後期高齢者医療広域連合議会 7月臨時会 7月10日
田口 かずと議員

議案質疑・承認第2号「後期高齢者医療に関する条例の一部改正の専決処分」ついて

小手先の軽減より、廃止すべき制度
きちんと国に意見を上げよ

8.5割軽減は、来年3月までの暫定的な措置か

【田口議員】
承認第2号について質問します。本件は、政府・与党による保険料のさらなる見直しを踏まえて、均等割額の7割軽減の対象者について、8.5割軽減とする措置を21年度も実施するというものであります。

今年2月の定例会において私は、21年度の保険料軽減対策について質問しました。その中で、20年度の保険料は、均等割の7割軽減世帯の場合、すべての方が8.5割軽減となっていましたが、21年度以降は、9割軽減の対象者が、75歳以上の人全員が年金収入80万円以下の場合に限定されるために、9割軽減の対象から外れて7割軽減に戻ってしまう、つまり20年度と比べて保険料負担が増加する人が少なからず生まれるという問題点についてただしました。そして、さらなる見直しを国に要望するよう求めたのであります。しかしながら、事務局長の答弁は、問題が生じるが、「やむを得ない」というものであり、連合長の答弁は、「国への要望は考えていない」というつれない答弁でした。

ところが、保険料の負担増にたいする批判の声が、全国的に広がったのでありましょう。今回、さらなる見直しが図られ、見直しされなければ昨年度と比べて負担が増加する人たちの保険料が、8.5割軽減のまま据え置かれることは、喜ばしいことであります。

その上で連合長にお尋ねします。

被保険者全員が年金収入80万円以下の世帯を対象とする均等割の9割軽減は、21年度以降の恒久的な措置であり、一方、年金収入が80万円を超える被保険者のいる世帯を対象とする8.5割軽減は、来年3月までの暫定的な措置という理解でよいか、確認させていただきます。

今年度限りの措置(連合長)

【連合長】
平成21年度の軽減措置につきましては、政府・与党の「高齢者医療制度の見直しに関する基本的考え方」を踏まえて、国の平成21年度補正予算において、財源措置が講じられたもので、今年度限りの措置とされているところでございます。

来年4月に75,100人、約11%の人が負担増になってもいいのか

【田口議員】
今回の軽減措置は、8.5割軽減を7割軽減に戻すという保険料の負担増を1年間先送りしたものにすぎません。

来年4月には今回の軽減措置が打ち切られ、75,100人、約11%の人たちの保険料負担が増加することについて、「やむを得ない」とお考えですか。それとも、国にたいしてさらなる見直しを求める考えはありませんか。答弁を求めて、第1回目の質問を終わります。

全国後期高齢者医療広域連合協議会として国の社会保障審議会医療保険部会に参画し、見直し等の意見を上げたい(連合長)

【連合長】
来年以降の対応に関してでありますが、保険料の軽減に関しましては、保険料の均等割7割軽減・5割軽減・2割軽減及び所得割の5割軽減等に加え、本年度は新たに均等割9割軽減が実施されるなど、恒久措置として軽減割合の拡大がなされたところでございます。

その上で、今般国において更なる財源措置が行われたことから、平成20年度に引き続き本年度も7割軽減対象者に対し8割5分軽減を実施するものでありますので、ご理解をお願いしたいと存じます。

なお、国に対する更なる見直し要望につきましては、本年6月3日に全国の広域連合で組織する全国後期高齢者医療広域連合協議会が結成され、会長が国の社会保障審議会医療保険部会に参画することとなりましたので、今後この全国協議会を活用いたしまして、見直し等ご意見を申し上げてまいりたいと考えているところでございます。

小手先の見直しでは問題解決はしない。廃止すべきだが、せめて低所得者からは保険料を徴収しないなどの新たな保険料減免制度を創設すべき(要望)

【田口議員】
今回の軽減措置は、喜ばしいことではありますが、今年度限りであり、来年度には負担が増える人が少なくありません。しかも、来年度は2年ごとの保険料改定の年に当たりますので、これによる保険料値上げも予想されます。

国にたいしてさらなる見直しを要望することが必要だと考えますが、連合長は、新たに結成された広域連合の全国協議会を活用して、見直しなど意見を申し上げていくと答弁されました。「国への要望は考えていない」という前回の答弁からは前進したと思います。

問題は、どのような見直しを求めていくのかということです。政府・与党のこの間の見直しは、ほころびをツギハギしたら、また新たなほころびができるというものであり、小手先の見直しでは、問題は解決しないと思います。私は、高齢者を年齢で差別する後期高齢者医療制度は廃止すべきであると考えていますが、制度が存続しているもとでは、低所得者からは保険料を徴収しないなど、新たな保険料減免制度を創設すべきであり、このことを国に求めるよう要望させていただいて、質問を終わります。

 

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