意見書・決議(2008年6月議会)

日本共産党をはじめ各会派から提案された16件の意見書案について、議会運営委員会理事会で協議が行われ、9件は適切な修正や調整を行って、成立しました。
日本共産党の提案した3案件は他会派が反対し本会議に上程することはできませんでした。

意見書案に対する各会派の態度(議会運営委員会に提出された意見書案)
意見書案 原案
提出
各会派の態度 結果
共産 民主 自民 公明 名自
地方税財源の充実・強化に関する意見書(案) 民主 修正 修正
後期高齢者医療制度の廃止に関する意見書(案) 民主 ×
「協同労働の協同組合法(仮称)」の制定に関する意見書(案) 民主
脱たばこ社会の実現に関する意見書(案) 民主 修正 ×
北朝鮮による拉致問題の解決に関する意見書(案) 自民 修正
救急医療の充実に関する意見書(案) 自民 修正 修正
地方議会議員の位置づけの明確化に関する意見書(案) 自民 ×
インターネット上の有害情報対策に関する意見書(案) 自民 修正 修正
子宮頸がん予防ワクチンの早期承認等を求める意見書(案) 公明
携帯電話リサイクルの推進を求める意見書(案) 公明
日本映画への字幕付与を求める意見書(案) 公明
後期高齢者医療制度の見直しに伴う財源措置等を求める意見書(案) 公明 ×
多文化共生社会の実現に関する意見書(案) 名自 修正 修正
後期高齢者医療制度の撤廃に関する意見書(案) 共産 ×
食料自給率の向上に関する意見書(案) 共産 ×
生活保護制度の充実に関する意見書(案) 共産 ×

結果に◎がついたセルの背景が黄色いものは可決された意見書。
結果の×は一致しなかった意見書。意見書名を修正した場合は修正後の件名を掲載。

議運に提案された段階での態度です。○=賛成 ●=反対 △=保留
●が1つでもあれば議案として本会議に上程されません。

会派名 共産:日本共産党 民主:民主党 自民:自民党 公明:公明党 名自:名古屋市会自民党

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《採択された意見書》

地方税財源の充実・強化に関する意見書

少子・高齢化への対応に加え、環境保全や災害に対する安全対策など、地方公共団体が果たすべき役割はますます重要になっている。

しかしながら、「歳出・歳入一体改革」に基づく国の一方的な地方財政の圧縮は、国の財政赤字を地方に負担転嫁するもので容認することができない。

また、地方公共団体の財政の健全化に関する法律のもとで財政指標のみを基準として、医療、福祉、環境、ライフラインなど住民生活に直結する公共サービスを抑制することは困難であり、地域に必要不可欠な公共サービスを確保し、安定的な行財政運営を行うためには、地域が必要とする行政需要を的確に反映した税財源を確保することが必要である。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、地方公共団体が自主的かつ自立的な行財政運営を行うため、地方分権の理念を踏まえ、国と地方の役割分担に応じ、地方税中心の税財政制度を確立するよう強く要望する。

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「協同労働の協同組合法(仮称)」の制定に関する意見書

近年の労働環境の大きな変化は、ワーキングプアやネットカフェ難民といった新たな貧困層を生じるなど、働くことに困難を抱える人々を増大させ、社会問題となっている。また、障害を抱える人々や社会とのつながりがつくれない若者など、働きたくても働けない人々の増加は、日本全体を覆う共通した課題となっている。

こうした中、働く者や市民が協同で出資し、協同の経営で働く「協同労働」を旨とする協同組合は、働くことを通じて人と人のつながりを取り戻し、コミュニティーの再生を目指す活動を続けており、社会問題解決の手段の一つとして、大変注目を集めている。

しかし、現在、この協同組合は法的根拠がないため、社会的に十分認知されておらず、団体として入札・契約ができない、社会保障の負担が働く個人にかかる等の問題があり、法制化が望まれている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、社会連帯の中で仕事を起こし、社会に参加する道を開く有力な制度として、「協同労働の協同組合法(仮称)」を速やかに制定するよう強く要望する。

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北朝鮮による拉致問題の解決に関する意見書

北朝鮮による日本人拉致問題は、帰国が実現した拉致被害者5名以外の方々については、依然安否不明の状態が続いている。

このような中、国においては、内閣総理大臣を本部長とする「拉致問題対策本部」を設置するなど、拉致問題の解決に向けた取り組みを行っているところである。

また、さきに行われた日朝実務者協議において、北朝鮮が安否不明の拉致被害者の再調査を実施する考えを伝えてきたが、我が国としてはこれを契機として、泣致問題の全面解決に向けて全力で取り組む必要がある。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、拉致問題については関係国とも連携の上、総力を挙げて取り組み、泣致問題の真相究明及び拉致被害者の帰国を早期に実現するよう強く要望する。

近年、我が国においては猛烈な台風の襲来や局地的な集中豪雨の発生など、自然災害により甚大な被害が発生している。

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救急医療の充実に関する意見書

救急需要がふえている中、救急車の不適切な利用や軽症患者の救急病院への集中化などといった患者側の要因とともに、医療機関側においても、コスト面や医師不足等による受け入れ体制の確保の難しさなどが指摘されている。

国民が安心して暮らしていくためには医療提供体制が充実していることが必要不可欠であり、そのためにも、真に緊急性のある傷病者が速やかに救急医療を受けられる体制を構築することが必要である。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、救急医療を取り巻く環境の整備に向けて救急医療の基本にかかわる法的整備を進めるとともに、十分な救急医療体制の確保に必要な財源を措置するなど、救急医療の充実に向けて早急に必要な対策を講ずるよう強く要望する。

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インターネット上の有害情報対策に関する意見書

インターネットや携帯電話の急速な普及によって、未成年者がインターネット上の有害サイトに携帯電話からアクセスし、犯罪に巻き込まれるケースが多発しており、大きな社会問題となっている。

このような中、携帯電話会社に18歳未満の子どもへのフィルタリングサービス提供の義務づけなどを内容とする「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が制定されたところである。

こうした法律の制定については評価に値するが、青少年健全育成の観点から、未成年者を有害情報から保護するための取り組みのさらなる強化が必要である。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、相手方限定の通話型機能及びGPS機能のみを持つ携帯電話の開発が進むように、未成年者を有害情報から保護するための対策を一層充実するよう強く要望する。

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子宮頸がん予防ワクチンの早期承認等を求める意見書

女性のがんである子宮頸がんの死亡率は高く、毎年約8000人が子宮頸がんと診断され、約2500人が亡くなっている。

子宮頸がんには、他のがんにはない特徴がある。1点目は、発症年齢層のピークが年々低年齢化しており、1978年ごろは50歳以降だったのに対し、1998年には30代になり、最近では20代、30代の若い女性の子宮頸がんが急増してきている。

2点目は、子宮頸がんの原因のほとんどが、ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染であり、多くの女性がHPVに感染するものの、発症するのは、持続感染によるものであると言われている。

このHPV感染を予防するワクチンの研究開発が進み、2006年6月に米国で承認されたのを初め、現在は80カ国以上の国で承認され、子宮頸がんは「予防可能ながん」になっている。

しかし、日本ではこの予防ワクチンがいまだ承認されておらず、予防ワクチンの早期承認に対する期待が高まっている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、子宮頸がんの予防・早期発見に関する取り組みを推進するため、次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 子宮頸がん予防ワクチンの早期承認に向けた審査を進めること。
  2. 予防可能ながんであることにかんがみ、予防ワクチンの承認後、その推進を図るための施策を積極的に展開すること。
  3. 日本におけるワクチンの開発、製造及び接種のあり方について、世界の動向等も考慮し検討を進め、必要な対応を行うこと。

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携帯電話リサイクルの推進を求める意見書

レアメタルを含む非鉄金属を安定的に確保することは、資源の乏しい我が国の産業にとって重要な課題であるが、近年、国際価格の高騰や資源獲得競争の激化により、その確保に懸念が生じている。

貴重な鉱物資源をめぐるこのような状況を受け、資源エネルギー庁に設置された「資源戦略研究会」が平成18年に取りまとめた「非鉄金属資源の安定供給確保に向けた戦略」では、使用済み製品に利用されたレアメタルの再利用の推進が重視されている。中でも、普及台数が1億台を超えている携帯電話には、リチウム、希土類、インジウム、金、銀等が含まれており、使用済み携帯電話の適切な処理と有用資源の回収を行うことが期待されている。

しかし、使用済み携帯電話の回収実績は、2000年の約1362万台をピークに減少傾向にあり、2006年には約662万台に半減している。回収率向上のための課題として、携帯電話ユーザーへのリサイクルについての情報提供、携帯電話のリサイクル活動を行うMRN(モ.パイル・リサイクル・ネットワーク)の認知度向上、ACアダプター等充電器の標準化による省資源化等が指摘されている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、使用済み携帯電話の適正な処理とレアメタル等の有用資源の回収促進を図るため、次の事項について早急に対策を講ずるよう強く要望する。

  1. 携帯電話の購入、冥替時又は解約時において、販売員からユーザーに対してリサイクル情報の提供を行うことを定める等、携帯電話の回収促進のために必要な法整備を行うとともに、企業の技術開発等の取り組みを支援する施策を行うこと。
  2. ACアダプター等充電器の標準化、取扱説明書を簡略化するなど省資源化を実現すること。
  3. レアメタル等の高度なリサイクル技術の開発に加え、循環利用のための社会システムを構築すること。

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日本映画への字幕付与を求める意見書

現在、テレビ番組への字幕付与は,総務省(旧郵政省)の作成した指針や補助によって急速に普及し、字幕付与可能な番組の多くに字幕がつけられている。

一方、国内で上映される映画のうち、洋画については,ほとんど日本語字幕がついているが、日本映画の場合は、特別なものを除き日本語字幕がついていない。そのため、聴覚障害者は、字幕のない日本映画を楽しむことができないのが現状である。

昨年、女優の菊地凛子さんがアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたことで注目された映画「バベル」は、約400人の聴覚障害者がエキストラとして参加し、日本の若者も多数出演したが、日本での公開時には、日本語の場面だけ字幕がつけられていなかった。そこで、聴覚障害者等が署名運動などで改善を要望した結果、配給会社は、公開するすべての映画館で日本語の場面にも字幕を入れて上映した。

聴覚障害者が映画を楽しむためには、せりふだけでなく、電話の呼び出し音、動物の声、車の警笛等の画面にあらわれない音声情報の文字視覚化も望まれる。

日本映画への字幕付与は、ユニバーサル社会を目指す「情報バリアフリー」の一環として、必要不可欠である。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項について早急に実施するよう強く要望する。

  1. 情報バリアフリー化を実現するため、日本映画や日本語映像ソフトコンテンツへの字幕付与の義務化への取り組みや財政支援措置を検討すること。
  2. だれにでもわかりやすいユニバーサルな字幕付与が行えるよう一定の規格と規定を定めたガイドラインを策定すること。

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多文化共生社会の実現に関する意見書

日本に在留する外国人の数は年々増加するとともに、その国籍や活動内容も多様化しており、社会保障や子どもの教育を初め、言語、文化、生活様式の違い等を背景にさまざまな問題や摩擦が生じている。

こうした中、本市においても、外国人児童・生徒が早期に学校生活に適応できるよう日本語指導講師を学校へ派遣するなど、外国人との共生を目指した地域社会づくりのため、さまざまな施策を展開しているものの、国の法制度に起因する問題も多く、多文化共生社会の実現に向け、早急に施策の整備を図ることが求められている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 我が国の外国人の受け入れに係る基本的な考え方を明確に示すとともに、多文化共生施策を総合的に推進する体制を構築すること。
  2. 適法な在留外国人の台帳制度の整備に当たっては、地方公共団体の意見を尊重するとともに、外国人にとって利便性の高い制度設計を行うこと。
  3. 外国人児童生徒に対する教育の基本的な考え方を早急に示すとともに、いわゆる外国人学校について法的位置づけを明確にすること。

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《日本共産党が提案したものの、採択されなかった意見書》

後期高齢者医療制度の撤廃に関する意見書(案)

本年4月から実施されている後期高齢者医療制度は、75歳という年齢を重ねただけで、国保や健保、扶養家族から追い出され、保険料は年金から天引きされ、払えない高齢者は保険証を取り上げられ、外来、入院、終末期まであらゆる段階で安上がりの差別医療を押しつけられるという希代の高齢者差別法である。しかも、時がたてばたっほど、保険料負担も高齢者への差別医療も拡大される仕組みとなっている。

それゆえに、この制度に対して日本列島を揺るがす国民の怒りが沸き起こっており、この制度の廃止を求める声が大きく広がっている。全国の都道府県医師会のうち6割以上が反対や批判の態度を表明するなど、医療関係者からも反対や中止を求める声が広がっている。

政府・与党は、保険料の軽減措置等の見直しを検討しているが、一時的に一部の保険料が下がったとしても、後期高齢者医療制度は2年ごとに保険料が自動的に値上げされる仕親みであり、将来の大幅な保険料食担増は避けられない。高齢者差別という制度の根本が間違っている以上、小手先の見直しではなく、制度を撤廃するしか解決の道はない。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、後期高齢者医療制度を撤廃するよう強く要望する。

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食料自給率の向上に関する意見書(案)

我が国の食料自給率は39%と、世界の先進国に類のない水準まで低下した。耕作放棄を余儀なくされた農地は全耕地の1割近くにも達し、農業就業者の「高齢化」も進行するなど、日本の食料と農業は深刻な危機に直面している。

しかも、食料をめぐる国際情勢が激変し、トウモロコシ、大豆、小麦などの輸入穀物を原料とする食品や飼料の高騰によって、日本向け飼料穀物が思うように確保できない事態も生まれ、国民の中に大きな不安を広げている。世界の構造的な食糧危機のもとで、日本の農業の再生と食料自給率の向上は、我が国にとって喫緊の課題であるとともに、地球温暖化や世界の食料簡要の逼迫など、21世紀の人類的課題になっている環境や食料問率の解決にも貢献するものである。

食料自給率の向上のためには、農業経営を安定して持続できる条件を保障するための制度を整備・充実するとともに、各国の「食料主権」を尊重した貿易ルールを確立することなどが求められている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、価格保障・所得補償制度の拡充による持続可能な農業経営の実現、関税など国境措置の維持・強化等、食料自給率の向上に必要な制度を抜本的に充実するよう強く要望する。

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生活保護制度の充実に関する意見書(案)

貧困と格差の広がりがより深刻さを増している中で、国民の生存権保障の柱である生活保護制度の充実が求められているにもかかわらず、政府は、老齢加算の廃止に続き、母子加算の段階的廃止、通院移送費の削減など生活保護制度の見直しを進めている。

老齢加算は、高齢者の身体的特性等に応じて、その需要に配慮したものとして、また、母子加算は、片親がいないことにより精神的負担を持つ児童の健全な育成を図るための費用等として、さらに、通院移送費は、生活保護受給者が通常の通院に係る移動費として制度化されてきたものである。これらの縮減・廃止は、生活保護世帯の暮らしを一層困難に陥れることになる。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、生活保護の老齢加算と母子加算を復活し、通院移送費の削減を撤回するよう強く要望する。

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