2008年6月定例会 反対討論 わしの恵子議員(7月4日)

青年の自主的な学習や文化活動を保障してきた宿泊青年の家を否定するような条例の改正は認められません


わしの議員

青少年交流プラザ条例の改正には反対

【わしの議員】
この議案は、「青年の家条例」を廃止し、宿泊青年の家を、青少年交流プラザ分館として、指定管理者制度を導入して、施設の管理を民間にゆだねようとするものです。

宿泊青年の家は25年前に生まれました。そして、青年の家4館とともに、青年の自主的な学習・文化活動を保障する社会教育施設として、本市の職員が、市民との共同で、直接事業の運営に努力してきました。

その後、「役割は終わった」と、相次いで4つの青年の家が廃止され、青少年交流プラザが建設されましたが、社会教育施設としての位置づけを外されたため、今となっては、宿泊青年の家が、本市唯一の青年の社会教育施設として、最後の砦ともいえる役割を果たし続けてきたのです。

ところが今回の提案は、宿泊青年の家まで、そのあり方を根底から否定しようというものです。しかし、施設を利用する青年たちが、その先にある交流や仲間作りを目指して、人とのつながりから社会性を学び、視野を広げることは、今の時代だからこそ求められているのです。

最近、青年たちに戦前のプロレタリア作家、小林多喜二の「蟹工船」ブームが起きています。北の海でカニを捕り、缶詰に加工する船の労働者が、人間扱いされない過酷な労働条件を改善させたいと、闘いに立ち上がる物語です。これが、ネットカフェ難民やワーキングプアと呼ばれる現代の若者たちにも、自分たちの姿と重ね合わせ、共感や希望を与えるものになっているといわれています。

過酷な競争・格差社会で、就労・自立や市民的共同の契機を奪われ続けてきた今日の青年たちは、自らの生き方を模索し、学びあう場や機会を求めています。青年期の社会教育はますます必要になっています。こんな時代だからこそ、宿泊青年の家を、社会教育施設から外すことは認められません。

さらに、施設の管理・運営をことさらに「事業」と分離して、指定管理者にゆだねれば、管理・運営は今まで以上に「貸室・宿泊機能」に特化せざるを得ず、青年の自主的な学習や文化活動が保障されなくなってしまいます。以上のことから、この条例改正案には反対を表明し討論を終わります。

名古屋市宿泊青年の家

宿泊しながら、スポーツ・音楽・演劇・ダンスなどの練習合宿から大学のゼミ・サークル活動、また、レクリエーションや親睦まで幅広く利用できる施設。野外炊飯施設を利用してバーベキューもでき、キャンプの事前活動にも最適。家族での利用も大丈夫。安い宿泊施設・ホテルを探している団体には泊りだけの利用もでき、29歳以下なら一人1泊600円(中学生以下は無料)で泊まることができます。日帰りでの利用もOKです。

場所:緑区大高町字蝮池4-6
電話 052-624-4401 Fax 052-624-4403
施設:集会室、教室(4)、プレイルーム、音楽室(2)、美術室、体育室 など
使用料・料金 日帰り利用: 600円から / 宿泊利用: 600円(青年) など
時間:午前9時〜午後9時
休日:月曜日、祝日の翌日、12月29日〜1月3日

 

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