議案質疑(3月8日) 山口きよあき議員

介護保険と敬老パスの値上げについて

国の負担を法律通りにすれば値上げは不要

【山口議員】
山口きよあき議員追加上程された第106号および第107号議案について質問します。

106号議案で提案されている介護保険料の4割もの値上げは、多くの高齢者の負担能力をこえるものであり、保険制度は持続できても、高齢者のくらしは持続不可能になってしまいます。

ではどうするか。

第一は、保険給付費の財源に関する国の負担割合を引き上げることです。介護保険制度は、そもそも費用負担割合を保険料50%、市町村と都道府県あわせて25%、そして国が25%と定めています。しかし実際は、国の負担は20%プラス調整交付金となっており、本市の新年度予算では「三位一体改革」で国から県に負担が移る部分を含め、国の負担は調整交付金込みで23.16%です。この国の負担を本来の25%にすれば保険料基準額は3559円、値上げ案の4398円より839円も下げることができます。

市長、名古屋市として国に給付費の25%を負担するよう要求してきましたか?調整交付金込みではなくまずしっかり25%負担するよう要求すべきです。

そのうえで提案します。保険料凍結に必要な国の負担を試算すると約67億円です(25%+2.01%)。この経費を国に必ず負担させる強い決意を持って、一旦、一般会計から介護保険へ繰り出す。この決断を市長に求めます。保険料の値上げをくいとめるため、本市自らが身を削る。この姿勢を市民にも、国にも示そうじゃありませんか。市民と心をひとつにしてこそ迫力をもって国に改善を迫ることができます。市長の思い切った決断を求めるものです。お答えください。

一般財源の投入は法律上できない

【市長】

国に対し、毎年、全国市長会などで、国の負担分は25%とし、別に調整交付金の機能を措置するよう要望している。引続き、調整交付金制度の改善を要望する。

12.5%の負担割合を超えた一般財源の繰入れは、法上、できない。

福祉制度の充実で介護保険料の値上げを回避できる

【山口議員】
第二に、市の単独事業を充実させて真の意味での「介護予防」「健康づくり」をすすめ、介護費用を抑えることです。

ところが制度改正で、介護用品の支給などこれまで公費でまかなわれてきた保健・福祉事業の多くが「地域支援事業」に再編され、その財源の一部に介護保険料を当てる仕組みがつくられました。これも保険料をあげる要因のひとつとなっています。なんでもかんでも介護保険で行うのではなく、必要な施策は市の事業として行うことが、保険料を抑えるためにも不可欠です。実施は任意となっている地域支援事業はできるだけ市の事業として行うなど、介護保険は思いきってスリムにすべきだと考えます。

たとえば、上乗せ給付として実施してきた配食サービスは介護保険ではなく市の高齢者福祉事業に組み替えることはできないのでしょうか。健康福祉局長の答弁を求めます。

財政が厳しいのでできない

【局長】
「地域支援事業」は、主に高齢者の予防事業等で、従来、一般施策として実施してきたが、介護保険の制度となり、充実したものとなる。また配食サービスは、平成15年10月、同様に介護保険特別給付事業とすることで事業拡大を図ってきた。

厳しい財政事情のなか一般財源により、これらの事業を実施することは、困難だ。

敬老パスの負担増の凍結を

【山口議員】
次に107号議案について質問します。介護費用を抑えるためには高齢者福祉の全体を充実させることが不可欠です。ところが今回の敬老パス条例改正案では、高齢者約6万人の敬老パス負担額が千円から5千円に5倍も値上げされます。結果として敬老パスが市民から遠くなります。これでは、健康づくりや介護予防の推進に逆行するのではないでしょうか。

敬老パスの負担増は、国の増税に連動したものですが、名古屋市独自の努力で避けることができます。現状維持に必要な経費は約2億3千万円強。高齢者にのしかかる新たな市民税負担の十分の一ではありませんか。市長がその気になれば凍結できます。市長の決断を求めて一回目の質問を終わります。

負担の公平から値上げする

【市長】
敬老パスの一部負担金は、世帯として住民税が課税されているか否かで区分することになっている。

介護予防は、今回の介護保険制度の改正で、積極的に取り組んでいく。

市民の暮らしを守ることが市長の責任だ(意見)

【山口議員】
4割もの保険料値上げをくい止めるため、一般会計からの財政投入を思いきって決断すべきです。一般財源の繰り入れは「介護保険法上できない」と言われましたが、自ら決めた法律どおりやってこなかったのは国のほうですよ。

市長は「三位一体改革」について「補助金は減らされた」が「地方の裁量は高まらない」となげきました。介護保険は国の決めた枠組みでは、もう持続できないところまできています。いまこそ名古屋市としての裁量を発揮する時です。値上げを凍結し、市民と力をあわせて、国とたたかうことを、市長に強く求めます。

その他の論点は、引き続き常任委員会で質疑させていただきます。

以上、終わります。