2010年2月定例会 請願の採択を求める討論(3月24日)
かとう典子議員

中小零細業者を支える家族従業員の働き分を必要経費として認めることは当然です


かとう典子議員

【かとう議員】
ただいま議題となりました「所得税法第56条の廃止を求める件」について、採択を求めて討論を行います。

中小零細業者は、地域経済の担い手

中小零細業者は、地域経済の担い手として、日本経済の発展に貢献してきました。所得税法第56 条は、その中小零細業者を支える家族従業員の働き分を必要経費として認めず、受け取った親族の所得にもしないという制度であります。

家族従業員の働き分を給料扱いに

事業主の配偶者である女性からは、「夫のパートナーとして商売に欠かせないのに、妻の働いた対価は給料扱いされない」、「妻を一人前の従業者として認めて、夫の所得からの控除ではなく、給料にしてほしい」、また、「家事や子育てをこなして、長時間働いても、妻の所得として認められるのは年86万円まで。時給に換算すると295円です。」と言われます。また、息子に家業を継がせたくても、配偶者以外の家族の場合、所得と認められるのは年50万円、結婚もできません。後継者不足に拍車をかけているのが実態です。業者の家族は、社会的にも経済的にも全く自立できないのです。

憲法にも反する

そもそも、所得税法第56条は、戦前の古い家族制度のもとで配偶者や家族の人格、労働を認めていなかったことの名残であり、日本国憲法の、個人の尊重、法の下の平等、両性の平等などにも反しています。

56条の廃止は世論の趨勢

いま、全国の200を超える自治体でこの意見書が採択され、また、税理士会からも意見書が多数出されており、56条の廃止は世論の趨勢となっております。

所得税法第56条の廃止することを求める意見書をわが議会としても提出するべきです。先輩同僚の皆さまの賢明なるご判断を期待して、討論を終わります。

56条廃止すべき―衆院径産委で共産・吉井議員が質問(2010年3月19日)

「家族従業者の働き分を必要経費として認めない所得税法第56条は廃止すべきではないか」‐。日本共産党の吉井英勝衆院議員は3月19日、衆院経済産業委員会で小規模企業共済法改正案に関連して質問。「日本の自営業者数の減少、特に5人以下の中小零細業者が深刻な状況にあり、OECD諸国の中でも無賃家族従業者が多い」とただしました。

峰崎直樹財務副大臣は所得税法第56条の廃止について「税制調査会のメンバーで家族従業者の労働の対価としてどう保障するか考えていきたい」と答えました。

また吉井議員は「中小企業政策は経済産業省、所得税は財務省となっている。中小企業を全体の体系として横ぐしを入れる立場で56条廃止を考えるべきではないか」と質問。直嶋正行経済産業相は「指摘を含め、全体的に議論を見直してみるのは意義がある。政策的な横ぐしは横断的に実行していく」と答えました。

 

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