2009年2月定例会 個人質問 うめはら紀美子議員(3月6日)

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介護保険について


うめはら議員

介護認定のシステム変更で「全介助」が「自立」に

【梅原議員】
介護保険事業が始まって、10年になります。この間、介護報酬は2度にわたり4.7%も引き下げられ、介護給付の抑制がすすめられてきました。施設給付では、食費・住居費が給付対象から外されました。在宅でも、ベッドや車いすの貸出なども抑えられるなど今でも十分な介護が受けられなくなっています。

そのうえ、4月からの介護認定システムの変更について、大きな不安の声が上がっています。今回の変更は介護認定のための基本調査項目を82項目から74項目へ削り調査項目も大きく変更されます。

新しい基準をあてはめたモデル事業では、例えば「食事摂取」の項目では、食べ物が口にできず経管栄養を受けている人の場合、食事の介助が発生しないとして全介助から「自立」になる恐れがあります。

介護を要する身体状態は全く変わっていないのに新たな認定システムで介護度が下がり、これまでの介護が受けられなくなるケースが多発する恐れがあります。介護関係者からもシステム変更の延期・凍結を求める声が上がっています。

名古屋市はこの介護認定のシステム変更をどう評価しているのですか。必要な介護が削られないように手立てを取るべきです。健康福祉局長、お答えください。

介護の状況をより反映したシステムの見直しがされた(局長)

【健康福祉局長】
今回の見直しは「調査項目によっては、調査員の『主観』が入る余地があること」や「調査項目が煩雑であること」等の課題を改善することを目的として実施され、国は、その正確性を確認するため、昨年10月、全市町村を対象としたモデル事業を行った。その結果、中には介護度が上がる、下がるという変更も見られたが、その後、専門家による検討会が重ねられ、最終的に新しい方式が決定された。「介護の状況をより反映した」システムの見直しがされた。

しかし、今回の認定システムの見直しに不安の声が出ていることも承知している。4月以降、新しい方式による認定状況について、慎重に検証を行い、その上で、問題がある場合には国に対し改善の申し入れを行いたい。

3%の改定では処遇改善につながらない

【梅原議員】
介護職員の人手不足は深刻です。今回の3%のプラス改定では処遇改善につながらないというのが現場の声です。私は、いくつかの施設でお話をお聞きしました。通所リハビリ施設では、「今回の改定は報酬の基本部分がほとんどあがっていない。介護福祉士を40%以上配置する、3年以上勤続者を30%以上配置するなどの条件をクリアしないと加算されず、うちの施設では収入が増えません」。老人保健施設でも、「夜間体制が20人に1人の体制で加算、介護福祉士は50%以上で加算などいろいろ計算してみたが、介護の充実のために今までも大目に職員を配置しており、加算分を給与の引き上げに回すのが難しい」とのことでした。デイサービスでは、「単価が下がり、むしろ減収になります」というところすらあります。特別養護老人ホームでは、「夜勤手当の3万2千円を入れても、手取りは15万円から20万円にしかならないのが現実です。3%の報酬引き上げでは2万円の賃上げは無理でしょう」と嘆いていました。

名古屋市は福祉・介護人材確保支援事業に5,400万円を新たに計上しました。一歩前進ですが、職員研修に対しての助成が中心で、処遇改善に結び付くのは難しいと思います。そこでお聞きします。健康福祉局長は、介護職員のこのような低賃金状態をどう認識しているのですか。処遇改善のためには、介護保険の財源の多くを高齢者の保険料に依存するのではなく、国にしっかりと負担を求めることが必要です。名古屋市として、どのような手立てを講じるおつもりでしょうか。お答えください。

処遇改善にどう反映されたかを確認したい(局長)

【健康福祉局長】
介護職員の処遇改善を図ることは、介護保険制度が将来にわたって安定的に運営されるために大変重要です。介護職員の賃金は、国の調査によると、勤続年数等の条件が異なり、正確な比較はできませんが、他の職種と比べ、女性の月額で4万円ほど低いという結果が出ています。そのため、本市では国に対し、処遇改善を目的とした介護報酬の改定を要望してきた。その結果、本年4月から介護報酬が3%引き上げられることになり、これにより、一定の処遇改善が図られると考えている。

市では、事業者が行う人材育成や職員定着事業への支援等に取り組むとともに、今回の報酬引き上げが介護職員の処遇改善にどのように反映されたかを、今後、確認したい。その上で、必要な事項があれば、国へ要望したい。

独自施策の実施もやれ(要望)

【梅原議員】
報酬が3%引き上げられたら一定の処遇改善になると考えるといわれました。私の調べでは、処遇改善につながらない恐れが強いのです。国にさらなる引き上げを要望することも大切ですが、例えば、東京都千代田区では昨年4月から介護職員の住宅手当費用の支援を独自に行っています。ぜひ、名古屋市も直接処遇改善につながる独自施策を実施するように求めます。

文化振興施策について

文化団体への活動助成の拡充を

【梅原議員】
2001年に公布されました文化振興基本法には、文化芸術を創造し享受することが、生まれながらの権利であると記されております。名古屋市でも文化振興計画の策定にむけて「文化振興に関する有識者懇談会」が設置されましたが,本市の文化予算はどうなっているでしょうか。

まず文化団体への活動助成についてです。地元文化団体は、営利目的ではないので助成金がたよりです。芸術文化団体への活動助成額は、10年前の予算額は4,345万円でしたが、新年度予算では1,512万円と34%まで大きく削減されてしまいました。助成が受けられる期間も以前は制限がなかったものが、99年に10年間で打ち切られるように変更され、さらに5年間に改悪され、5年以上続けている団体は助成が受けられなくなりました。

ある劇団の方にお聞きました。文化小劇場で2日間公演をしようとすれば、舞台稽古を入れて3日はどうしても必要です。会場費と付属設備、照明、効果、衣装、舞台装置、印刷をあわせると300万円近い支出になります。入場料を2000円とってもやりくりがつかず、70万から80万円の赤字になってしまうということです。

文化活動への助成がなければ、名古屋市に文化は育たなくなってしまいます。名古屋市は本丸御殿の再建をして文化を継承すると言われます。一方で、文化活動についてはこんなに冷たくてよいのでしょうか。いま名古屋市民が求める文化への期待は、本丸御殿だけではなく文化に触れて感動する機会があることです。そのためには文化団体が活動できることが第一です。文化団体への助成金は必要であるという認識はおありでしょうか。文化団体への助成金の拡充を求めるものです。市民経済局長お答えください。

文化団体の意見も伺いながら、より効果的な施策に努める(局長)

【市民経済局長】
市民の多彩な芸術文化活動を支えていくことは、豊かな市民生活を育み、都市の魅力と活力を高めていくうえで大変重要です。これまでも、限られた財源の中で、文化団体の活動助成や市民芸術祭の開催などを通じて、市民の文化活動を支援してきたほか、様々な文化交流活動の推進を通じて、新たな文化の魅力づくりに努めてきた。

芸術文化団体は、様々な創造活動を通じて、市の文化振興に貢献していただいており、芸術文化活動、とりわけ、バレエや演劇などの舞台芸術には、多額の経費を要することは承知している。芸術文化団体への活動助成は、団体の活動の展開に応じ、創立後間もない団体が実施する事業のほか、団体創立20年以上を記念して行う事業や、海外の公的機関から招へいを受けて実施する海外公演など、活動の展開に応じて有効に活用していただくことで、引き続き、多様な芸術文化活動を支えていきたい。

今後とも、芸術文化団体の意見等もよく伺いながら、より効果的な文化振興施策となるように努めたい。

文化小劇場の改修をきちんとやれ

【梅原議員】
市民の運動がきっかけとなり建設された文化小劇場も、古いところは20年近くが経過し、昨年、中村文化小劇場などで漏水事故が起こりました。通常は10年に一度行われる防水工事が一度も行われていなかったのです。図書館などと合築の施設であり、本格的な防水工事費用を計上しないできたからです。近頃、名古屋市はアセットマネージメントを主張し、長く大切に使えることをいっています。長く使用するためには、施設の維持管理を定期的に行うことは必須です。

また、照明器具をはじめとした設備更新の予算を組んでこなかったことは問題です。器具が古いため部品の交換もままならない状態です。文化小劇場の維持管理や計画的な改修、また設備更新の予算をしっかりと計上すべきと考えますが、局長、お答え下さい。

計画的な改修や設備更新に努める(局長)

【市民経済局長】
建設後の経年劣化による施設・設備の破損や故障、あるいは突発的に発生する破損や故障について、緊急性や重要度を勘案し、対応しています。中村文化小劇場の屋根は、現在、破損の著しい箇所から順次、防水補修工事を行っています。文化小劇場の修繕費は、平成21年度は全館あわせて5,500万円余を予定しており、必要な修繕に対応する予定です。

厳しい財政状況ですが、文化小劇場が市民にとって、身近で親しみやすい施設となるとともに、安心・安全に利用できるよう、今後も計画的な改修や設備更新に努めます。

旧イタリア村を芸術活動の拠点として活用を

【梅原議員】
「新基本計画2010」は、市民芸術村構想を掲げています。その一環として名古屋港にある倉庫が、1999年から2003年まで「アートポート事業」として若手芸術家の発表の場となっていました。しかし、2003年突然事業中止の方針が出されました。私は、事業の継続を求めて2003年11月議会で質問しました。後になってわかったことですが、商業施設のイタリア村が強引に進出してきたことが中止の理由でした。そのイタリア村は破たんし、木造の違法建築物は撤去されましたが、倉庫はまだ残っています。この倉庫などを活用し芸術活動の場にしてはどうでしょうか。

イタリア村が破たんしたところは、もともと芸術村構想のあったところです。車での駐車もでき夜遅くまで活動できます。広いスペースがとれますので現代美術だけでなく音楽、ダンス、パフォーマンスなど様々な分野の芸術家が活動しお互いの交流ができます。中村区の演劇練習館アクテノンは夜12時まで利用でき市民から好評を得ていますが、このような場所にできないでしょうか。

市民や専門家や地域の方の参加を得て、この地を、アクテノンのように芸術の活動拠点に再生することを提案します。名古屋港管理組合と協議を行っていただきたいと考えますがいかがでしょうか、市長にお聞きします。

拠点は大事であり、意見を伺いながら、場所も含め検討を進めたい(局長)

【市長】
創造的な文化芸術活動を行うための拠点づくりは、文化芸術の振興のみならず、都市の活力と魅力を向上させる上で、大変重要です。本市は、名古屋港管理組合等と連携して、平成11年度から名古屋港ガーデンふ頭東地区の倉庫群を、オープンスタジオや芸術倉庫として暫定的に提供するアートポート事業を行い、多彩な公演や実験を支援してきた。しかし、老朽化が進んだ倉庫を永続的に活用するためには、改修・耐震補強工事が必要であり、また、多額の工事費も見込まれたため、平成15年度を最後に、アートボート事業を終了した。

本市の文化振興をはかるうえで、特に、若手アーティストが、創造的な活動を行うための拠点というものは、大変大事です。今後、幅広い市民の意見を伺いながら、場所の問題も含め、引き続き、検討を進めたい。

5年で打ち切る助成の改善を(要望)

【梅原議員】
文化団体への活動助成については、「芸術文化団体の意見を伺うと答弁されました。劇団関係者はじめ文化団体の方々の一番の要望は、助成が5年で打ち切られるのを改善してほしいということです。この点を改善されることを強く要望しておきます。

母子生活支援施設・五条荘の指定管理者制度導入はやめよ

【梅原議員】
このたび名古屋市は配偶者暴力防止及び被害者支援基本計画を策定し、DV被害者への支援を強化していくとしました。独自にシェルターを持たない名古屋市では、市直営の母子生活支援施設である五条荘がDV支援のセーフティーネットとして重要な役割を果たしています。ここでは、DVの母子の受け入れ、日常的な相談、DV加害者からの避難,法律相談と裁判所への同行支援、離婚手続き支援など様々な支援を行っています。母子が退所してからも、自立した生活のための相談に乗っており、DV被害者への切れ目のない援助体制づくりが行われています。

ところが、今議会で五条荘に指定管理者制度の導入が提案されています。指定管理者制度となればこれまで支援に携わった市の職員がすべて入れ替わり、五条荘が積み上げてきた実績が引き継がれなくなります。施設を退所したお母さんが中心になって守る会が作られ、5500名の請願が出されています。

この間、名古屋市は区の女性相談員の配置、配暴センターの設置などDVの福祉的施策を進めてきました。DV被害者の福祉的支援で最も実績と経験があるのは、この五条荘と職員です。この貴重な蓄積を指定管理者制度にして手放してしまうことは本市のDV支援事業にとってはマイナスになると思いますが、局長はどう思われるのかお聞きします。

移行準備に万全を期す(局長)

【子ども青少年局長】
母子生活支援施設は、配偶者のない女性などと、その子どもを受け入れて、自立促進のための支援を行うことを目的とする施設であり、入所者の6割がDV被害者です。市には、五条荘を含め2つの公立施設と1つの民間施設があり、すでに指定管理者制度を導入している「にじが丘荘」においても、退所者に対する支援を含め、DV被害者に対する相談対応は十分に行われているので、五条荘に指定管理者制度を導入しても、DV被害者への支援に十分対応できる。

平成22年度からの指定管理者制度への移行に向けて、指定管理者の選定において、DV被害者支援に対する取り組みや職員配置についても反映できるよう努めるとともに、入所者の方に不安を与えないよう、業務の引継など移行準備に万全を期したい。

DV被害者への支援は、一施設・機関のみで行うものではなく、配偶者暴力相談支援センターや各区社会福祉事務所を始めとして、多くの関係機関、施設、団体が連携して行っていくことが重要であり、今後とも、五条荘を含め、一層の運携を図りたい。

指定管理者制度がDV施策の充実につながるか(再質問)

【梅原議員】
答弁ではにじが丘荘でも指定管理者制度を導入しているから大丈夫だといいますが、もともと受託していた民間団体を指定したにじが丘荘と直営をやめて指定管理者制度にする五条荘と話は全然違います。しかも4年ごとに指定を受けなければならず継続的な支援が保障されません。

そもそも今回の指定管理者制度導入は、行政評価委員会で指定管理者や民営化を検討するようにと言われてやったことではないでしょうか。行政評価は、財政的視点からの一面的指摘であり、それぞれの施設の役割や特徴を理解しているとは思えません。

DV支援は、「一施設・機関で行うものではなく多くの関係機関、施設、団体が連携して行うことが重要である」と答弁されましたが、それなら、五条荘を直営のまま残し、市職員の経験を継承発展させるべきではないでしょうか。

局長は五条荘を指定管理者制度にすることが本当にDV施策の充実につながると考えているのですか。もう一度お答えください。

関係機関等の連携をいっそう進め、支援の充実に努める(局長)

【子ども青少年局長】
五条荘の指定管理者制度の導入は、にじが丘荘においても実際に行われているので可能だと考えています。DV被害者への支援は、一つの施設、一つの機関のみで行うものではなく、今後も関係機関等の連携をいっそう進めることにより支援の充実に努めたい。指定管理者の導入にあたっては利用者へ影響がないよう十分配慮をしたい。

指定管理者制度の撤回を(意見)

【梅原議員】
五条荘への指定管理者制度を撤回することを強く求めて質問を終わります。

 

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