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2007年10月13日発行

決算審査 財政福祉委員会 わしの恵子議員

大型事業を見直し、大企業に応分の税負担を
財政局長が「大型事業に市民負担が必要」と答弁

財政福祉委員会では財政局の決算総括質疑が行われ、わしの恵子議員が市民税の負担増をただしました。

大型事業のための市民負担増やめよ

財政局長が今後の財政見通しについて、「厳しい財政だが4大プロジェクトは必要だ」「市民に公平な負担をすべきだ」「市民負担なしに財政健全化はできない」などと説明し、市民犠牲を更に強化する姿勢を示しました。これに対し、わしの議員は「大型事業は市民合意がなく見直しをすべきだ。公平というなら大企業に応分の負担をするのが当然でないのか」ときびしく批判しました。

個人市民税増える―税制改悪が大きく影響

06年度の個人市民税は、前年度に比べ153億円も増収です。この内訳は所得の伸びが67億円、定率減税の半減などによる税制改悪の影響で85億円も…。

課税所得200万円以下の低所得者は前年比5万1千人以上、税収額でも28億円以上増と、大きくなっています(表1)。

表1、個人市民税の納税義務者数(上段、人)税収額(下段、百万円)

税率
(課税所得金額)
05年度 06年度 増減 前年比(%)
3%
(200万円以下)
565,739
15,332
617,178
18,141
51,439
2,809
109.1
118.3
8%
(200万円超
700万円以下)
345,066
55,197
361,962
61,473
16,896
6,276
104.9
111.4
10%
(700万円超)
49,215
59,952
52,065
66,178
2,850
6,226
105.8
110.4
合計 960,020
130,481
1,031,205
145,792
71,185
15,311
107.4
111.7

わしの議員は「この中には非課税から課税になった人も含まれるのか」と質問。財政局は「雇用の改善による所得増もあるが、非課税から課税になった方も相当含まれる」と答弁しました。

また、06年度は低所得者の減免を受ける市民が4万人近く増加し11万7千人、減免額でも2倍以上になりました(表2)。

表2、低所得者の市民税減免の推移

  05年度 06年度
人数(人) 78,462 117,620
減免額(百万円) 221 460

わしの議員は「市民生活がたいへんになった。減免制度は国保料や介護保険料に連動する大切な制度である。これだけの方が減免を受けていることをきちんと受け止め、減免制度の充実を」と求めました。

大企業優遇ただせば237億円の税収

企業が納める法人市民税は06年度、910億円で4年前に比べ1.4倍にもなっています。しかし、企業がその利益にふさわしく税負担をしているのかが問題です。国会では佐々木憲昭衆議院議員が、法人市民税の元になる法人税の税率を43.3%から段階的に30%に引き下げたことや、黒字の大銀行が不良債権処理でつくった赤字を相殺する税務ルールによって法人税がゼロになる大企業優遇税制を追及しています。

わしの議員は、「6大銀行が3兆円の利益をあげているが法人税を1円も払っていない。この6大銀行は市内に事業所がある。法人税を払ったとすれば、本市の法人市民税はいくらになるか」とただすと、当局は「本市の市民法人税の税収額は全国の税収額のおよそ3.3%」と答えました。これに基づいて試算すると237億円もの税収ができます(試算1)。わしの議員は、「国に大企業優遇の中止を要望せよ」と主張しました。

大企業優遇見直しによる法人市民税収(試算1)

答弁をもとに税収額を試算

(利益)×(法人税率)×(市民法人税率)×3.3% =税収額

(1)利益3兆円の6大銀行が法人税を払うと43億円の法人市民税ができる

3兆円×30%×14.7%×3.3%=43億円

(2)法人税率を30%から37.5%に戻せば4兆円の法人税がうまれるので194億円の法人市民税ができる

4兆円×14.7%×3.3%=194億円

合計 (1)+(2)=237億円