2010年6月定例会 反対討論・賛成討論(6月29日)
名古屋市中期戦略ビジョンの策定及び修正案に反対
田口かずと議員

大型事業を推進、意図的な収支不足で市民サービス削減、十分な検証もないまま地域委員会の拡大などは認められない


田口議員

【田口議員】
私は、日本共産党名古屋市会議員団を代表して、中期戦略ビジョンの策定について、原案にも修正案にも反対の立場から討論を行います。

前市長時代と同じ大型事業推進計画で中部財界に応える大型開発も目白押し

反対する理由の第1は、不要不急の大型事業を推進するという点では、前市長時代の総合計画と変わらない計画となっていることです。

名古屋城本丸御殿の復元などの4大プロジェクトは、基本的にはそのまま推進され、そればかりか、市長が先の本会議で、「ぜひ昔の江戸時代のままに再建していきたい」と意欲を示された推計約500億円といわれる天守閣の木造復元まで盛り込まれています。

中部国際空港の2本目滑走路の建設促進や、いわゆる「ハイパー中枢港湾」をめざす名古屋港の整備など、「国際競争力向上」を名目にした中部財界の要求に応える大型開発も目白押しです。伊勢湾の「ハイパー中枢港湾」化に必要な事業費は、名古屋港管理組合が公表した『計画書』では1649億円にのぼります。こうした巨額の税金を投入する不要不急の大型事業については、修正案でも何ら修正されていません。

意図的な収支不足で市民サービスカット

第2は、大企業・大金持ち優遇の市民税減税で意図的に税収不足をつくり出し、「行財政改革」の名のもとに市民サービスが削減されるおそれのある計画となっていることです。

本ビジョンでは、市民税減税は、「効率的な行財政運営」を実現する事業として位置づけられていますが、大企業・大金持ちへの減税の大盤振る舞いで税収に大穴をあけ、それをテコに行財政改革が進められたらどうなるか。公立保育園の民営化やごみ収集の民間委託化など、市民の暮らしに重大な影響を与える福祉・市民サービスの削減が加速されるでしょう。

十分な検証もないまま地域委員会を拡大

第3は、地域委員会を拡大する数値目標についてです。住民参加・住民公開で地域課題の解決のための予算を決める仕組みというは、住民自治の発展に役立つと考えますが、本格実施に向けてはモデル実施の十分な検証が必要であり、数値目標を掲げることは時期尚早であります。

社会的弱者への就労支援に逆行

最後に、修正案では、「ホームレスの自立と生活の安定をはかり」という文言をわざわざ削除していますが、これは、社会的弱者への就労支援に逆行するものです。

以上、反対の理由を申し上げて、討論を終わります。

総務環境委員会でのべた、その他の反対理由

  • 「冷暖房のいらないまち」という表現は、地球温暖化対策を「日本の風土」の問題に矮小化するものであり、「『日本一空気のおいしいまち・なごや』への挑戦」を施策展開の表題に掲げることは、公害対策を後景に追いやりかねないこと。
  • この他、職員御用聞き営業大作戦、放課後子どもプラン(仮称)の創設・推進、子育てバウチャー制度が盛り込まれ、なごや教師養成塾や民間人校長の検討など教育の効率化が進められようとしていること。

 

▲このページの先頭へ戻る