2007年2月定例会 2007年度名古屋市予算案に対する組み替え案

2007年3月14日
名古屋市長 松原武久様

2007年度予算案にたいする日本共産党の組み替え案

日本共産党名古屋市会議員団
団長 村瀬たつじ

はじめに

2007年度予算案は、庶民増税による個人市民税などの増税とともに、受益者負担の名による市民負担増や市民犠牲を一層強めるものとなっています。

日本共産党は、松原市長に対し「住民の福祉の増進」という地方自治の立場に立ちかえることを強く求めるとともに、予算の組み替え提案など、市民のみなさんと力をあわせ、市民本位の予算となるように全力を尽くす決意です。

なお、組み替え提案は、一般会計に限り、松原市政の提案に対する現時点での必要最低限の組み替え提案となっています。

1.組み替え案の基本方向について

市民生活を守るために、暮らし・福祉・医療を充実させ、不要不急の大型公共事業にメスを入れ、生活密着型の公共事業に転換する予算が求められています。予算組み替え案についての基本方向は次のとおりです。

(1)新たな市民負担の押し付けをやめ、市政が国の悪政から市民を守る

市政が市民の暮らしと営業を守るという立場にかえり、国の悪政から市民を守る防波堤としての役割を果たすため、大増税など新たな市民負担増をやめます。特に市民税について65歳以上の25%減免を50%減免にもどし軽減します。

生活保護世帯に対する市独自の施策が次々と削られてきましたが、公衆浴場無料入浴券の廃止をやめ継続します。

(2)「子育てするなら名古屋」の実現など、市民の切実な要求を実現

中学校までの医療費無料化をめざし、まず07年度は、小学校6年生まで通院・入院を所得制限なしで医療費無料化すすめます。

学童保育の事業拡大(土曜日の午前、高学年対象、障害児加算)と運営費の増額をはかります。

ゆとりある教育を進めるために、小学校2年生まで実施されている30人学級を07年度は小学校3年生まで広げ、市独自の常勤講師で対応します。

木造住宅耐震改修助成について対象を800件に増やします。

(3)不要不急のプロジェクトにメスを入れ市民生活支援

「ポスト万博」として進めている「モノづくり文化交流拠点」は、「産業技術未来博物館」構想の名前を変えたという代物です。本来、企業がやればよいもので行政が進めるべき施策ではありません。

名古屋城本丸御殿の復元は、未だ市民の盛り上がりもありません。市民の切実な要求とはいえず、現時点では時期尚早であり、積立基金の積立をやめるなど推進のための予算は計上しません。

名駅前や葵1丁目の大企業のための超高層ビルの建設支援をとりやめます。そして地元中小企業の支援ではなく、外資系企業などを呼び込む企業誘致助成をあらためます。

住民との合意と納得のないまま推進している都市計画道路建設を凍結し、環境悪化につながる高速道路の延伸は中止します。不要不急の事業をやめ、市民の暮らしを支援する施策へと、市政の重心を移します。

(4)議会のムダづかいをなくす

市民から今後の成り行きが注目されている議会のムダづかいについて、政務調査費の領収書の全面公開を求めるとともに、会派に支払われる(1議員当たり)月額55万円を50万円に削減します。また、党市議団が受け取りを拒否している「1日1万円の議員手当」(費用弁償)は廃止します。また、観光旅行との批判を浴びている任期中1回の海外視察は中止します。政令指定都市で最高ランクとなっている議員報酬については10%カットを行い、現行99万円を89万円に引き下げます。

(5)戦争へ国民を巻き込む「国民保護計画」

「国民保護計画」は、平時から戦争を想定した避難訓練などに市民を動員するものです。これを推進するためにフォーラムが予定されていますが、戦争する国づくりを推進するものであり、とりやめます。

2.2007年度予算案の主な特徴と問題点について

07年度予算は、一般会計9,789億円(対前年度比0%)、特別会計1兆4,522億円(同9%増)、公営企業会計5,499億円(同19.0%増)で合計2兆9,811億円(対前年度比7.5%増)となっています。公営企業会計が大幅増となったのは、高速度鉄道事業会計などにおける高金利の市債の繰上償還(8,641億円)によるものです。

歳入面では、市税は3年連続の増収となる5,167億円(対前年度比8.4%)と過去最高を見込んでいます。これは税源移譲と定率減税の廃止にともなう市民への大増税となる個人市民税(対前年度比14.7%)とともに、法人市民税の増収(同17.1%)を見込んでいます。

市民要望については、小学校2年生の30人学級の全校実施と常勤講師の配置をはじめ、保育所の耐震改修、障害者福祉サービスの利用者負担軽減、マンションなどの耐震診断と改修工事助成などが盛り込まれ、市民の運動と日本共産党の提案や議会での論戦が実りました。

(1)市民への大増税・負担増と福祉・教育の切り捨てを続行

予算案の大きな問題点は、これまで通りの市民への大増税と負担増と、福祉・教育切り捨てを続行していることです。

老齢者控除や定率減税の廃止による大増税と雪だるま式負担増が市民のくらしを直撃しています。追い打ちをかけるように低所得者などを対象とした市民税の50%減免が25%減免に切り下げられ、市立高校や幼稚園の授業料やスポーツセンター使用料、市営住宅家賃が値上げされます。

小中学校の標準運営費は毎年削減され、ついにピーク時の2001年度比で小学校は55%、中学校は60%になりました。これで「教育の充実」といえるのでしょうか。

(2)不要不急の大型開発を推進

財界からの要請にこたえ、超高層ビル建設へ多額の補助や外資系企業も含めた企業誘致をつづけています。市民からの盛り上げのない本丸御殿の復元をはじめ、環境を悪化させる名古屋都市高速道路の延伸、名駅周辺の再開発を支援するためのささしまライブ24地区開発などにかかわる予算が計上されています。不要不急の大型開発事業にメスを入れ税金の使い方を変えていくことがますます重要となっています。

※資料  2007年度 名古屋市予算案 歳出

本年度予算額
(千円)
比較 本年度予算額の財源内訳
(千円)
特定財源 一般財源
地方債 国・県支出金 その他
1 議会費 2,530,741 43,692 43 2,530,698
2 総務費 61,219,193 △ 578,803 5,804,387 2,035,000 680,456 52,699,350
3 健康福祉費 203,873,217 △ 4,181,077 68,087,077 548,000 9,045,240 126,192,900
4 子ども青少年費 88,415,882 2,389,078 24,310,050 453,000 8,122,722 55,530,110
5 環境費 44,814,350 2,042,472 130,226 2,790,000 10,717,970 31,176,154
6 市民経済費 113,115,362 7,167,508 476,006 2,298,000 75,785,702 34,555,654
7 緑政土木費 80,284,678 △ 2,151,356 11,280,507 25,319,080 12,152,185 31,532,986
8 住宅都市費 53,854,547 △ 8,946,793 5,919,622 11,286,000 15,967,800 20,681,125
9 消防費 32,337,910 1,330,295 109,241 1,040,000 443,117 30,745,552
10 教育費 82,497,269 △ 4,682,678 3,139,915 3,958,000 4,250,249 71,149,105
11 公債費 149,205,883 7,989,204 35,966 3,862,000 25,049,287 120,258,630
12 諸支出金 66,740,968 △ 652,542 9,402,000 57,338,968
13 予備費 100,000 100,000
歳出合計 978,990,000 △ 231,000 119,292,997 62,991,000 162,214,771 634,491,232

組み替え案のフレーム(一般会計)

1 不要不急の新規・継続の施策を見直し、一般財源54億円を生み出し、そのうちの51億円を市民生活の充実をはかる施策の財源にあてました。

2 福祉・暮らしの財源を確保しながら財政再建にふみだすため、大型公共事業を中心にした投資的経費の削減と生活密着型公共事業の差し引きで、市債205億円余り削減します。

歳出の減額 歳出の増額 差し引き
削減額 増加額 予算の増減額
△ 336億6千万円 55億2千万円 △ 281億3千万円
捻出される一般財源 必要となる一般財源 一般財源の増減額
△ 54億2千万円 53億2千万円 △ 9千万円
市債の削減額 市債の発行額 市債の増減額
△ 206億1千万円 4200万円 △ 205億7千万円
国県補助金等の減額 国県補助金等の増額 国県補助金等の増減額
△ 57億3千万円 1億5千万円 △ 55億8千万円
その他 その他 その他
△ 18億8千万円 0円 △ 18億8千万円
歳入の削減
(使用料及び手数料の削減)
△5億5千万円
歳入の増額
(増収となる一般財源)
0円
差し引き △5億5千万円

◎全体の一般会計予算規模
予算案 9789億9千万円
増減額 △281億3千万円
組み替え後の予算規模 9508億5千万円

一般会計予算組み替え案の具体的内容 (款:項)

1、 歳出で削減すべき項目――28項目、336億5千万円

○議会のムダづかいをあらため、不要・不急の大型公共事業や大企業優遇の施策などを削減する

(単位 千円)
事項 予定額 財源内訳
一般財源 市債 国県支出金 その他
議会費 議会費 議員報酬(10%カット) 87,714 87,714      
政務調査費(月額55万円を50万円に削減) 45,000 45,000      
費用弁償(廃止する) 60,000 60,000      
海外視察(廃止する) 30,000 30,000      
総務費 総務管理費 モノづくり文化交流拠点構想の策定 10,000 10,000      
環境費 環境保全費 工業用水道会計への地盤沈下対策出資金(徳山ダムへの支出) 72,475 72,475      
環境事業費 PFI手法による鳴海工場の改築 5,642,000 172,000 2,384,000 1,812,000 1,274,000
市民経済費 区役所費 住民基本台帳ネットワークシステムの運用 115,464 115,464      
産業費 シティセールス事業 14,747 14,747      
産業立地促進助成 65,131 65,131      
外資系企業誘致推進事業 54,178 54,178      
市場及びと畜場会計支出金(卸売機能強化事業) 250,000 250,000      
観光費 名古屋城本丸御殿実施設計 157,000 157,000      
名古屋城本丸御殿復元推進イベントの実施 86,607 86,607      
緑政土木費 道路橋りょう費 国直轄道路事業負担金 10,000,000   10,000,000    
有料自転車駐車場整備 1,359,288 915,188 245,000 199,100  
街路費 池内猪高線の道路改良 313,000 71,000 121,000 121,000  
弥富相生山線 366,000   366,000 3,288,300 609,842
江川線はじめの有料道路支援関連事業 6,400,948 2,502,806      
住宅都市費 都市計画費 ささしまライブ24地区開発提案競技 14,800 14,800      
都市高速道路建設 7,500,000   7,500,000    
名古屋環状2号線関連整備の縮小 500,000 500,000      
住宅費 名駅4丁目27番地(旧三井ビル) 301,260 75,840   225,420  
葵1丁目19番地区優良建築物等整備事業(ヤマザキマザック) 120,100 30,900   89,200  
消防費 消防費 国民保護業務(フォーラム開催) 5,000 5,000      
教育費 生涯学習費 トワイライトスクール時間延長モデル事業 17,088 17,088      
PFI手法による守山スポーツセンター整備のための経費 13,799 13,799      
諸支出金 公営企業会計支出金 水道事業会計支出金(徳山ダム建設に係わる水源施設建設出資金) 58,000 58,000      
削減額の合計 33,659,599 5,424,737 20,616,000 5,735,020 1,883,842

2、歳出の増額――8項目、55億2千万円

○市民のくらし・福祉・教育の切り捨てをやめ切実な市民要求を実現する

(単位 千円)
編成替えの内容 予定額 財源内訳
一般財源 市債 国県支出金 その他
健康福祉費 生活保護費 生活保護世帯への公衆浴場入浴券の廃止をやめ継続 27,720 27,720      
子ども青少年費 子ども青少年費 子どもの医療費助成拡大(まずは、小6まで通院・入院を無料にし、所得制限を撤廃) 3,570,000 3,570,000      
学童保育の土曜日午前や対象学年拡大など運営費増額 630,799 588,799 42,000    
教育費 小学校費 30人学級の拡大(当面、小学校3年生に広げる。常勤講師で対応) 900,000 900,000      
小学校標準運営費の据置 86,603 86,603      
中学校費 中学校標準運営費の据置 50,449 50,449      
高等学校費 高校運営費の据置 15,820 15,820      
住宅都市費 住宅費 木造住宅耐震改修助成の件数を800件に増やす 240,000 90,000   150,000  
増額の合計 5,521,391 5,329,391 42,000 150,000  
(1)−(2)差し引き増減 28,138,208 95,346 20,574,000 5,585,020 1,883,842

3、歳入の減収――7項目、5億5千万円

○市民の負担を増やす市税や使用料・手数料の値上げをやめる

(単位:千円)
削減する内容 予定額
市税 市民税 65歳以上の市民税の減免率25%を50%にもどす 400,000
使用料及び手数料 使用料 中央看護専門学校入学検定料、入学料の値上げをやめる 5,423
使用料 市営住宅使用料の値上げをやめる 91,654
使用料 高等学校授業料の値上げをやめる 14,208
使用料 幼稚園授業料の値上げをやめる 12,360
使用料 地域スポーツセンター等使用料の値上げをやめる 9,636
使用料 みどりが丘公園墓地使用料の値上げをやめる 18,105
増額の合計 551,386

 

 

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