日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2008年9月18日発行

9月議会 議案外質問(9月18日) わしの恵子議員

本丸御殿復元よりも
一刻も早い水害対策・学校修繕を


質問するわしの議員

18日の議案外質問で、わしの恵子議員は「平成20年8月末豪雨」の水害被害と集中豪雨対策について質問しました。

広路小学校の天井落下や242校も雨漏り
「大規模改造事業で修繕を早くする」

9月4日の午前10時頃、昭和区の広路小学校の音楽室で4年生児童の授業中に天井パネルが雨水とともに落下し、児童が負傷する事故が起こりました。わしの議員は、「市全体では242校も雨漏りがあった。大規模改造事業が立ち遅れ、この広路小学校も20年以上たつが修繕の計画がない。学校運営費もカットされこまめな修繕も手が回らない。子どもが安心して過ごし、住民の避難場所なのにこれは問題だ」と質問。教育長は「修繕工事予算はここ数年削減してきたが、本年度は前年以上の予算を確保し、今後も必要額を確保する。校舎や体育館の大規模改造事業もスピードアップする」と答えました。「来年度から計画化するのか」との追及には、「できるだけ早期に」と答弁しました。


広路小学校の天井落下を調査する市議団(9月5日)

一般家庭の雨水タンク設置等に助成を
「まずはPRしていく」

わしの議員は「西区では区役所のある押切交差点から名駅に近い那古野学区まで被害が広がり、旧東芝工場跡地に雨水貯留槽を作らせるなどしたが、高層マンションやコンクリート駐車場が増え、雨水の逃げ場がない。雨水タンク設置や透水性舗装の普及が必要だが、一般家庭や小規模事業所に助成を」と要求しました。

上下水道局長は、「市施設の新設、増設時には雨水流出抑制を実施し、民間施設も主に500平方メートル以上の開発には協力をお願いしている。一般住宅に至るまで広く普及することは雨に強いまちづくりに有効だが、まずは雨水流出抑制についてPRしていく」と述べるにとどまりました。

税務事務集約で職員配備が手薄になる
「住所地から速やかな参集体制を検討」

今回の豪雨では、市職員が非常配備の招集から2時間すぎても対象職員の4割しか集まれず、市長も「職員の住所も考慮した配備計画を検討」と述べています。しかし、2年後には区役所の市税事務の集約化が行われ、区役所職員4,243人中1,017人の税務職員が区役所とは別の税務事務所に配置されます。わしの議員は「区役所職員の4分の1になる税務職員が区役所から切り離され、災害時の配備がいっそう手薄になり住民を守れないのでは」と質問。

財政局長は「税務職員を区の災害対策本部へ参集させ、家屋の被害状況調査を担当するが、道路冠水で参集に時間がかかる場合もあり、住所地から速やかに参集できる体制を検討する」と答えました。

安心・安全のまちづくり優先で
「全分野にわたって調和をとる」

わしの議員は松原市長に、「市民が水害に大きな痛手を受けているときに、立派な本丸御殿復元に税金を費やすのは、自治体として問題」と指摘し、市長の市政運営の姿勢をただしました。「生活、環境、文化、産業のすべての分野の調和をとり、新たな課題に的確に対応する」と答える市長に対し、「市長は被災者の深い苦しみを受け止めていない」と厳しく批判しました。

工場や店舗の被害は約5億円

わしの議員は「商品が水に濡れたり、厨房が壊れた飲食店など民間事業者の被害実態を把握しているのか」と質問。市民経済局長は、「被害が集中した地域の416事業所を調査した。被害額は約5億円で1事業所当たり130万円になる。製品の納期の調整や消毒、掃除に手間取ったと聞いている。災害復旧資金や特別相談窓口を開設している」と答えました。