2009年11月議会 意見書・決議

日本共産党をはじめ各会派から提案された11件の意見書案、および請願採択に伴う意見書案1件、計12件について、議会運営委員会理事会で協議が行われ、日本共産党の提案した意見書案2件も含め、7案件が適切な修正や調整を行って共同提案の合意が得られ、12月9日に議決しました。

意見書案に対する各会派の態度(議会運営委員会に提出された意見書案)
意見書案 原案
提出
結果 各会派の態度
共産 民主 自民 公明
特定C型肝炎ウイルス感染被害者・ウイルス性肝炎患者の救済に関する意見書(案) 民主 可決 修正
地方議会制度の充実・強化に関する意見書(案) 民主 否決 修正 修正
障害者に対する虐待防止に関する意見書(案) 自民 可決
食料安全保障のための食料自給率向上に関する意見書(案) 自民 可決 修正
地方議会制度に関する意見書(案) 自民 否決 修正 修正
さらなる緊急雇用対策の実施に関する意見書(案) 公明 可決 修正
景気・経済対策の継続的な実施に関する意見書(案) 公明 否決
地域の暮らしを守るための国の予算執行に関する意見書(案) 公明 否決
労働者派遣法の抜本改正に関する意見書(案) 共産 可決 修正
失業者支援に関する意見書(案) 共産 否決
保育所最低基準に関する意見書(案) 共産 可決 修正
改正貸金業法の早期完全施行等に関する意見書(案) 請願
採択で
可決

結果が「可決」となっている、セルの背景が黄色いものは可決された意見書。

議運に提案された段階での態度 ○=賛成 ●=反対 △=保留
●が1つでもあれば議案として本会議に上程されません。
共:日本共産党 民:民主党 自:自民党 公:公明党

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《採択された意見書》

特定C型肝炎ウイルス感染被害者・ウイルス性肝炎患者の救済に関する意見書

平成20年1月に成立した特定C型肝炎ウイルス感染被害者救済特別措置法に基づき、裁判所においてカルテ等により血液製剤の投与事実と感染との因果関係が認定された特定C型肝炎ウイルス感染被害者等は、症状に応じて給付金が支給されることとなった。

しかしながら、保存義務が5年のカルテによる証明は難しく、国は過重な裏づけ証明を患者側に求めているため、90%以上の患者は提訴すること自体が阻害され、特別措置法による救済対象から外されかねない状況にある。

また、B型・薬害肝炎を含むC型肝炎患者は、インターフェロンのすさまじい副作用、肝がんの恐怖にさいなまれ、高い医療費の負担やいわれなき社会的差別・偏見に苦しんでおり、国の責任による救済が痛切に求められている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、来年1月に施行される肝炎対策基本法に基づく施策の早期実現を図るとともに、次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. カルテがないC型肝炎ウイルス感染被害者についても、手術記録、投薬指示書、母子手帳等の書面、医師などの投与事実の証明、または、本人、家族等による証言等も幅広く考慮することにより、特定C型肝炎ウイルス感染被害者と認定し、特別措置法の適用による救済を図ること。
  2. ウイルス性肝炎患者が最良の治療体制と安心して暮らせる環境を確保するため、ウイルス性肝炎患者の障害者認定、障害者年金制度の拡充を初めとした医療費・生活費の助成措置、インターフェロン治療費補助の改善等の早期実現を図ること。
  3. ウイルス性肝炎の専門的な治療体制の整備、とりわけ地域格差の解消と肝炎治療法・治療薬の開発促進を図ること。
  4. ウイルス性肝炎の早期発見、早期治療と肝炎患者に対する社会的偏見・差別を解消するための啓発、相談支援の強化を図ること。
  5. 薬害再発防止策の構築を図ること。

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障害者に対する虐待防止に関する意見書

家庭や施設において、介護が必要な障害者を放置したり、障害者に暴力を振るったりするなどの虐待が全国で発生している。

子どもや高齢者に対する虐待については、児童虐待防止法や高齢者虐待防止法が制定され、一定の改善策が講じられているところであるが、障害者に対する虐待に関しては、現在のところ法律がなく、整備が遅れている状況である。平成18年12月の国連総会において障害者権利条約が採択され、批准国には障害者を保護するためのすべての適切な立法上、行政上、その他の措置を講じることが義務づけられることとなったが、我が国においては本年7月に法案が提出されたものの、衆議院の解散に伴い廃案となっている。

障害者に対する虐待は閉ざされた空間で行われることが多く、顕在化しにくいことから、虐待を早期に発見し、有効な措置を講じることが必要であり、発見者の通報義務や公的機関による立入調査権の明文化など、社会全体として実効性のある虐待防止策の確立が求められている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、障害者に対する虐待を防止するための法整備を早急に行うよう強く要望する。

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食料安全保障のための食料自給率向上に関する意見書

新興国の人口増加や経済発展に伴う食料需要の増大、バイオ燃料需要の急増、異常気象による農業生産の減少などにより、国際的な食料情勢が深刻化している。

我が国においては、食料自給率はここ数年40%近くに低迷し、主要先進国の中で最低水準となっている。また、世界の食料需給が危機に瀕した場合、日本は安定した食料供給に支障が出る可能性が高いと懸念されている。

こうした中、国は「食料自給率向上に向けた国民運動推進事業」を立ち上げ機運を盛り上げているが、食料自給率の低下が続くことになれば、農地面積や農家人口等のような食料供給基盤を揺るがすこととなるため、食料自給率の低下を防ぐことは喫緊の課題であり、さらにこれを確実に上昇させ、食料の安定供給を確保していく必要がある。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 食料安全保障の確保を図るため、国民に安定的に食料を供給できるよう、国内農業の生産強化や助成措置、農産物の価格保障や農家の所得補償、農地の減少防止など農業経営の保護を図ること。
  2. 国産農産物の消費を拡大するため、消費拡大につながる国民運動の啓発や次世代を担う子どもへの食育を積極的に推進すること。
  3. 関税など必要な国境措置を維持・強化すること。

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さらなる緊急雇用対策の実施に関する意見書

雇用失業情勢は、完全失業率、有効求人倍率ともに依然として厳しい数値を示している。

こうした中、政府は緊急雇用対策を取りまとめたが、既存の施策・予算の活用にとどまっており、雇用・住居・生活支援の相談・手続ができるワンストップ・サービスが試行されるものの、緊急雇用対策として不十分と言わざるを得ない。

年末・年度末に向けてさらなる雇用の悪化も懸念されており、より一層の緊急雇用対策が求められている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 雇用調整助成金の財源を確保するとともに、運用に当たっては、助成金の支給要件を実態に即して緩和し、助成金支給の拡充を図ること。
  2. 雇用保険の非正規労働者への適用範囲の拡大を図るとともに、厳しい状況に見舞われている非正規労働者向けの対策を行うこと。
  3. 訓練・生活支援給付の恒久化を図ること。
  4. 緊急雇用対策で示されたハローワークのワンストップ・サービス化により本来の職業紹介業務に支障を来さないよう、職員の増員も含めたハローワークの窓口体制の強化を図ること。
  5. 第2の就職氷河期を招かないために、企業と学生のミスマッチ解消のための情報提供体制の充実や企業に対する新規採用枠拡大の要請など、新卒者への就職支援体制を強化すること。

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労働者派遣法の抜本改正に関する意見書

厚生労働省が10月2日に発表したところによれば、昨年10月から今年12月までに実施済みまたは実施予定の非正規労働者の雇いどめ等の人数は、全国で約23万9千人に上り、うち愛知県は4万人余を占め全国最多となっている。あわせて、事業縮小や工場閉鎖などを理由とした正規労働者の転籍・解雇も加わり、雇用崩壊というべき深刻な事態にある。

労働者派遣法は1999年の改正で派遣労働が原則自由化され、2003年の改正で製造業への派遣が解禁された。そのため、大企業を中心に正規労働者の非正規労働者への置きかえが進み、厚生労働省の調査では、今日では非正規労働者が日本の労働者の3分の1に急増している。

非正規労働者の増大は、ワーキングプア増大の主な要因となっている。このことは社会全体の活力を失うことになりかねず、若年世代においては、将来の生計の不安定化を招き、国の将来にも重大な影響を及ぼすことが懸念される。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、労働者派遣法の抜本改正を行うよう強く要望する。

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保育所最低基準に関する意見書

政府の地方分権改革推進委員会は、保育所の最低基準など、地方自治体の仕事の内容や方法を国が定める義務づけの規制緩和を柱とした第3次勧告を提出した。これを受けて厚生労働省は、国が全国一律に定めている認可保育所の面積の最低基準について、東京都など待機児童の深刻な都市部の一部に限り、地方自治体に基準を定める権限を移譲するとの考えを示した。

保育所最低基準(児童福祉施設最低基準)は、「児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な」(児童福祉法)最低線を定めたものであるが、敗戦直後の1948年に定められたものであり、専門家や保育関係者からは最低基準の向上を求める指摘も上がっている。

保育所において、子どもが安全に健康で情緒の安定した生活を送るためには、子どもの最善の利益を尊重した保育の質の確保が大前提であり、その基準は全国どの保育所においても満たすべき全国一律の最低基準として、国において規定されなければならない。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、待機児童の解消を理由とした規制緩和により子どもの育ちに悪影響を及ぼすことのないよう、保育所最低基準をナショナルミニマムとして確保した上で、待機児童解消のために必要な財源を措置するよう強く要望する。

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改正貸金業法の早期完全施行等に関する意見書

バブル崩壊以降の経済危機等を発端として、クレジットカード、消費者金融、商工ローン等による多重債務問題が顕在化し、ピーク時には自己破産件数が20万件を超えた。

そのような中、平成18年に、深刻化する多重債務問題の解決のために、出資法の上限金利の引き下げ、年収の3分の1を超える過剰貸付契約の禁止などを含む改正貸金業法が成立し、来年6月までに完全施行される予定になっている。また、政府は多重債務者対策本部を設置し、官民が連携して、相談窓口の拡充やセーフティーネット貸し付けの充実などの対策に取り組んできた結果、自己破産者が減少するなど着実に効果を上げている。

一方で、消費者金融の成約率が低下しており、借りたくても借りられない人が増加していることや、資金調達が制限された中小事業者の倒産が増加していることなどを理由に改正貸金業法の完全施行の延期や貸金業者に対する規制の緩和を求める声がある。

しかしながら、改正貸金業法の完全施行の先延ばしや規制の緩和は、再び多重債務者、自己破産者の急増を招きかねない。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 改正貸金業法を早期に完全施行すること。
  2. 地方公共団体での多重債務相談体制の整備のため、相談員の人件費を含む予算を十分確保するなど、相談窓口の拡充を支援すること。
  3. 個人及び中小企業者向けのセーフティーネット貸し付けをさらに充実させること。
  4. ヤミ金融を徹底的に摘発すること。

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《日本共産党提案で採択されなかった意見書》

失業者支援に関する意見書(案)

雇用情勢は、失業率も有効求人倍率も過去最悪の水準となる中で、すでに失業し、新たな就職先が見つからないまま失業給付が切れてしまった人が次々と生まれるなど深刻な事態となっている。ところが、政府の「緊急雇用対策」は失業給付が切れる人の数を把握するだけで、失業者支援の緊急対策としては不十分なものである。

45歳未満の失業給付の受給期間は、被保険者期間が5年未満なら失業理由に関係なく90日であり、今年3月末の雇用保険法改正で給付を60日延長できるようになったが、「非正規切り」に遭った労働者が90日の受給後に60日延長されたとしても、最悪の雇用情勢のもとでは“焼け石に水”である。仕事を見つけられないまま失業給付切れに陥る人が、今後も続出するおそれがある中で、雇用保険法第27条が定めている全国的な給付日数の延長を直ちに発動するなど、失業者支援の緊急対策が求められている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 失業給付の期限切れに対し、全国延長給付を直ちに発動すること。
  2. 求職活動中で生活に困窮しているすべての失業者に生活と住居の支援を行うよう制度の抜本的拡充を図ること。

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