意見書・決議(3月19日)

日本共産党をはじめ各会派から提案された12件の意見書案について議会運営委員会理事会で協議が行われ、緊急雇用対策に関する意見書は各会派から出された5案件を1本化して2月25日に可決。その他6件も必要な修正のうえ、3月19日に議決しました。日本共産党の提案した2案件のうち1件が上程できませんでした。

意見書案に対する各会派の態度(議会運営委員会に提出された意見書案)
意見書案 原案
提出
結果 各会派の態度
共産 民主 自民 公明 名自
緊急雇用対策の強化に関する意見書(案) 民主 可決 一本化
生活保護制度に関する意見書(案) 民主 可決
非正規雇用者等に対する緊急支援に関する意見書(案) 自民 可決 一本化
地震防災対策の充実に関する意見書(案) 自民 可決
固定資産税等の優先徴収制度の創設に関する意見書(案) 自民 可決
非正規雇用者等への支援に関する意見書(案) 公明 可決 一本化
日本版グリーン・ニューディール政策に関する意見書(案) 公明 可決
配偶者からの暴力による被害者支援の充実に関する意見書(案) 公明 可決 修正
緊急雇用対策の実施に関する意見書(案) 新自 可決 一本化
障害者自立支援法の抜本的な見直しに関する意見書(案) 新自 可決 修正  
失業者への支援と雇用確保に関する意見書(案) 共産 可決 一本化
保育制度に関する意見書(案) 共産 否決

結果が「可決」となっている、セルの背景が黄色いものは可決された意見書。

議運に提案された段階での態度 ○=賛成 ●=反対 △=保留
●が1つでもあれば議案として本会議に上程されません。
共:日本共産党 民:民主党 自:自民党 公:公明党 名:名古屋市会自民党

▲このページの先頭へ戻る

《採択された意見書》

緊急雇用対策の強化に関する意見書

世界的な金融危機に端を発した不況の影響で、我が国の雇用情勢は急速に悪化し、製造業を中心に派遣労働者などの非正規雇用者等の解雇・雇い止めが大変な勢いで進み、国民の間に生活に対する不安感が高まっている。

このような中、本市を初めとする各地方自治体は、緊急対策の一環として、臨時職員の募集や公営住宅への一時入居などに取り組んでいるところである。

しかしながら、先行きの見通しが立たず、また緊急事業に要する財政負担も大きく、加えて今後3月末に向けて、さらなる失職者が生まれると言われていることから、国及び県において抜本的な対策を講ずることが強く求められている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府並びに愛知県に対し、早急に次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 仕事と住まいのない非正規雇用者等に対し、当面の生活支援や住まいの確保など、生活の安定につながる即効性のある施策を強力に推進すること。
  2. 雇用保険の適用対象者の拡大や失業給付の受給資格要件の緩和等を行うほか、企業等を含めた総合的な解決策を講ずるなど、雇用のセーフティーネットを強化すること。
  3. 労働者派遣法の改正を行い、労働者の権利を守る法整備を行うなど、雇用全般のあり方について緊急に対応すること。
  4. 職業訓練等により介護や新エネルギー分野などを含め、失業者に対する就労支援等を行い、自立を促す施策を充実すること。また、一人親世帯者や高齢者など、就労が困難な状況にある者に特段の配慮をもって就労支援等を行うこと。
  5. 緊急宿泊援護事業など、非正規雇用者等に対して地方自治体が特別に実施した支援策について、必要な財政措置を行うこと。
  6. 従来の産業雇用対策推進本部にかわる実効性ある組織を立ち上げ、将来を見据えた抜本的な支援策及び解決策を講ずること。
  7. 借り上げ方式を含め、三河地区に自立支援センターやシェルター等を早急に設置し、生活支援と雇用確保を進めるとともに、「非正規労働者等緊急相談窓口」など各種施策の積極的なPRに努めること。
  8. 派遣労働者や期間従業員の雇い止め等の防止に向け、労働条件などの雇用問題に関する相談窓口の拡充を図ること。

▲このページの先頭へ戻る

生活保護制度に関する意見書

生活保護制度は、社会保障制度における最後のセーフティーネットとして、国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障する重要な役割を担っている。

しかしながら、高齢化の進展に伴い、高齢者世帯等に対する生活保護費が増加していることに加え、経済・雇用情勢が急速に悪化する中で、本市においても生活保護世帯数が増加しており、制度の円滑な実施のためには、増加する地方自治体の財政負担に対する国によるさらなる財政支援が必要不可欠である。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、生活保護制度の円滑な実施に必要な財政措置の拡充を早急に講ずるよう強く要望する。

▲このページの先頭へ戻る

地震防災対策の充実に関する意見書

東海地震の発生が懸念される中、本市では、地震防災対策の推進に全力で取り組んでいるところである。

しかしながら、地震防災対策強化地球における特例措置を定めた「地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」(地震財特法)は、平成21年度末でその効力を失うこととなっており、限られた期間内に緊急に整備すべき事業から順次実施している本市においては、今後実施すべき事業が数多く残されている。

また、現在の厳しい財政状況のもと、消防用施設等の整備をより一層迅速に推進するためには、国による支援が必要不可欠である。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、東海地震による災害から地域住民の生命と財産の安全を確保するため、地震財特法を延長するよう強く要望する。

▲このページの先頭へ戻る

固定資産税等の優先徴収制度の創設に関する意見書

固定資産の所有者に課税される固定資産税・都市計画税は、課税対象不動産について不動産の価格を上回る抵当権等が設定されているケースが多く、納税よりも抵当権者等への返済が優先されることが多いため、固定資産税・都市計画税の滞納が累増している。

現行制度においては、新たに課税される固定資産税・都市計画税は、常に課税対象不動産に設定された抵当権等に劣後することから、当該不動産について滞納処分を進めることができず、また、競売等の強制換価手続からも徴収することができない状況にある。

適法に課税された固定資産税・都市計画税が制度上徴収できないことは、税負担の公平性上の問題があるのみならず、市町村の基幹税目の安定確保の観点からも著しく不合理であるため、制度の早急な改善が必要である。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、固定資産税・都市計画税について、滞納処分による差し押さえや競売等の強制換価手続が開始された場合に、手続開始後の固定資産税・都市計画税をその換価代金から優先的に徴収する制度を創設するよう強く要望する。

▲このページの先頭へ戻る

日本版グリーン・ニューディール政策に関する意見書

世界的な経済不況を克服するため環境・エネルギー対策を景気・雇用対策の柱と位置づけた、いわゆるグリーン・ニューディール政策が多くの国で検討されている。

こうした中、国は、我が国が強みを持つ環境・エネルギー技術には新たな需要と雇用を生む力があるとして日本版グリーン・ニューディール政策の立案に向けた作業を開始し、その素案である「緑の経済と社会の変革」を作成した。今後は、国民の意見を踏まえた日本版グリ−ン・ニューディール政策を早期に策定した上で、我が国が諸外国に先駆けて不況を克服し、低炭素・循環型・自然共生社会のモデルとなるような持続可能な社会を構築することが求められている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 日本版グリーン・ニューディール政策を早期に実現すること。
  2. 地方公共団体が策定した地球温暖化防止尭行計画に沿った事業を支援すること。
  3. 太陽光発電を初めとした環境・エネルギー技術の開発を支援するとともに、普及に向けたより一層の支援策を講ずること。
  4. 電気自動車など次世代エコカーの開発や普及促進を支援するとともに、省エネ家電などの普及促進を支援すること。
  5. 企業の環境投資に対する無利子融資制度を創設すること。

▲このページの先頭へ戻る

配偶者からの暴力による被害者支援の充実に関する意見書

配偶者からの暴力(DV)による被害が後を絶たない状況の中、深刻な人権侵害であるDVの防止対策は重要であり、その充実・強化は喫緊の課題である。

国は、配偶者暴力防止法に関する基本方針の中で、市町村の基本的役割として、相談窓口の設置、緊急時における安全の確保、地域における継続的な自立支援などを行うこととしたものの、市町村への財政支援については、婦人相談員の設置に対する補助のほかに措置されておらず、その充実が求められている。

また、加害者である配偶者から逃げてきた母と子の場合、生活実態としては母子家庭と同様にもかかわらず、離婚が成立していないため、児童扶養手当等の母子家庭支援施策は、父から1年以上の遺棄の状態となって初めて支援の対象となるなど、制度の改善が求められている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、DV被害者支援の一層の推進を図るため、次の事項の実現を強く要望する。

  1. 配偶者暴力相談支援センターの設置や緊急保護等、市町村が行うDV被害者支援の取り組みに対する財政支援を講ずること。
  2. DV被害者である母と子の世帯も、DV被害を要件として、児童扶養手当、母子福祉資金等の母子家庭支援施策の対象とすること。

▲このページの先頭へ戻る

障害者自立支援法の抜本的な見直しに関する意見書

平成18年に導入された障害者自立支援法は、障害者が地域で安心して暮らせる社会の実現を目的として、3障害の一元化や就労支援の強化などが行われた一方、利用者負担のあり方や制度の導入により大幅な減収となった事業者に対する経営基盤の強化などの課題も指摘されている。

国は、これまでにも利用者負担の軽減などの激変緩和措置を講じてきたところであるが、障害者の自立支援に向けたより良い制度とするためには、法施行後3年の見直しに当たり制度の抜本的な改善を行い、障害者支援施策のさらなる充実を図ることが必要である。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、応益負担の仕組みを初め、障害程度区分の判定方法や施設等に対する障害福祉サービス費用のあり方などについて、同法の抜本的な見直しを講ずるよう強く要望する。

▲このページの先頭へ戻る

《日本共産党が提案したものの、採択されなかった意見書》

輸入食品の検査体制の抜本的強化に関する意見書(案)

中国製ギョーザによる薬物中毒事件が発覚し、輸入食品に対する国民の不安が広がっている。今回の事件は、被害者が重体の状況に置かれているだけでなく、被害を申告する人が全国に広がり、近年まれに見る輸入食品を起因とする全国的な薬物中毒事件となっている。それだけに、この事件に対する徹底的な原因の究明と被害者救済、事件を防ぎ得なかった行政上の不備の解明とそれに基づく食の安全・安心体制の再確立が必要である。

今回の事件は、国民に食の安全に対するショックを与えたが、その背景には、日本の食料自給率が 39%と、6割以上の食料を輸入に依存している一方、食品衛生法に基づく国の輸入食品の検査率が1割という輸入食品検査体制の貧弱さがある。今回のような輸入加工食品についても、残留農薬基準が適用されるにもかかわらず、残留農薬の検査が全くなされていなかった。国民の食の安心・安全に対する信頼を回復するには、輸入食品の検査体制を抜本的に強化することが求められている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、輸入食品の検査体制を抜本的に強化し、食の安心・安全を確保するために、次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 中国製ギョーザ薬物中毒事件において被害の拡大を防ぎ得なかった行政上の不備を徹底的に解明するとともに、食品安全監視体制を再確立すること。
  2. 食品衛生監視員を増員し、輸入食品の検査率を現在の1割から5割以上に引き上げること。
  3. 輸入加工食品についても、残留農薬検査を実施すること。

▲このページの先頭へ戻る

都市再生機構の賃貸住宅居住者の居住の安定に関する意見書(案)

昨年12月24日に閣議決定された「独立行政法人整理合理化計画」を踏まえて、独立行政法大都市再生機構は同月26日、「UR賃貸住宅ストック再生・再編方針」を発表した。同方針では、現在の77万戸の賃貸住宅について、平成30年度までに約10万戸の再編に着手し、約5万戸を削減することを目標に、団地ごとの再生・活用方針の類型(案)が示された。この中で本市内にある都市再生機構の賃貸住宅では、土地所有者等への譲渡・返還等の対象となる住宅が33団地、建替事業等の団地再生を行う住宅が3団地、都市再生機構の賃貸住宅以外の用途に転換する住宅が1団地となっており、再編対象とされた住宅の居住者の中では、居住の安定が脅かされるのではないかとの不安が広がっている。

居住者の高齢化が進み、公営住宅階層の割合が高くなっている都市再生機構の賃貸住宅には、国民の住宅に関するセーフティーネットとしての役割があり、良好なまちづくりを推進することが期待されている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、都市再生機構の賃貸住宅居住者の居住の安定を図るために、次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 団地ごとの再生・活用方針については、居住者の意見に十分配慮すること。
  2. 建てかえに当たっては、居住者の同意のない移転や団地の売却を行わず、継続居住を保障し、コミュニティナの維持に努めること。
  3. 独立行政法大都市再生機構法附帯決議を初めとする国会諸決議を守り、その実現に努めること。

▲このページの先頭へ戻る

道路特定財源の見直しに関する意見書(案)

ガソリン税等の道路特定財源の見直しが、開会中の通常国会の焦点の一つになっているが、政府は、ガソリン税等の本則税率に上乗せした暫定税率を10年間延長し、「道路中期計画」を策定して総額59兆円もの道路整備を進めようとしている。

「道路中期計画」には、生活道路関連も盛り込まれているが、「国際競争力の確保」のための「基幹ネットワークの整備」として高規格道路や物流関係の大型道路建設が約4割を占めている。同計画は、国民生活に必要な道路建設の予算を積み上げるのではなく、まず59兆円を確保し、それを使い切るというものである。

ガソリン税等の暫定税率は、むだな道路をつくることを加速する役割を果たしている。暫定税率を廃止し、道路特定財源を一般財源化しても、「道路中期計画」を撤回してむだな高規格道路計画を中止すれば、真に必要な地方の道路整備を進めることは可能である。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、道路特定財源の見直しに関して、次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 道路特定財源は一般財源化し、道路だけでなく、福祉や教育、暮らしにも使えるようにするとともに、「道路中期計画」を撤回すること。
  2. ガソリン税等の道路特定財源に係る暫定税率を廃止すること。
  3. 二酸化炭素の排出量を考慮した環境税を導入すること。

▲このページの先頭へ戻る

保育制度に関する意見書(案)

女性の社会進出の拡大等を背景に、今後の保育需要は増大が見込まれており、本市においても多くの保育所入所待機児童が存在するなど保育所不足は深刻である。こうした中、厚生労働省社会保障審議会少子化対策特別部会は、昨年12月、保育所と保護者との直接契約制度の導入や施設最低基準の緩和を柱とする「新たな保育の仕組み」をめざす第一次報告の案を発表した。

現在の保育制度は、児童福祉法によって、市町村に保育の実施が義務づけられており、保育料は保護者の収入に応じて決められ市町村が徴収している。また、施設の面積や職員数などは国の最低基準によって一定の水準が保障されている。今回、社会保障審議会少子化対策特別部会が明らかにした「新たな保育の仕組み」は、こうした国と自治体が実施責任をもつ公的保育制度を、根幹からくずすことになりかねない。

公的保育制度に支えられた本市の保育は、公立保育所と民間保育所の共同の努力によって高い水準の保育サービスを提供してきた。公的保育制度を堅持し、国が必要な財源を保障してこそ、待機児童を解消して安心して子どもを預けられる保育サービスを実施することができる。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、保育所への直接契約方式の導入を行わず、現行保育制度の堅持・拡充と必要な財源保障を行うよう強く要望する。

▲このページの先頭へ戻る