橋橋梁補修等 1,358
交通安全 1号・19号 等 自転車歩行者道整備等 650
合計 12,823