日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2008年8月6日発行

8月6日 愛知県後期高齢者医療広域連合第2回定例会 田口一登議員

不十分な政府見直し
同じ年金収入で保険料に8倍の格差

今定例会では政府の見直し策に基づく保険料特別軽減条例や、後期高齢者医療制度の改善の請願などの審査と一般質問が行われ、日本共産党の田口一登議員が質問しました。民主党議員が後期高齢者医療制度廃止の陳情などに反対し、一貫して廃止を求める日本共産党の役割がくっきりと浮かび上がりました。

政府見直し策に基づく保険料特別軽減について、世帯の年金収入が同じ303万円でも、特別軽減が適用される世帯(下表Aさん)は35,100円から17,500円に軽減される一方、適用されない世帯(Bさん)では保険料が14万4,100円のままで、両者の保険料の格差は現行の4倍から格差が8倍に拡大します。田口議員の質問に松原武久連合長は「ご指摘のような事例が生じる」と認めました。

軽減措置は個人単位で判定し、国に新たな減免を求めよ

さらに田口議員は、年金収入がAさんより少ないにもかかわらずAさんの8倍もの保険料を負担するCさんの例を示し「保険料の軽減制度は世帯の所得で判定されるから、こういう事がおきる。個人単位で判定し低所得者に保険料を徴収しないよう国に求めよ」と質問。連合長は、「国は個人単位にすることを他制度との関連も含めて検討し、早急に結論を得るとしているので見守る」と答えました。

田口議員は、「様々な問題解決には制度そのものを廃止して考え直す必要があるが、今回の特別軽減で33%の人の保険料が軽減されるのは評価できる」として、条例に賛成しました。

後期高齢者医療を選択しない65〜74歳障害者にも障害者医療費助成適用を

一般質問で田口議員は、「65歳〜74歳障害者が後期医療に加入しないと医療費助成を受けられないが、厚労省が『自治体独自の医療費助成事業』の『適切な対応を求める』通知を出した。山口県などは見直しを決めた。連合長は名古屋市長でもあり、我が身に降りかかる問題。『県が判断する』と県まかせにせず、県にきちんと要望すべき」と強く求めました。

請願・陳情に賛成は共産党だけ

住民から提出された保険料引き下げなどの請願には田口議員が賛成討論をしましたが、他に賛成者がなく不採択になりました。制度の廃止を求める陳情には民主党も賛成せず、傍聴者の怒りの声がわき起こりました。

ホームページ改善

広域連合のホームページに今定例会の案内が告示から1週間たっても掲載されていませんでしたが、田口議員が要求し改善させました。

08年度の保険料特別軽減の内容

  1. 7割軽減世帯の方の均等割を8.5割軽減にする
    均等割額が年額12,000円から6,000円に
    対象者162,000人、財源は財政調整交付金
  2. 基礎控除後の総所得金額等が58万円以下(年収211万円以下)の方の所得割を50%軽減する
    対象者53,500人、財源は財政調整交付金

(1)(2)あわせて208,000人が対象(重複有り)
(ただし(1)は09年度は年金収入80万円以下の世帯に限定し、9割減額に変更。80万円以上の世帯は7割減額に戻る。(2)も08年度全国一律から、09年度は基準や軽減率が各広域連合に委ねられる)

後期高齢者保険料負担の世帯による比較(夫婦世帯で、妻の年金が135万円以下の場合)

現行制度
  年金収入 収入合計 軽減 所得割額 均等割額 年額保険料 保険料計
Aさん 168万円 303万円 均等7割 11,145 12,052 23,100 35,100
135万円 均等7割 0 12,052 12,000
Bさん 239万円 303万円 なし 63,898 40,175 104,000 144,100
64万円 なし 0 40,175 40,100
Cさん 239万円 239万円 なし 63,898 40,175 104,000 144,100
0円 なし 0 40,175 40,100
軽減改定後
Aさん 168万円 303万円 均等8.5割
所得割50%
5,573 6,000 11,500 17,500
135万円 均等8.5割 0 6,000 6,000