2008年2月定例会 個人質問 田口かずと議員(3月5日)

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学童保育と名古屋市放課後子どもプラン(仮称)について


田口議員

市の責任で全小学校区に学童保育所を

【田口議員】
通告に従い、まず、学童保育と名古屋市放課後子どもプラン(仮称)について、子ども青少年局長に質問します。

留守家庭児童健全育成事業、いわゆる学童保育とトワイライトスクールという両事業のあり方について、昨年12月、外部の有識者による検討委員会から、提言が発表されました。この提言の内容をめぐって、学童保育の関係者からは、「学童保育がトワイライトスクールのようになったら困ります。子どもたちが『ただいま』と帰ってくる『第2の家庭』としての学童保育がどのように保障されるのか」などの声があがっています。

学童保育とトワイライトスクールの関係については、この「提言」では、「機能や経緯が異なる」と明確に区別しています。そして、学童保育が保障している子どもたちの「生活の場」について、「毎日、放課後多くの時間を過ごす留守家庭の子どもにとっては、生活の場が、より大きな支えになっている」と指摘し、留守家庭児童にとっての「生活の場」の特別の重要性を強調しています。このように、「提言」の立場は、学童保育をトワイライトスクールに解消するというものではありません。

学童保育は、児童福祉法に法制化されて以降、全国的には市町村の責任で整備が進み、施設数も入所児童数も急増しています。ところが、本市の場合は、多くが「民設民営」のもとで、全国平均の2倍以上にものぼる月額平均1万7千円余という高額な保育料を余儀なくされ、施設数も児童数も減少しています。少なくない留守家庭児童が、放課後の「生活の場」を保障されずに放置されているのです。

こうした現状を踏まえて、検討委員会が提言した「名古屋版放課後子どもプラン」の中では、「児童福祉法に基づく放課後児童健全育成事業として、新たに市主体による放課後児童クラブ」、すなわち学童保育の実施が提案されたのです。

そこでお尋ねします。市が主体となって学童保育を実施せよという検討委員会の「提言」に応えて、市の責任ですべての小学校区に学童保育所を計画的に設置していく考えはありませんか。お答えください。

放課後子どもプランのモデル事業を実施・検証・評価したい(局長)

【子ども青少年局長】
外部の有識者による検討委員会から、「子どもたちの豊かな放課後のあり方」につき昨年12月に提言をいただいた。この提言で、新たに市主体による放課後児童クラブをトワイライトスクールと一体または連携して実施する「名古屋版放課後子どもプラン」を創設することをご提案いただき、またプランの実施場所については、小学校を活用することが望ましいと示された。

この提言を踏まえて、市の基本的な考え方を定め、まずは、放課後子どもプランのモデル事業を実施し、その検証・評価を行いたい。

放課後子どもプランモデル事業の実施にあたって

専用室・指導員の資格や処遇・実施箇所の選定について

【田口議員】
本市は、検討委員会の「提言」を踏まえて、トワイライトスクールと放課後児童クラブを、小学校施設を活用して一体又は連携して実施する「名古屋市放課後子どもプラン」のモデル事業を実施するとしています。そこで、放課後子どもプランモデル事業について3点、お尋ねします。

第1は、放課後児童クラブの専用スペースについてです。検討委員会の「提言」では、「特定の子どもしか入れないようなものではなく、どの子も使いたいときに使えるようにする」とありますが、これでは専用の意味がありません。学童保育は、「提言」も指摘しているように、子どもにとっては「放課後のおうち」の役割を果たしています。いつも他人が出入りするような場所は、「おうち」とは言いません。国の放課後子どもプラン連携推進室も、専用スペースについては、「生活の場であることを考慮し、常に不特定多数の者が出入りできるスペースとなることは適当ではない」と明言していますので、この立場に立った「生活の場」にふさわしい専用室を設けるべきではないでしょうか。

第2は、放課後児童クラブの指導員の資格や処遇についてです。学童保育には専任の指導員の配置が不可欠であり、学童保育の指導員が、その専門性にふさわしく処遇され、安心して働き続けられるように、雇用条件を整備することが必要ではないでしょうか。

第3は、モデル事業の実施箇所の選定についてです。市内にある留守家庭児童育成会は173か所にとどまっており、留守家庭児童が利用できる学童保育所が近隣にも存在しない学区が少なくなくありません。こうした学区でモデル事業を実施してはどうでしょうか。以上、答弁を求めます。

国の考えも参考にし、今後、検討したい(局長)

【子ども青少年局長】
放課後児童クラブの専用スペースは、国の放課後子どもプランの考え方に「放課後児童クラブにおける生活の場としての機能が確保されるよう、専用スペース又は専用の部屋が必要です。専用スペース等は放課後児童クラブ利用児童以外の入室等を禁止するものではないが、生活の場であることを考慮し、常に不特定多数の者が出入りできるスペースとなることは適当でないと考えます。」と示されている。

放課後児童クラブの指導員は、国の「放課後児童クラブガイドライン」で児童福祉施設最低基準に基づき、保育士や教員の資格を持つもの、一定の児童福祉事業に従事したものなど、児童の遊びを指導する者の資格を有するものが望ましいと示されている。

放課後児童クラブの専用スペース、指導員の資格や処遇、及びモデル事業の実施箇所の選定は、国の考え方も参考にしながら、今後、放課後子どもプランモデル事業の実施に向けて、検討したい。

学童保育の運営基準の策定を

【田口議員】
厚生労働省は昨年10月、「放課後児童クラブガイドライン」を策定しました。その内容には、設備・備品や指導員の配置などについて具体的な記述がほとんどないなどの不十分さはありますが、厚労省が、すべての学童保育にたいし、運営上の必要な基本的事項を示し、望ましい方向を打ち出したことは大きな意味があると思います。

私は、本市でも、厚労省の「ガイドライン」を踏まえて、学童保育の運営や設備などの向上のために、独自のガイドライン、すなわち運営基準を策定する必要があると考えます。すでに、さいたま市では運営基準を策定しています。その中では、児童一人あたりの保育面積を1.65平方メートル、たたみ一畳分以上確保すること、常時複数の専任指導員を配置することなどが定められています。

本市でも、留守家庭児童育成会、児童館学童保育、そして新たに実施される放課後児童クラブという設置・運営主体の違いにかかわらず、すべての学童保育を対象にした運営基準を策定するよう求めますが、子ども青少年局長の見解をお尋ねします。

必要性も含めて、慎重に検討したい(局長)

【子ども青少年局長】
「名古屋市児童館における留守家庭児童健全育成事業実施要綱」及び地域の留守家庭児童育成会、いわゆる民間の学童保育所に対する「留守家庭児童育成会運営助成要綱」により、指導員の配置や指導室についての一定の基準を設定しております。

国が策定した「放課後児童クラブガイドライン」は、放課後児童クラブが多様な運営形態であることなどから、「最低基準」という位置づけではなく、多様な形態の放課後児童クラブを運営するに当って、施設や設備などのハード面、指導員の役割や子どもたちに対する安全対策などのソフト面について、基本事項を示したものであり、望ましい方向を目指すものです。

本市におきましても、指導員の役割や子どもたちに対する安全対策などは、放課後児童クラブガイドラインに沿った運営がなされることが望ましいと考えていますが、一方、施設や設備などは、児童館、児童専用室(プレハブ)、民間借家など、多様な形態が存在しており、多くの課題がある。したがって、統一の運営基準は、必要性も含めて、今後、慎重に検討したい。

学童保育をトワイライトスクールに統合することはやめなさい(意見)

【田口議員】
放課後子どもプランについてですが、子ども青少年局長は、放課後児童クラブには「生活の場」の機能が確保される専用スペース等が必要などといった、国の考え方も参考にしながら検討すると答弁されましたので、学童保育をトワイライトスクールに統合するというような、国の考え方に反することは行なわれないと理解させていただきます。

地球温暖化対策について

電力原単位の削減に依存する地球温暖化防止行動計画の見直しを

【田口議員】
2010年までにCO2排出量を1990年を基準として10%削減するという本市の目標について、市長は昨日、達成できるとも、できないともお答えになりませんでした。私は、現状のままでは目標達成は困難だと考えています。その理由の一つは、本市の「第2次地球温暖化防止行動計画」における削減目標量の設定そのものに問題があるからです。

温暖化防止行動計画では、2010年までのCO2削減目標量493万トンのうち、電力原単位の削減によるものが255万トンと半分以上を占めており、電力原単位の削減に大きく依存した計画となっています。電力原単位とは、発電量1キロワット時あたりのCO2排出量のことです。電気は、天然ガス・石炭などの火力や、水力、原子力、風力などで発電されますが、火力発電の割合や熱効率などに応じて、原単位の値は変動します。わが国では、天然ガスの約1.8倍ものCO2を排出するといわれる石炭による火力発電が急増し、原単位の削減が進んでいません。

温暖化防止行動計画は、当地域の電力会社の原単位をもとに削減目標量を積み上げていますが、この電力会社の原単位は、2006年度には90年度と比べて3.6%も増加しており、90年度比で20%削減するという目標は、達成できそうにありません。これでは、10%削減という本市の目標も達成できるハズがないではありませんか。

市長。「第2次地球温暖化防止行動計画」が、電力原単位の削減という電力会社のエネルギー効率に依存した他力本願の削減計画になっているために、CO2削減の目標達成の保障がないという認識がありますか。2010年までの目標達成、さらに2020年までの大幅削減のために、地球温暖化防止行動計画を早急に見直す考えはありませんか。お答えください。

家庭、オフィス、マイカーの削減に取り組む(市長)

【松原市長】
電力原単位の削減に依存した他力本願の計画ではないかというご指摘をいただきました。2010年にCO2を10%削減するという目標を達成するには、エネルギー産業とエネルギーのいわばユーザーである市民・事業者が、ともに役割を分担し、責任を果たさなくてはなりません。電力原単位の削減も、市民・事業者の努力による削減もともに必要であり、それぞれ目標値を設定している。

現状は、電力原単位は僅かながら増加しております。しかし、家庭生活、オフィス・店舗、マイカーにおけるエネルギー消費量はそれをはるかに上回る3割〜5割という規模で増加している。

従って、電力原単位の削減は当然で、それと同時に、増加の著しい家庭、オフィス、マイカーの3部門における削減に重点的に取り組み、目標達成に努力したい。

第2次行動計画は、2010年を目標年とした計画であり、来年度策定を予定している「脱温暖化2050なごや戦略」を踏まえ、2010年以降の本市の地球温暖化対策の具体的な進め方について検討したい。

地球温暖化対策計画書制度の強化を

【田口議員】
目標達成が困難だと考える二つ目の理由は、産業部門と業務部門、すなわち工場、オフィス、店舗などにたいする対策が、企業の自主的な取り組みにまかせられているということです。

産業・業務部門は、本市のCO2排出量の5割近くを占めています。本市では、環境保全条例にもとづいて、排出量が多い事業所にたいして地球温暖化対策計画書の届け出と公表を義務付けていますが、これは、あくまでも企業の自主的な取り組みを促すものでしかありません。

東京都では、環境確保条例の改正作業が進められていますが、その中では、地球温暖化対策計画書制度の抜本的な強化が検討されています。東京都の環境審議会が昨年12月に発表した条例改正についての中間まとめでは、現行の計画書制度について、「温暖化ガスの総量削減の達成が必ずしも保証」されないこと、「自主的取組を前提とする現行制度の枠組みの限界」があることが指摘されています。そのうえで、「対象事業所に対して総量削減義務を課すとともに、削減義務の履行を経済合理的に実行できるよう、排出量取引制度の導入を図っていくべきである」と提言されています。

そこで、環境局長にお尋ねします。本市でも、CO2削減の実効性を担保するために、対象事業所にたいして総量削減を義務化し、排出量取引制度を導入するなど、地球温暖化対策計画書制度の強化を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。

規制強化は国がやることだ(局長)

【環境局長】
環境保全条例に基づき、「地球温暖化対策計画書」の届出制度を実施している。対象事業所における平成18年度の温室効果ガス排出量は、平成15年度と比較して、3年間で約10%削減されている。

本市のCO2排出量の内、工場等から排出される割合は、市内にエネルギー多消費型の産業が少ないことから、全国平均と比較して大幅に少なく、排出量は基準年と比較して2割以上減少している。一方、オフィスや店舗等からのCO2排出量は、基準年と比較して約4割と大きく増加している。

このため、「地球温暖化対策計画書」制度を今後も引き続き適切に運用していくとともに、オフィス・店舗等の削減対策を重点的に進める必要がある。ただ、中小規模のオフィス・店舗等においては、具体的にどのように省エネを進めれば良いのか、お困りの所も多いと思われる。そこで、省エネアドバイザーが個々に訪問し、業態別の手引書を基にきめ細かくご相談に応じるなど、中小企業における取り組みを支援・促進したい。

なお、今国会で地球温暖化対策推進法を改正し、排出量報告制度の対象を拡大するなど、対策の強化が予定されている。規制的措置や排出量取引制度は、国が全国的な視点から責任をもって検討すべき課題だ。

CO2削減に逆行するプラスチックの分別区分変更はやめよ

【田口議員】
三点目は、プラスチックの分別区分の変更が、CO2削減の目標達成をより困難にするという問題です。

「第4次一般廃棄物処理基本計画」の素案では、容器包装以外のプラスチックについて、分別区分を変更して焼却するとしています。現在でも、「不燃ごみ」に含まれているプラスチックのうち、大江破砕工場で砕かれにくいプラスチックは破砕可燃物とされ、焼却工場で燃やされていますが、これからはプラスチックそのものを「可燃ごみ」に区分しようというわけです。しかし、プラスチックはまさに石油の塊です。いかに熱回収をするといっても、焼却すればCO2の排出量が増えることは間違いありません。

しかも、プラスチックの分別区分の変更は、「プラスチックは燃やすもの」という意識を市民に植え付けてしまい、容器包装とそれ以外のプラスチックを苦労しながら分別することによって培われた市民のリサイクル意識、市長のいう分別文化を後退させてしまうでしょう。さらに、すべてのプラスチックにたいして拡大生産者責任を適用させるという法改正への道を遠ざけてしまうでしょう。

そこでお尋ねします。不燃ごみとされているプラスチックを可燃ごみとして焼却した場合、CO2の排出量はどれだけ増加すると推計しているのか。CO2削減の観点からも、プラスチックの分別区分の変更は行うべきではないと考えますが、環境局長の答弁を求めます。

変更で1万トンのCO2が増える(局長)

【環境局長】
容器包装以外のプラスチックを不燃ごみから可燃ごみに変更した場合、C02排出量は約1万トン増加すると試算している。

ごみ焼却にともなうCO2排出量は、平成10年度には30万トンでしたが、平成18年度には16万トンへとほぼ半減した。これは、容器包装リサイクル法によって、ペットボトルやプラスチック製容器包装の資源化が可能となったからです。

一方で、容器包装以外のプラスチックについては、法律では対象外となっており、このため、全てのプラスチックについて、拡大生産者責任に基づく法ルートを確立するよう、一貫して、法改正を求めてまいりました。残念ながら平成18年の法改正においては、私どもの主張は受け入れられませんでした。次期の法改正に向けて、引き続き働きかけを行いたい。

こうした中、昨年いただいた「ごみ減量先進都市なごや検討委員会」からの提言を踏まえ、第4次一般廃棄物処理基本計画の素案を取りまとめた。この素案では、容器包装以外のプラスチックについて、法整備が実現するまでの間は、次善の策として、焼却による熱回収・埋立回避を行うとの基本的な考え方を示し、自主資源化ルートの可能性も探る。たとえわずかでも、法ルート以外の独自の資源化の道がないものか、現在、模索している。

今後、議会や素案へのパブリックコメントにおける市民のご意見を踏まえるとともに、専門家の技術的アドバイスをいただきながら、結論を見出していきたい。

率先して排出量取引制度を企業に求めよ(意見)

【田口議員】
地球温暖化対策について、「第2次地球温暖化防止行動計画」では、削減目標量のうち本市独自の取り組みによって削減する分は16%にすぎません。あとは国やエネルギー業界の取り組みに依存するものとなっています。ところが、国の削減計画は、先日、改定案が出されましたが、あいかわらず産業界に対しては経団連の自主行動計画まかせであって、国内排出量取引は先送りするという実効性に欠いた計画案となっています。

加えて、環境局長が答弁されたように、プラスチックの分別区分の変更が行なわれれば、CO2の排出量が年間約1万トン増加します。これは、家庭生活から排出される量に換算しますと、約3千世帯分増えることになる。

東京都では、排出量取引制度を企業に求めることを検討しています。都の環境審議会はこう言っている。「国の取り組みは閉塞状態だ。だから、東京の取り組みで突破する」、こういう意気込みです。これがいま名古屋市に必要なのではないか。そうしなければ10%削減目標は達成できないし、さらなる次のステップに前進できない。ということを申し上げて、質問を終わります。

 

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