請願・陳情(11月議会に受理されたもの)

11月定例会には下記の請願・陳情が受理されました。審議は12〜2月の閉会中委員会で行われます。

◆請願

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成20年
第20号
平成20年
11月11日
守山養護学校への看護師配置を求める請願 名古屋市立守山養護学校父母の会(5,032名) 小川としゆき(民主)

 現在、守山養護学校には、気管切開後の気管カニューレの装着に伴うたんの吸引・気管切開部の管理等の医療行為を必要とする生徒が在籍している。関係者の間では、これらの医療行為を治療行為と区別して、医療的な生活援助行為、医療的ケアと呼ぶことが定着している。
 この医療的ケアは医療行為であるという理由で、医師・看護師・保護者以外の者が施すことには医師法第17条違反の疑義があるとされてきた。守山養護学校でも、教員が医療的ケアを行うことが許可されていないためこ、現在中学部2年の女子生徒への医療的ケアは、2001年の小学部入学以来、生徒の保護者により行われている。医療的ケアは、通常の授業中に加え、水泳指導中、校外学習・野外学習・修学旅行先でも行わなければならず、そのすべてを保護者負担に頼っているのが現状である。
 2004年10月、厚生労働省医政局長の通知を受けた文部科学省は、各都道府県・指定都市の教育長等iこ対して、「看護師の適正な配置など医療安全の確保が確実になるような一定の条件が示されるとともに、当該条件が満たされれば、教員によるたんの吸引等を盲・聾・養護学校全体に許容することはやむを得ない」という通知を発出した。既に、国の対応では、看護師による医療的ケアにとどまらず、条件が満たされれば教員による医療的ケアも可能であるとされている。また、各自治体でも、医療的ケアを必要とする児童生徒のための施策が実施されてきている。
 2007年4月、特殊教育は特別支援教育へと変わった。保護者・教職員のみならず、地域の方々にも、一人一人のニーズに応える特別な支援が行われることを求める声が広がっている。保護者負担を解消するために、早急な看護師の配置を求める。
 ついては、次の事項の実現をお顧いする。

  1. 守山養護学校に看護師を配置すること。
  2. 現在行われている保護者負担の軽減を図ること。

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請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成20年
第21号
平成20年
11月21日
障害児保育の充実を求める請願 名古屋市公立保育園父母の会 うめはら紀美子 わしの恵子 さとう典生 江上博之 山口きよあき くれまつ順子 かとう典子 田口かずと(以上共産) とみた勝ぞう(社民) のりたけ勅仁(民ク)

 1974年に公立保育所における障害児保育が制度化されて以来、保育所への入所を希望する障害児は増え続けている。2008年4月1日現在、123の公立保育所中121の保育所で413名、159の民間保育所中104の保育所で316名の障害児が入所している。現状では、公立保育所では、ほとんどすべての保育所で3歳児以上の障害児を受け入れ、統合保育が実施されているのに対し、民間保育所では、実施されている保育所が限られており、受入れ体制は十分とはいえない。
 近年、乳児期から保育所に通っていて障害を認定される入所児童の数が年々増加する傾向にある。発達障害の早期発見・早期診断の必要性が叫ばれるようになったため、3歳児未満で発達障害と診断される場合も少なくない。幼児期の発達障害の子どもたちは、極端に注意を維持できる時間が短く、しばしば多動で、言葉の理解が困難であるなどの特徴を持っているため、より多くの介助が必要となる。しかし、名古屋市では、統合保育の対象は3歳児からという制度的な制約があるため、3歳児未満の障害児の場合、保育補助がない状態で、十分な保育が実施されていない。
 また、保護者の就労時間に合った保育時間の保障が実現しているとはいえず、保育体制が整わないことを理由に、障害児の保育時間が短くなっているのが現実である。
 私たちは、障害を持つ子どもも持たない子どもも共に保育所で生活する仲間として、互いに認め合い、尊重し合って、豊かに成長していくことを切に願っている。
 ついては、市の保育を充実させ、障害児保育をより一層豊かなものにするために、次の事項の実現をお願いする。

  1. 統合保育の対象を拡大し、3歳児未満の障害児であっても、統合保育を受けられるようにすること。
  2. 障害児の保育時間に応じて加配保育士をつけ、保育体制が整わないことを理由に保育時間を制限しないこと。

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請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成20年
第22号
平成20年
12月2日
母子生活支援施設のセーフティーネットとしての必要性を踏まえ、五条荘について平成22年度の指定管理者制度導入の中止を求める請願 母子生活支援施設五条荘を守る会(5,457名) 山口きよあき(共産) 丹羽ひろし(名自)

 母子生活支援施設には、ドメスティック・バイオレンス(DV)、児童虐待、生活困難等のため、心身に傷を受けて不安定な状態の母と子が入所している。心理的ケアを受けながら、それぞれが抱える問題の解決に取り組み、生活を立て直し、母と子の安定した自立を目指している。
 職員は、母と子に寄り添い、日常的な相談、DV加害者からの避難・安全確保の援助、法律相談・裁判所等への同行支援、離婚手続支援、子育てに関する助言・援助、補完保育・学童保育の実施、中高生の抱える問題への対応、退所した利用者の相談等、様々な生活支援・自立支援・子育て支援・アフターケアを行っている。
 DV被害から逃れてくる女性の増加、母子世帯の増加等のため、施設の需要はますます高くなっている。母子生活支援施設の利用の半数近くがDVのための入所であり、五条荘では過半数に及ぶ。
 五条荘は市直営の母子生活支援施設として、母と子の抱える問題が複雑で支援・援助の困難な利用者を受け入れ、セーフティーネットとしての役割を担ってきた。需要の増大により、近年は年間100を超える入所依頼がある。きめ細かい支援で問題解決と心身 の回復を図り、地域社会への自立を促し、それらの入所依頼に応じる努力をしている。
 市は、五条荘について平成22年度から指定管理者制度に移行すると発表した。このような特殊な支援内容の母子生活支援施設で、十分な検討・準備をせず管理・運営形態の変更をすることは、様々な困難を抱える母と子にとって大きな打撃である。五条荘で積み上げた実績が引き継がれなくなったり、質が担保されなくなったりする危険がある。
 既に平成18年度に指定管理者制度を導入しているにじが丘荘の職員からも、期間限定では見通しを持った支援ができないという声が上がっている。
 社会福祉法人全国社会福祉協議会・全国母子生活支援施設協議会は、社会福祉施設、とりわけ母子生活支援施設に指定管理者制度はなじまないとの提言を出している。
 ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 母と子の生活の拠点である母子生活支援施設のセーフティーネットとしての必要性を踏まえて、五条荘について平成22年度に指定管理者制度を導入するという結論を出さないこと。

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請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成20年
第23号
平成20年
12月2日
国民健康保険と高齢者医療の改善を求める請願 名古屋の国保と高齢者医療をよくする市民の会(20,941人) うめはら紀美子 さとう典生 江上博之 山口きよあき くれまつ順子 かとう典子 田口かずと(以上共産)

 市の国民健康保険制度は、市民の願いと運動、市議会と市の努力により、数多くの減免制度と一般会計からの繰入れにより市民の負担軽減を図る、全国でも誇れる優れた制度となっていた。
 しかし、2008年度からは、これまで一般会計で充当してきた保険料の未納分、葬祭費、出産育児一時金の一部等が保険料に上乗せされ、一人当たりの保険料が政令指定都市で一番高い約6800円の値上げとなった。とりわけ、予定収納率を93%とし、未納分7%のうち3%分の約3057円が保険料に上乗せされた。また、国民健康保険では、自営業者、高齢者に加え、若者の加入が増えた結果、保険料を支払えないため、期限付きのいわゆる短期保険証や窓口で10割負担となる資格証明書を渡され、医者にかかれずに病気を悪化させる被保険者が年々増えている。
 ついては、「誰でも払える保険料にしてほしい」、「病気になったら安心して医者にかかれるようにしてほしい」という願いを込め、次の事項の実現をお願いする。

  1. 国民健康保険料を誰でも払える金額に引き下げること。
  2. 国民健康保険の資格証明書の発行をやめること。
  3. 国民健康保険の減免制度をなくさないこと。
  4. 後期高齢者医療制度の廃止を国に要望すること。

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請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成20年
第24号
平成20年
12月2日
介護保険制度の報酬単価の引上げを求める意見書提出に関する請願 全国福祉保育労働組合東海地方本部 うめはら紀美子 さとう典生 江上博之 山口きよあき くれまつ順子 かとう典子 田口かずと(以上共産) とみた勝ぞう(社民)

 近年、高齢者介護事業を筆頭に、社会福祉施設等における職員確保が極めて重大な困難に直面している。介護は、住民の暮らしや安心の確保において必要な仕事であるにもかかわらず、実際には、低賃金と少ない人員配置による長時間で過酷な労働実態が慢性化し、離職者が増加する一方、求職者が減少する悪循環を引き起こしている。また、介護従事者を育成する専門学校や大学でも、定員を大きく割り込むところが少なくない。
 2007年に政府が改定した「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針」では、人材確保問題は国民生活に関わる喫緊の課題であるとし、そのために適切な給与水準の確保等の労働環境の整備が必要であると指摘しているが、今日の福祉労働力不足は、まさに住民への適正で良質な社会福祉サービスの保障にとっても、重大な支障を来す事態となっている。
 2008年、国会で「介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律」が成立し、2009年4月までに介護従事者等の処遇の改善に資するための施策の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされた。この間、厚生労働省は、安心と希望の介護ビジョンや社会保障審議会介護給付費分科会において審議を進め、政府・与党は10月30日に追加経済対策を発表し、介護報酬の3%引上げと1200億円規模の措置を発表した。介護保険制度が始まって以来のこの改善改定は、多くの介護関係団体・者の切実な声が反映されたことと評価している。しかし、3%で月2万円の引上げというものの、多くの施設で職員を加配して業務を行っている現状においては、急増する非正規労働者の賃金・労働条件の改善を考慮すると、私たちの試算ではこの3%で一人当たり月2万円の引上げになるとはいえず、まだまだ不足している。2.3%減、2.4%減と過去2回の改定により引き下げられた分の回復にもなっていない。また、厚生労働省は、3%引上げ分は介護労働者の賃金引上げにのみ当てる分として計上したと明言したものの、その実行を担保する具体的システムはいまだ構築されていない。それに加え、保険料上昇分の国庫負担を2年間の経過措置とし、それ以降の財源を消費税の引上げに求めている点は、将来的に国民負担に転嫁するものであって重大な問題である。
 政府の2009年度予算において、少なくとも5%の介護報酬の引上げが実現されることが、介護職場における人材確保問題の実効性を伴った解決につながる。
 ついては、貴議会が次の事項を内容とする意見書を政府に提出されるようお願いする。

  1. 2009年度予算では、国の費用負担によって介護報酬単価の5%の引上げをし、介護施設等の職員の賃金・労働諸条件について公務員と同等の水準を保障すること。
  2. 介護施設の職員配置基準を改善すること。
  3. 引き上げられた報酬単価が、職員の賃金に確実に反映されるよう制度を改めること。
  4. 前項の改善のための費用は、保険料や利用料に転嫁しないようにすること。

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請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成20年
第25号
平成20年
12月2日
短歌会館の存続を求める請願 新日本婦人の会中支部(766人) うめはら紀美子 わしの恵子 江上博之 山口きよあき くれまつ順子 かとう典子 田口かずと(以上共産)

 短歌会館は、歌人青木■子氏が市民文化向上のため市に寄贈されたもので、交通の便も良く、近年では97%の稼働率を保っている。
 市は、老朽化と耐震工事に費用がかかるということで廃止を予定している。私たちは様々な文化活動の拠点としてこの短歌会館を利用しているが、この施設がなくなれば活動自体も困難な状況に陥る。
 市内だけでもこの数年間に青年の家が廃止され、愛知厚生年金会館等も相次いで廃止されようとしており、市民が利用できる施設がなくなってしまう。
 芸どころと言われる名古屋。市民がいきいきと文化活動を行うことができる施設の提供と文化の向上を願い、寄贈された青木氏の遺志も汲んで、ぜひ短歌会館を存続されるよう強く求める。
 ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 短歌会館を存続させること。

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請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成20年
第26号
平成20年
12月2日
市の休養関連施設の老人割引の実施を求める請願 全日本年金者組合愛知県本部(105名) うめはら紀美子 江上博之 山口きよあき くれまつ順子 かとう典子 田口かずと(以上共産) とみた勝ぞう(社民)

 2008年4月1日から後期高齢者医療制度が実施された。私たちはこの制度の中止・撤廃を強く求めている。この制度の発足に伴い、75歳以上の人は、国民健康保険の加入者から外されたため、名古屋市休養温泉ホーム松ケ島及び名古屋市民御岳休暇村セントラル・ロッジの1000円の割引等がなくなった。この措置は、明らかに高齢者の福祉施設に差別を持ち込むものである。
 市の休養関連施設や国民健康保険に関する高齢者優遇措置は、現在の後期高齢者が、現職時代を含めて保険料を長期に納入してつくり上げたものである。また、後期高齢期こそますます優遇措置が求められるのが人の道ではないか。その趣旨をひっくり返すような廃止はまことに遺憾である。この点を深く考慮して、直ちに従来どおりの制度で運営されるよう求める。
 ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 後期高齢者医療制度加入者に対する市の休養関連施設の割引を実施すること。

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請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成20年
第27号
平成20年
12月2日
公的保育制度の堅持を求める請願 天白区住民
(14,000名)
うめはら紀美子 わしの恵子 さとう典生 江上博之 山口きよあき くれまつ順子 かとう典子 田口かずと(以上共産)

 天白区の保育所では、延長保育、障害児保育、休日・年末保育、一時保育、病児・病後児保育等子育てに関する様々な要望が次々に出されてきている。また、学童保育所は、親の就労を支援するとともに子どもに適切な遊びと生活の場を与えるところであり、なくてはならないところである。しかし、民営化が提案され、公的な責任、財政保障はさらに限られたものになり、必要があっても利用できないのが実態である。
 ついては、未来を担う子どもたちが健やかに育つ環境・地域づくりのため、次の事項の実現をお願いする。

  1. 公立保育所の廃止・民営化を絶対にやめること。また、営利企業の参入を認めないこと。
  2. 現在のより良い保育の質を保つための公私間格差是正制度を守ること。
  3. 給食は子どもたちにとって大切な食育を行うものであることから、離乳食、アレルギー食、宗教上の理由による除去・代替食をつくるなど、一人一人に丁寧に対応するためにも、正規職員がつくる給食を守ること。
  4. 安全な保育環境の維持のために予算を充実させること。
    (1)定員増による待機児童の解消に必要な施設改善費と人件費を拠出すること。
    (2)子どもたちが快適に過ごすために各部屋にエアコンを設置すること。
    (3)園舎の耐震対策と老朽化対策をすること。
    (4)園庭の水はけが良くなるように、一部の土の入替えをすること。
  5. 学童保育所を守り、発展させること。
    (1)学童保育とトワイライトスクール事業を一体化しないこと。
    (2)助成対象児童を小学校6年生まで拡大すること。
    (3)すべての土曜日について、長期休業中と同様に、実態に即して1日分の補助をすること。
    (4)基準単価の対象時間を午後6時までとし、時間延長手当てではない助成をすること。
    (5)障害児の受入れ1人ごとに補助金を交付すること。また、補助金を増額すること。
  6. 保護者の労働実態を把握し、安心して働くことができるように保育制度を充実させること。
    (1)希望の多い地域の一時保育実施園を増やすこと。
    (2)病児・病後児保育の実施園を地域ごとにつくること。
    (3)ニーズの高い地域に休日保育実施園を設置すること。
    (4)育休あけ・産休あけ入所予約の実施園を増やすこと。
    (5)公立保育所の早朝保育時間を実態に即して午前7時30分からにすること。
    (6)障害児保育を充実させること。
       ア障害児の認定において年齢枠を撤廃し、希望者は入所できるように人的配置及び財政的支援をすること。
       イ入所を希望する障害児が入所できるように受入人数を増やし、必要な家庭については保育時間を延長すること。

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請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成20年
第28号
平成20年
12月2日
部地方整備局の事務所・出張所の存続と地方分権改革推進委員会の第2次勧告に向けて地方分権改革に係る慎重な審議を求める請願 国土交通省全建設労働組合本局支部 うめはら紀美子 わしの恵子 さとう典生 江上博之 山口きよあき くれまつ順子 かとう典子 田口かずと(以上共産)

 2008年6月の岩手・宮城内陸地震を始め、8月・9月の愛知県三河地域や岐阜県西濃地域、三重県北西地域における集中豪雨等、毎年のように全国各地で地震による災害、台風や集中豪雨による風水害・土砂災害が発生し、国民の生命や財産が失われている。このように日本の国土は自然災害が発生しやすい条件下にあり、さらには地球温暖化に伴うとされる気候変動から、夏の気温上昇や集中豪雨・渇水、冬の豪雪・少雪といった異常気象が、より顕著に、局地的に現れてきている。また、戦後に整備した公共施設の更新時期を迎え、維持管理を怠れば、アメリカ合衆国ミネソタ州で発生した落橋事故の惨劇が日本でも生じかねない。こうした中、今後も安全・安心な生活のための防災対策や環境整備、施設の維持管理が重要となる。
 しかし、政府は建設関連の予算規模を毎年縮小するとともに、重点投資と称して地方の防災や生活関連の公共事業費を削減しており、地方では安全・安心の公共事業に支障を来すとともに、地域経済を下支えする建設産業が目を覆うばかりの惨状となっている。また、経済財政諮問会議や地方分権改革推進委員会等で議論しているとおり、「国から地方へ」と称し、地方における国の責任の放棄を目的とした地方分権を推し進め、地方の最前線で働く地方整備局の事務所・出張所を廃止しようとしている。こうした姿勢は、2008年9月16日に地方分権改革推進委員会が発表した「道路・河川の移管に伴う財源等の取扱いに関する意見」でも如実に現れており、本来的には道路法や河川法に基づく管理委任制度で位置付けを変更して移管し、財政負担割合も現行制度に沿って適用すべきところ、位置付けを変えずに移管し、管理水準を維持する、移管に伴う経費全額を財源として移譲することを原則とするとし、先行き不透明な財源移譲をえさに法制までもないがしろにして責任放棄を進めている。
 市内において中部地方整備局及び事務所・出張所は、産業の発展や便利な生活の基盤をなす国道1号、19号、22号、23号、41号、153号、302号の管理や改築等の事業、安全・安心な生活の基盤をなす庄内川の管理や改修等の事業、災害発生の際の復旧等の対策支援の国責を担って日々精励しており、地域にとってこれらの機関の存続は必要不可欠と考える。
 ついては、国が国民に対して保障すべき最低限度の生活水準の維持・増進に当たる防災対策・環境整備・施設維持管理事業は国自らが相応の予算・組織・人員を確保して実施すべきと考え、貴議会が次の事項を内容とする意見書を内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、国土交通大臣、内閣府特命担当大臣(地方分権改革)及び地方分権改革推進委員長に提出されるようお願いする。

  1. 地域住民の生命と財産を守る公共事業推進のため、中部地方整備局、名古屋国道事務所、愛知国道事務所、名四国道事務所、庄内川河川事務所」中部技術事務所及び関係出張所を存続させること。
  2. 公共事業費の予算配分を防災や生活関連へ重点配分するとともに、前項に掲げる機関の組織を、災害時の迅速・適切な対応を執ることができる体制に拡充すること。
  3. 国民の安全・安心な生活のための社会資本整備が国の基本的責務であることを踏まえ、地方分権改革推進委員会の第2次勧告に向けた地方分権改革推進委員会等における審議を慎重に行うこと。

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請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成20年
第29号
平成20年
12月2日
名古屋市民御岳休暇村の存続を求める請願 名古屋市民おんたけ休暇村の存続を求める「おんたけを考える会」 うかい春美(民主) 岡本善博 堀場章 渡辺義郎(自民) 岡地邦夫(名自) 三輪芳裕(公明)

 名古屋市民御岳休暇村は、昭和48年に名古屋市民にレクリエーションの場を提供するため、長野県王滝村に設置された施設である。休暇村は、開設以来市民に豊かな自然環境の中で憩いの場を提供し、野外活動を通じて青少年の健全な育成に寄与してきた。市民にとって親しみ深い、またかけがえのない施設になっている。
 一方で、休暇村を取り巻く近年の社会状況は、開設当時と比べて大きく変化しているが、セントラル・ロッジの各部屋にはトイレや洗面所が設置されておらず、キャンプ場等の施設も老朽化している。また、休暇村の利用者は昭和58年度をピークにここ数年減少しており、市の行政評価では「施設の必要性が低下しつつあることから、売却・廃止の検討を始めてください」との厳しい評価を受け、市当局においても検討を開始したと聞いている。
 しかしながら、利用者の減少や財政負担という一面だけでこのような貴重な施設を売却・廃止することはいかがなものであろうか。特に、市においては2010年のCOPlO開催が決定され、さきの愛・地球博の成功と相まって環境に対する市民の関心は非常に高まっており、市民の環境学習や自・然体験の場として休暇村は最適であると考える。また、休暇村は年間6000人以上の小学生・中学生に自然体験の場を提供するとともに、大学生ボランティアをキャンプカウンセラーとして育成し、35年間にわたり優秀な人材を輩出している。加えて、休暇村が設置された長野県王滝村は、江戸時代から現在に至るまで市にとってつながりの深い地域である。江戸時代に尾張藩領となり、その森林から名古屋城天守閣や本丸御殿の用材を供給し、現在では市民220万人を支える大切な水源地にもなっており、葵ライオンズクラブを始めとする市民活動団体の植林や間伐活動等も休暇村を中心に活発に行われている。
 ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 市の貴重な財産として名古屋市民御岳休暇村を存続させること。
  2. 市民ニーズの変化に伴い、施設の大規模改修をすること。

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請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成20年
第30号
平成20年
12月2日
安心して子どもを産み育てられるよう保育の公的責任の堅持と保育・学童保育施策の拡充を求める請願 愛知保育団体連絡協議会(197,945名) うめはら紀美子 わしの恵子 さとう典生 江上博之 山口きよあき くれまつ順子 かとう典子 田口かずと(以上共産)

 子どもは歴史の希望である。今を生きる子どもには、毎日、愛され、楽しく、主体的に生きる権利がある。そのためには、親たちが安心して子育てできる環境が必要である。安心して子どもを産み育てられるためには、就労が保障された安定した生活が必要である。経済的負担の少ない保育料で入所でき、子育てを応援する保育所・学童保育所の存在も求められている。
 しかし、現実は不安定な非正規労働者が増え、また長時間労働によって人間的なゆとりある生活が奪われている。子どもの犯罪が大きく報道され、親たちも子育てに不安を持ち、何を大切にして子育てをすれば良いのかわからなくなっている。地域で共同で子育てする風土も薄くなっている。
 今大事なことは、親の労働実態に対応し、子育て不安に応え、子育ての知恵や文化を継承し、発展させる保育所・学童保育所を充実させることである。地域の保育所・学童保育所を子育てのよりどころにする必要がある。
 「子育てするなら名古屋で」を標模する市は、2007年11月、公立保育所3園の廃止・民営化の提案をした。今後さらに公立保育所を減らす考えである。市民の声に応え、「子育てするなら名古屋で」を実現させるためには、公立保育所を廃止せず、保育所を増やし、質の高い保育を守り充実させることが大切である。また、市は、子どもたちの放課後対策として「子どもたちの豊かな放課後」の基本的な考え方を発表した。すべての子どもを対象に、トワイライトスクールと学童保育の良いところを併せ持つ新たな事業を展開するとしている。これは、今までにつくられてきた学童保育の水準を切り下げるものではないかと危倶される。
 国には、保育所の最低基準を都道府県に任せる動きがある。直接契約をする認定こども園をさらに増やしていく考えも強くある。児童福祉法は、すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならないとしている。子どもの権利を最優先にするなら、保育は、国と自治体に保育の実施責任があり、保育所の最低基準を定め守り、保育所の経費は公費で負担するという公的責任で対応し、親たちが安心して預けられる保育所を充実させるべきである。
 ついては、安心して子どもを産み育てられるという基本的立場から、市の公的責任の名において子どもたちの人権を尊重し、その健やかな育ちを最大限保障し得る保育・学童療育施策が速やかに実施されるよう、次の事項の実現をお願いする。

  1. 市の公的責任を堅持し、公立保育所をなくさないこと。
  2. 営利企業の保育所への参入を認めないこと。
  3. 児童福祉施設最低基準を堅持し、改善するよう国に働きかけること。
  4. 保育所・学童保育所が役割を果たせるよう、予算を増額すること。
  5. 民間社会福祉施設運営費補給金制度を堅持・拡充すること。
  6. 次の項目を最低必要な保育施策として緊急に行うこと。
    (1)保育所入所待機児童を解消すること。待機児童の解消は、詰込みではなく、保育所の新設や増設により定員を増やして行うこと。
    (2)子育て世代の経済的な負担を減らすために保育料を値下げすること。
    (3)長時間対応、3歳未満児の受入れ、補助単価の引上げ等、障害児保育を拡充すること。
    (4)一時保育、休日保育、病児・病後児保育を拡充し、公立保育所でも実施すること。
    (5)託児室制度の補助金を増額し、制度を拡充すること。

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