日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2007年9月6日発行

9月5・6日 公社対策特別委員会 うめはら紀美子副委員長 田口かずと議員

名古屋食肉市場(名食)
フジチクの脱税事件で経営悪化
輸入豚肉の取扱いゼロに

公社対策特別委員会が5日から11日まで開かれ、市の外郭団体について審査しています。5日は市民経済局関係が対象で、田口議員は名古屋食肉市場(名食)にたいして、経営悪化の原因とフジチクとの関連について質問しました。

脱税による輸入豚肉の扱い減少・中止で取扱高が6割も減少

名食は2001年度以降、赤字が続き、2006年度末で累積赤字が約38億円、債務超過も約33億円。取扱高も01年度の450億円から06年度の194億円に激減しています。田口議員は、「フジチクグループによる輸入豚肉の脱税事件の影響で、名食の取扱高の約4割を占めていた輸入豚肉が、06年度にはゼロになった。フジチクの不正行為が名食の経営状況を厳しくさせた要因の一つではないのか」と追及。名食も輸入豚肉の取扱高の減少・中止が要因の一つと認めました。

名古屋食肉市場(株)の取扱高(億円) 名食の赤字
(▲=赤字)
年度 名食の総額 うち愛食分 うち輸入豚肉
2000
90
なし
なし
740万
2001
450
375
168
▲4億4520万
2002
398
315
174
▲5億5043万
2003
325
237
137
▲6億9187万
2004
282
182
99
▲10億9729万
2005
199
101
18
▲8億9402万
2006
194
91
0
▲2億160万

愛食からの譲渡に59億円の価値はない

輸入豚肉の取扱いは、名食が愛食(愛知食肉市場協同組合)から譲り受けた事業の一つです。愛食からの譲渡に際して名食は、愛食に59億円を支払いました。田口議員は、「愛食から譲り受けた輸入豚肉は不正にまみれ、価値がなかった。譲渡価格の59億円は現時点でも適切だと認識しているのか」と質問。当局は「現時点でも適切な価格」と強弁しましたが、その根拠が問われます。

名食を食いものにしてきたフジチク

2005年6月に発覚した輸入豚肉の差額関税制度を悪用した脱税事件。フジチクは愛食を通じて発覚の10年前から不正を行ってきました。愛食が名食に事業を59億円で譲渡された後も2002年5月から2003年9月までで、62億8000万円の関税を脱税しました。名古屋食肉市場の社長だったフジチク出身の藤村勲氏が逮捕、起訴され有罪になっています。

 

「元議員が監事でなくても業務に支障なし」
天下りを容認した姿勢を批判
教育スポーツ振興事業団・名古屋国際センター

07年度から議員OBの天下り廃止

元議員の外郭団体への天下りが、今年度から廃止されました。6日の同委員会では、田口議員が、元議員の役員就任をやめた教育スポーツ振興事業団について質問。「今年度から元議員の常勤監事がやめて、常勤監事が2名から1名に減少したが、これによって監査業務に何らかの支障が生じているか」と問いただしました。同事業団は、支障があるとは答えることができませんでした。

田口議員は、「わが党は天下りの廃止を繰り返し求めてきた。これまで当局は元議員の天下りについて、『本人の能力、議会活動での知識と経験を生かして、公社の業務改善に適切な指摘をいただける』といってきた。しかし、元議員の監事がいなくても業務に支障はない。これまで当局がいってきたことは方便だった」と批判しました。

名古屋国際センターも監事が元議員から市職員の兼務に変わりました。公社は、「監事からの指導の回数は減ったが定期的にアドバイスを受けている」と答え、支障は生じていません。