日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2008年10月16日発行

都市消防委員会 2007年度決算審議 田口かずと議員

消防局
国民保護 市民を戦争に動員する計画は必要ない
「武力攻撃を想定した訓練は考えていない」(消防長)

名古屋市が作成した「国民保護」の市民向けチラシ(上)。リュックサックを背負って避難する姿が描かれている(下)。

9月議会では2007年度決算審議が行われました。その主な審議内容を順次紹介します。

名古屋市は昨年度、愛知県で初めて実施された「国民保護」の図上訓練に参加しました。この訓練は、市内で同時爆破テロが起こったことを想定したものです。都市消防委員会での田口かずと議員の質疑によって、「『国民保護』は、弾道ミサイル攻撃や着上陸侵攻などの『武力攻撃事態』を想定しているが、今回は大規模テロが想定された訓練だった。武力攻撃という戦争状態を想定することに無理がある」ことが明らかにされました。そして昨年度、各区の住民説明会では、参加した区政協力委員などから、「国民保護は必要と思わない」「国民保護よりも防災対策に重点をおくべき」という意見が出されたことも明らかになりました。

田口議員は、「人類社会から紛争をなくすことはできないかもしれないが、紛争を戦争にしないことはできる。憲法9条がある日本で、有事に国民をかりたてる『国民保護』は必要ない」と追及。小西消防長は「今は武力攻撃を想定した大々的な訓練は考えていない」と答弁しました。

国民保護

名古屋市は、「国民保護法」にもとづき、「国民保護計画」を作成しています。「国民保護法」とは、アメリカの戦争を支援する有事関連法の一つであり、武力攻撃から国民を保護するための避難・救援を名目に、国民を戦争に強制動員するものにほかなりません。

 

個室ビデオ店などの査察強化を
予防職員数は基準の90%弱
必要な職員を増員し市民の命と安全を守れ

大阪市で個室ビデオ店の放火火災事件が発生したことを受けて、田口議員は、名古屋市での消防の査察について質問。査察にたずさわる予防職員の増員を求めました。

予防職員の数は、「消防力の整備指針」の基準にてらして充足率が89.3%で、30人不足しています。そのため、「本来は100%実施すべきもの」(指導課長)とされる査察の実施率が、個室ビデオ店などが入る小規模雑居ビルでは8割にとどまっています。 田口議員は、「査察の強化のために充足率100%をめざすべきだ」と質問。消防局総務部長は、「必要な人員確保に努力する」と答えました。

査察実施状況

区分 査察対象 査察実施
対象
査察実施
不備 改善
小規模雑居ビル 402 324 80.6% 291 190
個室ビデオ店 35 22 62.9% 22 17
カラオケボックス 100 99 99.0% 58 56
ネットカフェ 60 31 51.7% 30 22

消防力の充足状況(2007.4.1現在)

区分 基準 現有 充足率(%)
施設 署所 66 65 98.5
車両等 270 268 99.3
人員 警防要員 1,947 1,785 91.7
予防要員 280 250 89.3
庶務等 228 228 -
2,455 2,263 92.2