2010年9月定例会 2009年度決算に対する反対討論(10月12日)
さとう典生議員

市民の暮らしをかえりみず、いたずらに特異な政治観を押し付け、前市長すら保留した大型事業を一層推進した決算だ


さとう議員

河村市長のこの一年を振り返る

【さとう議員】
日本共産党を代表して、ただいま議題となっております、一般会計決算認定案に反対の立場から討論します。個々の反対理由は先ほど、各常任委員長から報告されましたので、私は総論的に河村市長のこの一年を振り返って討論とします。

大型開発を続ける骨格予算をどう変えたのか

昨年度の当初予算の編成は松原前市長の下で行われました。骨格予算とは言いながら、それまでのオール与党態勢の下での大型開発を続けるための予算となったため、9900億円という規模となっていました。

4月にはこうした、我が党をのぞくオール与党態勢に対して市民が「市政を変えてほしい」という願いを託された河村市長が誕生しました。新市長の下6月9月12月と補正予算が組まれました。また、8月には民主党政権が誕生するという、政治的激動の中での1年でした。一年を通してではありませんが、河村市長の下での初めての予算執行でありました。その点で、市長の市政運営への態度が問われた決算審査となりました。

市民の期待を裏切る見直し

そこで、改めて、市長が変わったことによって何が期待され、どうなったのかを振り返ります。

まず、市民が期待をした大型公共事業、無駄な公共事業をストップして、市民の福祉や暮らしを応援してほしいという点はどうだったのでしょう。

ポスト万博の4大プロジェクトといわれた大型公共事業の見直しについて検証します。

金城ふ頭のモノづくり文化交流施設は当初予算で予算計上されていませんでしたが、6月の補正予算で河村市長がゴーサインを出し、より大きな集客施設を、と大風呂敷を広げました。

本丸御殿の復元工事については、たった1回の討論会で「手を挙げた数が多かった」と8月には継続を決め、さらに天守閣までも(500億円)木造で再建するとまで言い出しました。

陽子線がん治療施設については、市長の再調査では計画当初の需要予測が甘く、毎年6億円の赤字で、それを市民の税金で埋めなければならないことが明らかになったのにもかかわらず、年明けには続行を決めました。

以上、検証しましたが、結局進行中のものは止めることができず、ものづくり博物館は市長自らが進めるという結果となりました。多くの市民の期待を裏切るものであったと言わざるを得ません。

特異な持論を展開するのみの空論に終始

次に、そのほかの市政運営ではどうだったのでしょうか。4回にわたる定例会で私ども議員と市長との間で様々なテーマで政策論戦が交わされました。

振り返ってみますと、多くの場合市長は、「減税を行えばうまくいく」「地域委員会でやってもらう」「市債は借金でない」などと「独特の自説」を展開するのみで、実りある議論となりませんでした。

「金持ちゼロ」の公約に違反

昨年の11月議会、私は減税問題で市長に「減税は年収800万円までに限り、企業減税は行わない」という提案をしました。しかし、あなたは受け入れず、一律減税を押し切りました。この問題は市民を巻き込んで現在まで引きずることになりました。

改めて指摘をしますが、市長の提案した減税は結局「金持ち、大企業優遇」であり、「定率減税(金持ちはゼロ)」というマニフェストに反したものであり、しかも、企業減税を併せて行ったことはマニフェストに書いてなかった点で市民を欺いたものだと言えます。

雇用・景気対策は何一つなし

不況の中で市民の大きな願いのひとつが経済対策です。市内の倒産件数(負債総額1000万円以上)は前年より増えて411件、負債総額は1211億円と大変な状況になっています。市内の欠損法人は63,053社、そのうち資本金一億円以下は60,024社となっており、ほとんど減税の恩恵はありません。

市長は「日本一早く経済復興する街ナゴヤ」とマニフェストでは書きました。しかし、補正予算の中では政府の緊急経済対策や生活保護費の増額など、多くの部分を国や県の関連施策が占め、市独自の対策は打ち出せませんでした。

しかも、緊急雇用創出事業などで多額の不用額を残すという結果で、不況打開、市民生活と営業・雇用を支える予算執行とはなりませんでした。生活保護受給者は増え続けています。

民営化を推進

また、「減税で行政改革を進める、福祉も聖域ではない」として、公立保育園の民営化、城西病院の売却、緑市民病院への指定管理者制度の導入や市職員の給与を大幅にカットしたことは、市民サービスの低下や地域経済へ悪影響をあたえるなど認めることはできません。

子どもの医療費無料化拡大に踏み出さず

中学校卒業までの医療費の無料化は「やる、やる」と言いながら、結局一年間実施されませんでした。我が党への約束や議会での表明に反した行為です。

疑惑にふた

公社・外郭団体改革の問題では、食肉市場建設に絡む疑惑を解明することを求めましたが市長は背を向け、フタをしてしまいました。

政策論議を避けたパフォーマンス

以上、述べてきたように、この一年間の市長の市政運営を振り返ると、議会でのまじめな政策論議を避け、その一方で議会外の派手なパフォーマンスで市民の目線をそらしてきたと言えます。結局、派手な言葉とは裏腹に市民の期待に反した予算執行だったと言わざるを得ません。

我が党は決算審議で明らかになった問題点を正し、市民の要望や期待に応える市政の実現のために奮闘することを表明し、反対討論とします。

2009年度 歳入歳出決算総括表(千円)

会計別 歳入 歳出 差引額
決算額 決算額
一般会計 1,031,118,000 1,026,543,817 4,574,182
特別会計 1,088,422,241 1,083,291,034 5,151,206
  交通災害共済 3,801 3,801 0
国民健康保険 202,348,695 200,800,861 1,547,834
後期高齢者医療 35,118,594 34,466,569 652,024
老人保健 739,625 112,615 627,009
介護保険 122,275,592 120,185,247 2,090,344
母子寡婦福祉資金貸付金 1,287,629 1,158,414 129,215
農業共済 79,580 47,792 31,787
市場及びと畜場 6,881,150 6,881,150 0
土地区画整理組合貸付金 583,000 583,000 0
市街地再開発 1,857,649 1,857,649 0
墓地公園整備 1,030,036 1,030,036 0
基金 103,719,904 103,719,622 281
用地先行取得 13,932,556 13,930,648 1,907
公債 598,584,424 598,513,622 70,801
2,119,560,241 2,109,834,852 9,725,389

企業会計 2009年度 決算総括表(千円)

区分 総収益 総費用 純損益 当年度未処分利益剰余金
(△は欠損金)
病院事業 21,554,326 25,740,667 △4,186,340 △20,707,048
水道事業 49,302,085 48,681,859 620,225 620,225
工業用水道事業 800,778 741,487 59,290 113,466
下水道事業 73,531,772 72,267,096 964,676 964,676
自動車運送事業 25,698,859 23,652,552 2,046,307 △ 51,239,542
高速度鉄道事業 81,227,608 77,125,009 4,102,599 △314,489,415
総計 252,115,431 248,508,673 3,606,758 △384,737,636

性質別経費の推移(普通会計)

区分 2009年度【速報値】 2008年度
決算額 構成比 決算額 構成比
百万円 百万円
義務的経費 508,786 49.35 491,907 50.8
  人件費 179,823 17.4 185,452 19.2
扶助費 181,839 17.6 161,216 16.6
公債費 147,123 14.3 145,238 15.0
投資的経費 96,660 9.4 97,293 10.0
  普通建設事業 94,442 9.2 95,338 9.8
災害復旧事業 2,218 0.2 1,955 0.2
その他 425,063 41.3 379,009 39.2
  物件費 81,759 7.9 77,174 8.0
維持補修費 26,466 2.6 27,287 2.8
補助費等 149,316 14.5 115,152 11.9
積立金 8,375 0.8 3,234 0.3
投資及び出資金 16,840 1.6 16,115 1.7
貸付金 81,996 8.0 78,486 8.1
繰出金 60,307 5.9 61,558 6.4
合計 1,030,510 100 968,210 100

主な財政指標の17政令指定都市比較(平成19年度普遍会計決算)

区分 経常収支比率(%) 公債費比率(%) 義務的経費割合(%) 投資的経費の
割合(%)
財政構造の弾力度
(高いほど悪い)
財政の硬直度
(高いほど悪い)
経常収支比率の上昇要因
(高いほど悪い)
名古屋市 97.2(7)←(5) 19.6(10)←(11) 50.5(7)←(8) 12.0(12)←(10)
札幌市 95.3(9)←(6) 19.7(9)←(9) 49.6(8)←(8) 8.9(17)←(15)
仙台市 97.7(6)←(8) 23.2(3)←(3) 47.6(9)←(12) 15.0(8)←(5)
さいたま市 86.1(17)←(14) 13.8(17)←(15) 44.6(16)←(14) 21.4(4)←(2)
千葉市 96.5(8)←(8) 21.1(5)←(8) 46.5(12)←(7) 22.6(2)←(3)
川崎市 93.5(13)←(13) 20.1(7)←(9) 52.6(4)←(4) 13.3(10)←(8)
横浜市 94.2(10)←(11) 18.8(12)←(13) 47.1(10)←(10) 15.3(7)←(6)
新潟市 88.6(14) 16.4(15) 44.2(17) 15.7(5)
静岡市 87.4(15)←(15) 19.3(11)←(10) 45.4(15)←(11) 25.0(1)←(1)
浜松市 86.4(16) 17.9(13) 46.7(11) 22.2(3)
京都市 97.8(4)←(4) 17.9(13)←(12) 52.0(5)←(5) 11.6(13)←(9)
大阪市 99.9(1)←(1) 20.1(7)←(6) 54.5(1)←(2) 10.3(16)←(14)
堺市 93.7(12)←(10) 15.2(16)←(14) 53.9(3)←(3) 10.6(15)←(12)
神戸市 98.0(3)←(2) 26.8(1)←(2) 54.1(2)←(1) 11.6(13)←(13)
広島市 98.4(2)←(3) 21.0(6)←(4) 50.7(6)←(6) 12.2(11)←(11)
北九州市 97.7(5)←(7) 21.8(4)←(5) 45.7(14)←(15) 15.7(5)←(4)
福岡市 94.2(10)←(12) 24.9(2)←(1) 46.1(13)←(13) 13.8(9)←(7)
新潟市及び浜松市は平成19年度から政令指定都市に移行

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